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娘の「これ英語で何?」から生まれたアプリ「CapWords」、Apple Design Awards受賞の舞台裏

開発者自身も英語が話せるようになった実体験を持つ革新的言語学習アプリの開発ストーリー

Talking to App Developers WWDC25 Capwords 02

ある開発者が娘さんと散歩をしていた時、娘さんが道や建物を指差して「これ、英語でなんて言うの?」と尋ねた。この何気ない質問が、革新的な言語学習アプリ「CapWords」誕生のきっかけとなった。最初は翻訳アプリを使って答えていた開発者だったが、娘さんがステッカーをあらゆる場所に貼る様子を見て、ひらめきが生まれる。

「現実世界から物を『剥がして』ステッカーのようにクリックしたらどうだろう?」という発想が、このアプリの核となるアイデアとなった。そして興味深いことに、開発者自身もこのアプリを通じて英語を話せるようになったという実体験を持っている。

娘の素朴な疑問から生まれた革新的発想

開発者は当初、娘さんの質問に対して既存の翻訳アプリで対応していた。しかし、娘さんがステッカーを様々な場所に貼って遊ぶ姿を見ているうちに、全く新しいアプローチを思いついた。現実世界の物体を「ステッカー」のようにキャプチャして学習に活用するという、従来の言語学習アプリにはない斬新なコンセプトだった。

この発想の背景には、子供が自然に言語を習得する過程への深い理解があった。子供は身の回りの物を見て、触れて、その名前を覚えていく。この最も自然な学習方法をデジタル技術で再現できないかと考えたのが、CapWords開発の出発点となっている。

開発者自身が体験した学習効果

CapWordsの開発過程で、開発者自身が最初のテストユーザーとなった。英語が全く話せなかった状態から、自分が作ったアプリを使って何百もの単語を覚え、毎日復習することで優れた英語力を身につけたという。この実体験が、アプリの有効性を証明する最も説得力のある事例となっている。

開発者は「このアプリを使う前は英語が全く話せなかった」と振り返る。しかし、自分が開発したCapWordsで継続的に学習を続けることで、実用的な英語力を習得できたのだ。開発者自身の成功体験が、アプリの信頼性と効果を物語っている。

「Snap & Learn」機能の誕生

CapWordsの最大の特徴である「Snap & Learn」機能は、カメラで物体を撮影するだけで瞬時に外国語での名称を学べる仕組みだ。看板、お菓子、おもちゃなど、身の回りのあらゆる物体が学習教材に変わるという画期的な体験を提供している。

Talking to App Developers WWDC25 Capwords 01
水筒を認識

Talking to App Developers WWDC25 Capwords 02
水筒がステッカーに

Talking to App Developers WWDC25 Capwords 04
水筒について解説

この機能の開発には、Appleの「Vision Kit」が活用されており、デバイス内で完結する高度な処理を実現している。単語だけでなく、AI生成による自然で実用的な例文も同時に提供されるため、教科書的な堅苦しさがない実践的な表現を習得できる点が革新的だ。

親子学習への自然な展開

当初は子供向けに考案されたCapWordsだったが、開発過程で予想外の発見があった。実際にアプリを使ってみると、親子での共同学習に最適なツールであることが判明したのだ。家庭にある物を使って自然に言語を教えることができ、子供が新しい言語を習得する最も自然な学習方法を大人も体験できる。

開発者は「子供が新しい言語を習得する方法は、人間にとって最も自然な学習方法であり、大人にも適している」と語っている。この気づきが、CapWordsのターゲット層を子供から親子へと拡大させるきっかけとなった。

継続的な学習を支える機能群

CapWordsには学習効果を最大化するための包括的な機能が搭載されている:

  • Smart Review機能:学習習慣に基づいて復習すべき単語を推奨
  • Your Wordbook:スキャンした内容を保存する個人専用の単語帳
  • 音声再生機能:明確な例文の音声再生による正確な発音学習
  • 進捗追跡:学習した単語数や継続性を可視化

これらの機能は、開発者自身の学習体験から生まれたものが多い。実際にアプリを使って英語を習得した経験が、ユーザーが本当に必要とする機能の開発につながっている。

日常生活に溶け込む学習体験

CapWordsの「Everyday Explorer」機能により、旅行中のメニューや看板、買い物中のパッケージなど、日常のあらゆる場面で学習機会を創出できる。通学途中、用事の合間、待ち時間など、わずか数分でも効果的な学習が可能となっている。

現在9言語に対応しており、「見て覚える、暗記しない」をコンセプトとした視覚的学習アプローチにより、従来の暗記型学習よりも効果的な記憶定着を実現している。ユーザー自身がアイテムをキャプチャすることで、記憶の定着がより強化されるという考えに基づいている。

2025年Apple Design Awards受賞の栄誉

そして2025年6月、CapWordsは2025年Apple Design Awardsの「Delight and Fun」カテゴリーで見事受賞を果たした。Appleは受賞理由として「記憶に残る、魅力的で満足のいく体験を提供し、Apple技術によって強化されている」と評価している。

世界36の候補から選ばれた優秀作として、「CapWordsは日常の物体の画像をインタラクティブなステッカーに変換する動的な言語学習ツールであり、学習者がより直感的で視覚的な方法で新しい単語を探索できるよう支援している」点が高く評価された。

Apple Design Awardsは革新性、創意工夫、技術的成果において卓越したアプリとゲームを表彰する世界最高峰の賞だ。娘さんとの何気ない会話から生まれ、開発者自身の学習体験によって磨かれたCapWordsが、このような権威ある賞を受賞したことは、アプリの革新性と実用性が世界レベルで認められたことを意味している。

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公開情報
更新日2025年06月11日
執筆者g.O.R.i
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