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Apple、英国でiCloudの最強セキュリティ機能を廃止へ

政府のバックドア要請に「NO」を突きつける形に

Advanced data protection

Appleが英国(イギリス)で大きな方針転換を発表した。同社のクラウドストレージサービス「iCloud」で提供している高度なデータ保護機能「Advanced Data Protection(ADP)」の提供を英国で終了することを決定したのだ。9to5Macが報じた。

この決定は、英国政府が新たに制定した法律により、暗号化システムへのバックドア(裏口)設置が企業に義務付けられたことを受けての対応だ。Appleはユーザーのプライバシー保護を重視する立場から、バックドア設置を拒否。その結果として、ADPの提供を取りやめる選択を下した。

既存ユーザーにも影響大

この変更により、英国在住の新規ユーザーはADPを利用できなくなるだけでなく、すでにADPを利用している既存ユーザーも、iCloudアカウントの継続利用のために機能を無効化する必要がある。ADPは、写真や連絡先、メモなどiCloudに保存されたデータを最高レベルの暗号化で保護する機能で、データの復号化は所有者の信頼できるデバイスでのみ可能となっている。

Appleの強い懸念

Appleは声明で「データ漏洩やプライバシーへの脅威が増加する現代において、クラウドストレージの暗号化強化は喫緊の課題だ」と指摘。「当社の製品やサービスにバックドアやマスターキーを実装することは一切なく、今後も実装することはない」と、プライバシー保護の姿勢を改めて強調した。

今後の影響

この動きは他のテクノロジー企業にも波及する可能性がある。英国政府の要請に応じた場合、他国でも同様の規制が広がるリスクがあり、グローバルなプライバシー保護の在り方に一石を投じることになりそうだ。

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執筆者g.O.R.i
コメント(1件)

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  1. 通りすがりの読者(コメントID:705335)

    バックドアって要はセキュリティホールを自作するって事だからね。
    発見されて「それは政府の要請で作ったので…」なんて企業が言えるはずもない。

    過度な監視を要求する国は、もう平文通信を基本にでもしてしまえばいい。
    日本もそうならないとは限らないけど、プライバシーや安全性より監視性を選ぶと言うのなら仕方ない。

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