ウェブ界隈で話題!「iOS 9」の「コンテンツブロッカー」問題とは

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iOS 9」がリリースされてからウェブ界隈は「コンテンツブロッカー」の話題で持ち切りだ。これは日本に限った話ではなく、海外のニュースサイトや僕が視聴しているポッドキャストでも「コンテンツブロッカー」が及ぼすウェブへの影響は今盛り上がっているトピックの1つだ。

「コンテンツブロッカー」とは何か。ウェブ界隈の影響をはじめ、世の中にどのような影響を及ぼす可能性があるのか。話題になっていた情報をまとめたので、一連の話題に付いて行けていない、という人は参考にどうぞ!

「コンテンツブロッカー」全般について

「コンテンツブロッカー」とは

そもそも「コンテンツブロッカー」とは何か。これはブラウザに本来表示される一部のコンテンツを自動的に制限し、非表示にする機能。今回、「iOS 9」が同機能に対応したことによって収益化が難しいと言われているスマートフォン向けウェブコンテンツがさらにさらに難しくなるのではないか、ということで話題になっている。

そもそもコンテンツブロッカーはこれはMac/PC用のブラウザでは以前から拡張機能の1つとして提供されてきた。中でも広告をブロックすることに特化した「Adblock Plus」は特に人気も高く、PageFairとAdobeがまとめた広告ブロックに関する調査内容によると、2014年時点では1億4,400万人が広告ブロック機能を導入していることが判明。これは全インターネットユーザーの約5%に値する。

Adblocking Research 【img via nside PageFair

特に若い世代の使用率が高く、18〜29歳の41%が広告ブロックをブラウザに導入していることも明らかになっている。

ユーザーから見た「コンテンツブロッカー」のメリット・デメリット

ユーザーが「コンテンツブロッカー」を入れるメリットまたはデメリットは何か。

ハッキリ言ってユーザーにとってはメリットだらけだ。それも広告が非表示になるだけではない。

「Crystal」の場合、有効化した場合と通常時を比較するとデータ通信量は53%削減され、ページの読み込み速度は平均して3〜9倍も高速化されたという調査結果が出ている。実際にコンテンツブロッカーアプリを有効化した状態では、高速化にそこそこ投資しているgori.meでさえも読み込み速度は早く感じる。


短期的にはメリットが多いように感じるが、個人的には今後の流れによってユーザーにもデメリットが出てくる可能性があると考えている。それは「商品やサービスを正確にレビューする(ユーザー思い)」ことよりも「商品やサービスが売れる(自分本位)」ことにベクトルが向いてしまい、「純粋なレビュー記事」が読めなくなってしまう、つまり、記事広告やステマが増えるかもしれないということ。今後の動向を注意深く見る必要がある。



iOS 9」の「コンテンツブロッカー」について

「iOS 9」で「コンテンツブロッカー」を有効化する方法

では「iOS 9」の「コンテンツブロッカー」とはそもそもどこにあるのか。実はその機能を持つアプリをダウンロードしなければ有効化することはできない。

僕は「Purify Blocker」と「1Blocker」を試したが、App Storeの有料アプリ総合ランキングでは「Crystal」が現在1位となっている。



上記アプリをダウンロード後、アプリ側で有効化した後、「設定」アプリの「Safari」をタップ。少しスクロールすると「コンテンツブロッカー」という項目がある。この中に先ほど有効化したコンテンツブロッカーアプリがあるはずなので、有効化し、Safariを開くとそれまで表示されていたはずの広告が非表示になるはずだ。


コンテンツブロッカー有効時・無効時における表示の違い

gori.meの場合、以下のようになる。左がコンテンツブロッカーを有効する前、右が有効化後となっている。検索ボックス下に表示されていた広告が消えていることが分かるだろうか。



「iOS 9」の「コンテンツブロッカー」に関する様々なニュース

大まかに「iOS 9」の「コンテンツブロッカー」機能が分かったところで、現在話題になっているニュースを紹介する。

コンテンツブロッカーはGoogle Analyticsさえも無効化する

「iOS 9」が正式に発表される前、僕はThe Next Webを情報元として「iOS 9」のコンテンツブロック機能がブロックするのは広告だけではなく、Google Analyticsなどアクセス解析ツールもブロックされる可能性があることを紹介した。


これはやはり事実だったとのことで、コンテンツブロッカーアプリ「Crystal」を使用した場合、Google Adsenseだけではなく、Google Analyticsのアクセスが計測されていないことが確認されたようだ。



これは細かく設定できるコンテンツブロッカーアプリであれば問題ないかもしれないが、アプリによっては上記の通りアクセスさえも測定できなくなる可能性がありそうだ。

ただ、逆に物凄くポジティブに捉えれば実際にGoogle Analyticsの管理画面に表示されている数値よりもより多くの人に閲覧されているという見方もできなくもない。ちょっと苦しいか……。

