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Apple、HomeKitの強化目的でコンピュータビジョン企業の人材と技術を買収か

防犯カメラAI技術「Seemour」を開発したスタートアップ「Prompt AI」のリソースをスマートホーム部門に統合か

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Appleが、コンピュータビジョン技術に強みを持つスタートアップ「Prompt AI」のエンジニアと技術を取得する交渉を進めていることが分かった。CNBCが報じた

Prompt AIの経営陣は10月10日、全社ミーティングを開き、この件について従業員に説明。Appleへ移籍しない従業員は給与を減額され、他の仕事を探すことを奨励されたという。

Prompt AIとは

Prompt AIは2023年に設立されたスタートアップで、同年にAIXとAbstract Venturesが主導する500万ドルのシード資金を調達している。CEOのTete Xiaoは、UC Berkeleyでコンピュータサイエンスの博士号を取得した著名なAI研究者。プレジデントのTrevor Darrellは、Berkeley Artificial Intelligence Research(BAIR)ラボの創設者の1人だ。

同社の主力製品「Seemour」は、家庭用防犯カメラに高度な機能を追加するアプリ。特定の人物やペット、その他の動物や物体を検出し、異常な活動についてのアラートやテキストベースの説明を送信したり、カメラの前で何が起きているかについての質問に答えたりできる。

技術は好調も、ビジネスモデルで苦戦

Xiaoは全社ミーティングで、Prompt AIの技術とSeemourアプリはうまく機能しているものの、ビジネスモデルが確立できなかったと説明。同社はSeemourアプリを終了し、ユーザーにデータ削除とプライバシー保護について通知する予定だという。

投資家は取引でいくらかの資金を受け取るものの、「全額は回収できない」と経営陣は述べた。また、Prompt AIの従業員は、他の仕事を探したり友人や家族に状況を伝えたりする際、当面はAppleについて言及しないよう求められている。

テック大手が進める「アクハイア」戦略

近年、AI分野では企業全体ではなく人材と技術を獲得する「アクハイア」が一般的な手法となっている。これは、FTC(米連邦取引委員会)の監視を避ける狙いもあるとされる。

Microsoftは昨年、Inflection AIから技術ライセンスを約6億5,000万ドルで取得し、共同創業者のMustafa Suleymanを含むスタッフの大半を採用。Googleも2024年にCharacter.AI、今年はWindsurfと同様の取引を行った。MetaもScale AIに投資し、CEOのAlexandr Wangと主要メンバーを採用している。

AppleとPrompt AIの取引額は不明だが、報道によると、xAIやNeuralink(いずれもElon Muskが率いる企業)も最近、Prompt AIにアプローチしていたという。

AppleのHomeKit部門に統合か

Prompt AIの技術と人材は、AppleのHomeKitスマートホーム部門に統合される可能性が高い。iPhoneは既に写真内の物体や人物、ペットを識別する機能を備えており、Vision Proでもコンピュータビジョン技術で成果を上げている。

Appleは創業以来、大型買収を避ける傾向にあり、これまでで最大の買収は2014年のBeats Electronicsの30億ドル。小規模なチームを静かに買収し、その人材と技術を活用して製品ラインの機能を開発する戦略を好んでいる。

同社の株価は今年2%下落しており、主要指数やテック大手の中で最悪のパフォーマンスとなっている。一部のアナリストは、Appleが大型買収を避けていることがAI分野での進展の遅れにつながっていると指摘している。

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特集
公開情報
更新日2025年10月12日
執筆者g.O.R.i
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