40万円のヘッドホンがヤバすぎたので、ちょっと語らせてくれ

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僕は罪な男だ。約40万円のヘッドホンという新しい世界を体験してしまった。

現在、Makuakeで資金調達を行っている、自分自身でイヤホンを一部分解し、自分で自分好みの音にチューニングすることができる新しいイヤホン「Make」を開発しているファイナルの工場にお邪魔させていただき、「D8000」という最新のハイエンド・ヘッドホンを体験させてもらった。

僕がこれまで耳にしたことのある最も高価なヘッドホンは14万円のゼンハイザー製オープン型ヘッドフォン「HD800」だった。その時は限られた時間でもその魅力を十分に味わい、「解像度の高い音」というものを体験することができ、心の底から感動したのだが、約40万円のヘッドホンはもはや別次元。言葉では言い表せないような感情が全身を駆け巡った。

その時の感情をその場で記録したので、できる限りその感動を皆さんに伝えたいと思う!

ファイナル:音をロジカルに追求するオーディオブランド

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オーディオマニア以外の人はそもそも「ファイナル」というオーディオブランドを知らない人も多いかもしれない。

ファイナルは、1974年に創業した日本のオーディオブランド。ワイヤレスイヤホンやヘッドホンが存在感を増す中、「原理的に正しいモノを度外れに追求する」という変わらないコンセプトをひたすらに追求し続け、有線製品にこだわっている。

どうやら「良い音」は「計算できる」らしく、ファイナルはコストや製造のことは一旦度外視し、技術第一で音響設計しているとのこと。要は「最高に良い音を計算で編み出し、それを製品化する」という、ぶっ飛んだ企業なのだ。

人生で聴いてきた曲を聞き直したくなる「D8000」の凄さ

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さて、肝心な「D8000」の音質だが、ハッキリ言って今まで僕が体験してきたヘッドホンやイヤホンとは別物だ。最初に聴いたのはとあるクラシックの楽曲だったが、目を閉じればそこは小澤征爾が指揮を執る世界最高のオーケストラが目の前で演奏していると本気で思えてしまった。それほどすべての音がリアルだったのだ。

オーケストラには楽器の位置があり、実際にコンサートホールの中にいれば自分のいる位置からは近い楽器もあれば遠い楽器もあるはず。具体的にどこに何があるかは分からないが、そのような音の立体感のようなものを感じられたような気がした。それがきっと僕にとって「リアル」だと感じたのだろう。

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とは言え、僕が普段聴いているのはオーケストラのクラシック音楽ではない。ポップスだ。ポップスを「D8000」で聴くとどうなるのか。

一般的な3.5mm端子に挿すことができるため僕のiPhoneやiPadから音楽を流してみても良かったが、元の音源の音質がヘッドホンの良さを活かすレベルではないため、入っている音源がすべてFLAC(Free Lossless Audio Codec)という、ヘッドホンを活かすことができるソニーのウォークマン「NW-WM1Z」を使わせて頂いた。

ちなみに「iOS 11」はFLACが再生可能になったので、対応音源があればiPhoneやiPadでも楽しむことができる。今回使わせて頂いたウォークマンの価格はソニー公式ストアで税別299,880円。これぞオーディオ沼……。

試しに宇多田ヒカルの名曲「Automatic」を聴いてみた。その結果、開いた口が塞がらなくなった。

久しぶりに聴いたとは言え、これまで何度も何度も聴いてきたはずの「Automatic」が信じられないほど豪華に聴こえた。「臨場感がある」とはまさにこのことだろう。サウンド沼に入ると「すべての楽曲を1から聞き直したくなる」と言われたが、その気持ちがこの時、分かった気がする。これは、完全に今まで聴いてきた「Automatic」と次元が違う。

この記事を書くために、あえて同じ「Automatic」を手元にある自慢のワイヤレスヘッドホン達を使って聴いてみた。一応、僕の手元にあるワイヤレスヘッドホンは5〜6万円台のフラグシップモデルだが、残念ながら「D8000」で聴こえた音はほとんど聴こえない

例えば、1分15秒過ぎから始まるタムのリズムは「D8000」では確実に聴こえていた。この場所にこのグッとくるタムのリズムが入っていることなんて知らず、音色もやはりリアルで感動したが、手元にあるワイヤレスヘッドホンではその音は集中しないと聞き取れない。「D8000」ではあれほど鮮明に聞こえていたのに!

