【レビュー】「PTX Vols.1&2(ジャパン・エディション)」は聴き応えのある1枚!全20曲分、渾身のレビューを書いてみた!
先日発売したPentatonix初の国内盤CD「PTX Vols.1&2(ジャパン・エディション)」。以前から予約していて発売日に手に入れ、既に相当聴きこんでいる人も多いかもしれない。
かくいう僕も発売日には手にすることはできなかったものの、数日遅れでゲット!毎日こればかり聴いているのだが、どの楽曲を聴いてもアレンジが秀逸だ。そして個々の能力が最大限活かされていて良い意味でそれぞれの声が浮いているのは個人的にとても好きだ。
初の国内盤CDという記念すべき1枚なので、収録されている全20曲のレビューをしたいと思う!あくまでも僕の主観に基づいた分析となっているので、一意見として読み流してもらいつつ、今まで気付かなかったような楽曲の楽しみ方を伝えることができれば幸い!そしてボイスパーカッショニストとして注目する場所や好みの曲が分かりやすく偏ることになると思うが、予めご了承ください!
それでは渾身の全曲レビュー、いってみよう!
Starships
この曲で特筆するべきなのは原曲の再現度の高さ。Pentatonixの得意分野でもあるが、クラブミュージックのようなサウンドを声(と多少の音響技術はもちろんあると思うが…)で生み出すことができるのはやはり凄い。イントロのAviが見せるホーミーは何度聴いても釘付けになる。ちなみに僕はこの曲をPentatonixを通じて知ったのだが、気に入りすぎて原曲も買ってしまった。
The Baddest Girl
これはPentatonixのオリジナル曲。1曲目のクラブミュージック感とは違い、ヘビーなサウンドとアレンジになっている。Scottの歌唱力が目立つ。2分40秒頃から始まるKevinの細いハイハットの音が乾いているのが気になるが、細い刻みでいいですな!
Somebody That I Used to Know
これは全米最高1位を取得したGotyeのカバー曲。悲壮感漂うコーラスとリードを支えるのは曲の重い雰囲気を表現するリズム隊あってこそ。特に2分からの重さがオススメ!
Aha!
コーラスもリズムも細くてアタフタしていると重いリズムと低い音がリズム隊の2人が差し込み、聴いていてとても忙しい曲に仕上がっている。個人的に間奏が好きだ。特に高いコーラスからAviのホーミーに持っていくアレンジは秀逸。
Show You How to Love
個人的に好きな曲の1つ。この曲はMitchがリードを取っているが、恐らくScottがリードを取っていたら全然違う曲に聴こえるのではないかと思う。Mitchは高いキーを軽く出せるのが本当に凄い。1サビでコーラスが一瞬ホーミーのような歌い方を取り入れているのは良い。アカペラーであれば2分42秒のストップモーションが刺さるかもしれないが、個人的にはイマイチだな…なんでここにストップモーション入れたんだろう…。
Love You Long Time
この曲の注目ポイントは間違いなくサビのAviのホーミーでしょう!こうして見るとAviはアレンジの中にホーミーを積極的に取り入れていることがよく分かる。近未来感が出るのはその取り入れ方が上手だからなのかもしれない。
途中でスウィングのリズムを取り入れているのもポイントが高い。The Sing Offに出ていた頃のPentatonixを思い出す。昔からPentatonixを見ている人であればこの頃が好きだったという人も多いだろうが、まさにあの頃を思い出させるようなアレンジだと思う。
We Are Young
とてもシンプルにアレンジされている。「トゥン」コーラスの縦がバッチリ揃っていて気持ちが良い。やはりコーラスの縦のリズムが揃うとグルーブ感が全然違う。2メロの1分19秒頃にKevinが詰め込む細いリズムに注目。
Can’t Hold Us
恐らく音を増やしているはず。KirstieがKe$haを意識しているような歌い方をしているのが曲と合っていて個人的に好き。長いベースラインをAviが歌い、そこに重いバスドラと細いリズムを打ち込む間奏も多い気がする。リズム隊の2人にしっかりと見せ所が用意されていて良い。
Natural Disaster
Scottの熱唱している姿が思い浮かぶような熱いリードが良い!こういう熱い歌はメンバーの中でScottが一番向いていると思うのは僕だけだろうか。ただし曲の展開が何となく代わり映えしなくて飽きてしまう。アレンジではなく原曲の問題だと思うが…。
Love Again
彼らのオリジナル曲で以前も紹介しているが、男性ながら女性顔負けのハイトーンが魅力のMitchがサビで笑えるほど高いキーで歌うところに注目。いや、もうこれは本当に笑えるほど高い。1サビの後の間奏も何が起きているかよく分からないが、Aviの歌っているキーが異常に低いということは良く分かる。
Valentine
Pentatonixにしては優しい歌。もちろん優しい歌を歌うのはMitch。この曲でもその声の高さは光る。2番はScottがリードを取るが、それはそれでまた良い。
Hey Momma / Hit the Road Jack
サビでスウィングに入ってからKevinが打ち込むバスドラの連打が重く響く。これがどこまで生音で出せているのか分からないが、実際にライブでこの迫力を聴くことができたら間違いなく失神すると思う。重すぎる…!曲名のせいもあるかもしれないが、これは車の中で聴きたくなるナンバーですな!
