Apple Vision Proの低価格モデルは有線接続か。ARメガネの開発も継続中との噂
低価格モデル開発に注力するも、Appleがいつまで投資し続けるかは不明
空間コンピューティングの新時代を切り開くはずだったApple Vision Proが苦戦を強いられている中、Appleは低価格モデルを2025年末までに発売する計画を進めている。また、Appleに詳しいBloombergの名物記者Mark Gurman氏の最新ニュースレターによると、ARグラスの開発も引き続き取り組んでいるという。
Apple Vision Pro、期待外れの滑り出し
Apple Vision Proは、発売から5カ月経っても期待されたほどの成功を収められずにいる。高価格でニッチな製品にとどまり、3D没入型コンテンツへの需要も低いのが現状だ。
iPhoneのように発売当初は革新的とは言えずとも、数年後にApp Storeや3G接続の普及と共に革命的な製品へと成長する可能性はある。しかし現状では3500ドルという高価格が大きな障壁となり、多くの消費者にとって手が届かない存在となっている。
低価格モデルとARグラスに活路を見出すApple
この状況を打破するため、Appleは低価格モデルの開発に注力している。1,500~2,000ドルで販売できるモデルを2025年末までに発売することを目指しているが、重要な機能を維持しつつコストを削減するのは容易ではない。EyeSightディスプレイや内部VRスクリーンのスペックを下げる、処理能力の低いチップを採用する、ARパススルーの品質を落とすといった妥協案が検討されている。
他にもiPhoneやMacに有線接続で動作する仕組みを採用することで、スタンドアローンで動作するために必要な部品を搭載せず、コスト削減に貢献できるとみられる。
Vision Proの第2世代モデルも取り組んでいるが、優先度は低い。内部では「N109」と呼ばれており、現行モデルと似た外観を持つが、プロセッサーやカメラが高性能化されているそうだ。軽量化に取り組んでいるとの情報もある。ただし発表は早くとも2026年末までになる見通しだ。
ARグラスの開発にも引き続き行われている。これは、軽量で1日中装着できるメガネ型のデバイスで、iPhoneを拡張し、最終的には置き換える可能性を秘めている。発表は2027頃と伝えられているが、内部では数年以内のARガラス製品登場には懐疑的だそうだ。
Vision Proの未来は?
Vision ProのOS、visionOSの改良も進められており、visionOS 2では大幅な改善が用意されている。AppleはVision ProのOS、visionOSの改良も続けている。第2世代は大幅な改善が見込まれ、新しいジェスチャーでのHome View起動、アプリアイコンの並べ替え、通常の写真を3D画像に変換する機能などが追加される。
しかし、Appleが短期的な利益が見込めない新技術開発に投資し続けるかは不透明であり、Vision Proの未来は依然として不透明な状況だ。