Shutterstock、フリー素材サイト「ぱくたそ」の写真を有料販売ーーサイト運営者が明らかに

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大手ストックフォトサービス「Shutterstock」で、フリー素材サイト「ぱくたそ」の一部写真素材が有料販売されていることが明らかになった。

「Shutterstock」は画像・写真から映像・動画、音楽など2億点以上のロイヤリティーフリー素材を有料販売する、世界的にも有名なウェブサービス。一方、「ぱくたそ」は高品質・高解像度の写真を無料で配布している写真素材サイトだ。

「ぱくたそ」の利用規約では、サイト内で配布している写真素材を他社で販売することができないと明記されている。

回答期限付きで「Shutterstock」社に連絡するも返信なし

この問題は、「ぱくたそ」がサイト内のブログで「不正販売されている写真に対して行った対応と現状について」を公開したことによって明らかになった。

ブログによると、2018年12月に、「Shutterstock」社の電話ヘルプデスクに連絡し、掲載されている「ぱくたそ」の写真素材の削除および今後の対策に関する質問を回答期限付きで送付。残念ながら1月下旬になっても先方からの連絡はなく、現状を明らかにするに至ったと説明している。

「Shutterstock」内を検索すると現在も「ぱくたそ」の写真素材が多数販売されていることが確認できる。

Pakutaso and shutterstock
左:ぱくたそ「iPhone XR イエローを操作する男性」 / 右:Shutterstock

「ぱくたそ」内のよくある質問では、他の写真素材サイトで購入してしまった場合、正規の手段でダウンロードしたものとみなすことができないため一切利用できないと明記されている。

また、別の利用規約のもとで取得した写真素材であってもそれは一切適用されず、「ぱくたそ」の利用規約が適用されると記されている。

正規の手段は、ぱくたそから直接ダウンロードもしくは、素材の受け渡しの際、利用規約に同意してからご利用いただく形です。 正規の手段によらず取得した写真素材は一切ご利用いただけません。また、ぱくたその写真素材には、ぱくたその利用規約が適用されます。別の利用規約のもとで取得した写真素材であっても、その利用規約は一切適用されません。ぱくたその利用規約に同意してご利用ください。また、取得に関して行われた金銭の授受については、購入元へお問い合わせください。

プラットフォームの運営方針にも重大な問題か

ここ数年で有料販売サイトは大幅に増え、プロカメラマンが自身の作品を販売するプラットフォームや、一般人が撮影した写真を販売できるプラットフォームが登場している。

写真に対するニーズは多様化しており、プロの品質が必要な場合もあれば素人が撮影した”ちょっと良い写真”が求められるシーンもある。よって第三者が写真をアップできるサービスが存在することも、それが有料販売されることも悪いことではないが、金銭の授受が発生する以上、プラットフォームとしての運営方針は極めて重要になる。

「ぱくたそ」の写真素材をアップロードしているユーザーは特定のアカウント。そのアカウントは一切手を動かさず、「ぱくたそ」から無料ダウンロードした写真を「Shutterstock」にアップロードし、不当に利益を得ていることになる。

Shutterstock subscription plan
「Shutterstock」の課金プラン

アップロードしているユーザーの倫理観にも問題があるが、同様にそのような状況を想定してアップロードされた写真が公開される前にチェックされる仕組みは必要不可欠だ。「Shutterstock」にそのような機能が存在しているかどうかは確認できていないが、仮に存在していたとしても現状はまともに機能していないと言える

写真に価値が付けられ撮影者に還元されるという、本来であれば素晴らしい仕組みが悪用されているのだ。

「Shutterstock」ユーザーにも迷惑が掛かっている

この状況は「ぱくたそ」のモデルやカメラマンにいも迷惑がかかっているだけではなく、「Shutterstock」を利用しているユーザーも被害を被っている。これをわかりやすく言い表したツイートがこちら。

有料写真素材サイトは高品質な写真素材を求めて利用する人だけではなく、オンラインサービスにおいて無断転載のリスクを回避するために利用する人も多い。

「Shutterstock」が取り扱う素材はロイヤリティフリー。ヘルプページにはこれについて下記のように説明されている。

ロイヤリティフリーとは、画像や動画など著作権で保護された知的財産に対するライセンスの種類です。このライセンスにより、複数の媒体や複数のアプリケーションで、追加のロイヤルティを支払わずに1回の支払いで、画像や動画といったコンテンツを使用することができます。

つまり、ユーザーは著作権で保護された知的財産に対するライセンス費用を支払っているはずが、上記ツイートの通り無断転売されている画像や動画などを使用していることになってしまっているのだ。安心のために課金しているはずが、その費用で本来得られる権利をプラットフォームが提供できていない

「ぱくたそ」の写真素材に限って言えば、本来は無料で利用できる写真素材を有料購入している時点で損をしている。

「Shutterstock」のトップページには「あらゆるプロジェクトに安心して使用できるライセンス手続き済み画像を提供」「安心してダウンロード」と書かれている。

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今回の件を通じてこれには大いなる疑問が残る。「Shutterstock」の今後の動きに注目だ。

追記】その後、当該写真およびアカウントが突然削除されていることが明らかになった。