I Need Your Love
これは僕が特に気に入っている曲の1つ。全体的なグルーブとリズムが好み。どこか特筆するべきところがあるというよりは曲全体が好み。さすがCalvin Harrisの楽曲だ。
Run to You
このアルバムで最も聴いていない曲と言っても過言ではない。個人的にPentatonixにバラードも熱い和音も求めていない身としては無意識に飛ばしてしまう。ハーモニーは綺麗だが、Pentatonixらしいかというと個人的にそうは思わない。
Daft Punk
言わずと知れた名曲。Pentatonixを知らない人でもこの曲ぐらいは聴いたことがあるだろう。改めてアルバムの中で聴いてもこの曲の完成度は群を抜いていると言わざるを得ない。アレンジがあまりにも秀逸で、メドレーであるはずが不自然な繋ぎ目がまったく見当たらず1つの曲であるかのように思える。
確実にこれはどのライブでも演奏すると思うが、この曲は間違いなく多重録音している(特にKevin)。個人的にCDで収録するために多重録音することには全く反対していないが、ライブパフォーマンスでどの音を優先して演奏するのか気になる。
ところでKevinといえば2分52秒頃から始まるAviリードの間奏に注目。音が多すぎて細かすぎて何が起きているか何度聴いても追い切れない。難易度が異常に高い。
Save The World / Don’t You Worry Child
これもまた耳馴染みのあるナンバーをカバー。メロは壮大感あふれるアレンジになっていて、サビで一気に開ける。この手の曲の肝となるのはやはりバスドラの安定度。
Radioactive
これはLindsey Stirlingとコラボしているので声のみの演奏ではない。本来、楽器とコラボするとどうしても楽器とアカペラがそれぞれ独立して聴こえてしまうことが多い印象があるが、彼らの重いアレンジを組み合わせても楽器の音色が浮かないので不思議だ。すごい一体感。
Say Something
バラード曲だがこの曲に限ってはミュージックビデオも何度か見ているせいなのか原曲が好きだからなのか分からないが、好き好んで聴くことが多い。原曲は男性2人組だが、そこを会えて女性のKirstieをリードにしたのがとても良かったのではないかと思う。その分男性2人が積みが低めの重いコーラスにできたのではないかと思う。この曲の持つ世界観がとても好きだ。あえてチェロをアレンジに加え、最後をKevinリードで締めたのは良い。
Royals
良い曲だとは思うが個人的にあまり印象に残らない曲。僕の好みの問題だろうか…。ただ、後輩が演奏していたということもあり、個人的には後輩が演奏している印象の方が強い。不思議。そしてなんて個人的な感想…。
Let It Go
CDを手にしてからぶっちぎりの再生回数を誇るのは「Let It Go」。これまでどこにもその演奏を目にする機会がなかったので物凄く期待していた曲だ。
個人的にはもう少しひねったアレンジを期待していた部分もあったため、最初のうちは「アレ?」と思ってしまったのは事実。ただ、何度も聴いているうちに原曲に忠実でありながら要所々々で見られる素敵なコーラスワークはさすがの実力派バンド。字ハモ(歌詞を歌いながらハモること)とスキャットの組み合わせがとても良い。1メロのベルトーンもそうだが、1サビの「ダッダッダッ」コーラスは好きだ。2番からパーカスを入れたのもグッド!
「PTX Vols.1&2(ジャパン・エディション)」は良いアルバムだ!
本当は各曲すべて事細かにレビューしたいところではあるがそうもいかないので、簡単ではあるが各曲の感想を書かせてもらった。全曲をまとめて買うのが不安な人はまずは試聴して気に入った曲だけでも買ってみるべし!ライブを見るのであれば「Daft Punk」「Let It Go」は必須。個人的にオススメなのはこれらに加えて「Starships」「Hey Momma / Hit the Road Jack」「I Need Your Love」の3曲。
今から8月18日(月)18時から川崎ラゾーナで開催される生ライブが楽しみだ!僕も当然会場にいるので、参加する人は当日楽しみましょう!