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開放型のヘッドホンということもあり装着しても密閉感がまるでなく、ヘッドホンを付けて音楽を小さい音量で流した状態でも周りの音は聴こえる。その状態でもノイズキャンセリングヘッドホンよりも音楽を隅々まで堪能できた、という実感がある

周りの音をシャットアウトするのではなく、周りの音と共存しながらも、極めて高い解像度を持つ最高の音を楽しむことができる。だからこそヘッドホン特有の閉塞感を全く感じないのかもしれない。

さらに驚いたのは、ヘッドホンを少し耳から離した状態でも音質が変わらないこと。

一般的にヘッドホンは耳から離すと低音が大幅にカットされ、スカスカとした音になることが多い。実際に僕の他のヘッドホンでも耳から離すと音の迫力が一気に無くなる。

ところが、「D8000」の場合は離しても低音がしっかりと響く。これは「ヘッドホンは耳から離すと音がスカスカする」という僕の中の常識をひっくり返す大事件だ。

ヘッドホンの付け心地も最高。イヤーパッドも自社設計し、開放感を失わないように研究が重ねられているとのこと。

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「D8000」を体験してしまうと、今までにない欲が溢れ出てくる。「今まで聴いてきた音楽は一体何だったんだろう」「あの曲をこのヘッドホンで聴いたらどんな音が聴こえてくるんだろう」と。

やはり約40万円のヘッドホンは伊達ではなかった。僕はとんでもない沼への入り口に立っているのかもしれない。

ケーブルを変えるだけで音質が変わるなんて意味不明 → 体験したら音質に雲泥の差があった!

少し話は変わるが、オーディオマニアから「ケーブルを変えると音が劇的に変わる」と言われたことは無いだろうか。

これまでの僕は「ハイハイ、自称プロにはケーブルを変えるだけで音の違いが分かるんですね、すごいすごい」としか思っていなかった。きっと僕だけではないはず。

ファイナル訪問時にも「ケーブルを変えると音が変わります」と言われ、内心「またまたぁ!オーディオマニアしか分からないことを一般人に言ってどうするんだい!」と思っていたが、実際に体験してみて分かった。

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音 が 全 然 違 う !

あまりにも音が変わりすぎるので何回か行ったり来たりさせてもらったが、やはりケーブルを変えるだけで劇的な違いが体験できる。僕のようなど素人でもケーブルを変えるだけで別世界だ。

比較したのは、OFC(無酸素銅)の線と、OFCの動線をシルバーコーティングした線。後者はスーパーコンピューターの京のケーブル開発している潤工社と共同開発したとのこと。

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接続しているのは「D8000」なので、当然OFCでも十分に素晴らしい音が楽しめる。僕が「D8000」を初めて体験したのはOFCケーブルが接続された状態だったが、それでもこれまで聴いたヘッドホンの中でぶっちぎりだった。

ところが、これをシルバーコーティングした線に変えてみたところ、すぐに分かるほど音がクリアになる。それも耳を済ませればクリアになる程度ではない。圧倒的にクリアになるのだ。「透明感のある音」を追求するとここに行き着くのかもしれない。

もう一度OFC線に戻すと、良い音だと思っていた音が逆にこもって聴こえてしまう。ケーブルがこれほど音質に影響を与えるとは想像もできなかった。ケーブル、恐るべし……。

ファイナルが考案する「新しいイヤホンの在り方」

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現在、ファイナルは「自分だけの音を見つける」をコンセプトとした新しいイヤホン「Make」をMakuakeで資金調達を行っている。

これは、延べ5,000人を動員してきた人気イベント「イヤホン組立体験会」の経験に基づいて企画された、自分で音をカスタマイズできるイヤホンのクラウドファンディング。「Make1」「Make2」「Make3」という3種類のイヤホンが用意され、本体を一部分解して自分好みの音にカスタマイズできる仕組みになっている。要は「好みの音をハードウェアレベルで調整できるイヤホン」ということだ。

既に目標額200万円に対し1,290%達成の2,500万円を突破し、810人ものサポーターがいる大盛況プロジェクトとなっているが、1つを除き、すべてのコースがまだ支援可能!

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