コンテンツブロッカーが影響するのはあくまでもSafari内のみ

ところでここ最近、何かを調べる方法としてiPhoneを取り出し、Googleで検索した経験のある人はどの程度いるだろうか。僕は多くの情報をRSS、Twitter、Facebookのいずれかから入手することが多く、Googleで何かを調べる時は実際に記事を作成する時ぐらいだ。

Contents Blocker iOS9 Safari
「iOS 9」のコンテンツブロッカーはあくまでもSafari内のみ有効になる機能。上記のスクリーンショットは「1Blocker」を有効化した状態で「Tweetbot」からgori.meのリンクを開いた時のスクリーンショット。広告は表示されている。

米App Store1位のコンテンツブロッカーアプリ、2日間で取り下げ

ところで、アメリカでは「Peace」というコンテンツブロッカーアプリが人気だった。有料アプリランキングのトップに36時間ほど君臨した後、作者はなんとアプリを取り下げることを決意。



開発したMarco Arment氏は取り下げた理由について「あんまり良い気分ではなかった」とコメントしている。

Achieving this much success with Peace just doesn’t feel good, which I didn’t anticipate, but probably should have. Ad blockers come with an important asterisk: while they do benefit a ton of people in major ways, they also hurt some, including many who don’t deserve the hit.

via Just doesn’t feel good – Marco.org


これは個人的に非常に興味深いと感じた。というのも、実際のところ、コンテンツブロッカーはユーザーにとってメリットがある仕組みであることは明確だ。ただし、冷静に考えるとモヤっとする部分もある。

特に有料コンテンツブロッカーアプリのモヤモヤ感は大きい。本来、広告主が出稿した結果還元される可能性のある収益はコンテンツブロッカーアプリに流れるという仕組みになるからだ。言葉悪いかもしれないが、ある意味横領しているようにも見えるが気のせいだろうか。


広告ブロックをブロックする方法(ブロック返し)もある

ところで何が何でもユーザーに広告を表示させたいというウェブメディア運営者もいるかもしれない。調べてみたところ、広告がブロックされていることを検知し、ユーザーにコンテンツを表示させないなどの対策をすることも可能となっているようだ。詳しく以下の記事を参考にどうぞ。




「コンテンツブロッカー」がウェブメディアや広告主に与える影響

先日このような記事が話題になっていた。



広告にそもそも見向きをしないようなユーザーがブロックすることによって必要のないインプレッションやクリックに対して出費する必要がなくなり余計なコストを削減できる、という内容だった。

確かにも広告に嫌気を感じているような人は意地になって広告を無視する人も少なくない。クリックなんて以ての外だ。逆にそのような人がコンテンツブロッカーアプリをインストールしたことによって本来のコンテンツを今まで以上に楽しんでもらえるのであればかえって良いことなのではないかという気さえもしていた。

ただ、広告は何もクリックさせることが全てではない。広告主は出稿することによって1人でも多くの人にサービスや商品を知ってもらうことを目的としている場合もある。要は認知度の向上だ。即購買に繋がるのではなくそのサービスや商品を認知させることによって必要な時にユーザーの行動に繋げることができれば十分な広告効果があると言える。

よって、広告を非表示にする人が増えるということはやはり広告主にとっては状況としては芳しくなさそうだ。そう思っていたところ、以下のような記事を発見。



となると、想定し得る最悪の事態はコンテンツブロッカーをインストールすることが一般化した時。一度インストール後、あえてアンインストールする理由も特に無いため、認知する目的の広告さえも目にする機会が格段に減ることになる。

このような流れになった場合、ウェブメディアと広告業界は何かしらの対策を講じる必要がありそうだ。

そもそも広告ブロック以前に「キャプチャによるシェア」が脅威か

ところでそもそもコンテンツブロッカー以前に脅威となるものが先日話題になっていた。それが「画面をキャプチャしてシェアする」という行為。若い世代を中心に、記事そのものをシェアするのではなく、気になる部分のスクリーンショットを撮り、それをTwitterやFacebook、LINEなどに投稿することが一般化しているそうだ。



このニュースをFacebookで投稿してみたところ、「画像のほうが電波なくても見れるし、会話に埋もれても探しやすい」という妙に納得したコメントもあり「なるほど」と思いつつも、ウェブメディアとしては今後より普及する可能性が十分あるシェアの仕組みとして向き合う準備はしておいて損はしないだろう。

変化のスピードに付いていけた者のみが生き残れる世界

ウェブ業界は変化のスピードが早い。前職時代、「IT業界においては「昨日の常識が今日の非常識」とは良く言われたものだ。

コンテンツブロッカーもキャプチャのシェアも時代の流れ。サービス提供側としてはこの流れを阻止するよりも素直に受け入れ、いかにして先手を打つかを考えた方が今後に繋がるように思う。

変化の激しいウェブ業界だからこそ、付いていけた者のみが生き残れる。僕自身も1人のウェブメディア運営者としてこの流れにしっかりと向き合いたい。

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