Steve Jobs、誰でも利用できる無料のWi-Fiホットスポットを提供する構想があったらしい
【img via fon wi-fi wireless by osde8info】
今でこそLTEネットワークに接続して高速で通信することができるが、初代iPhoneがリリースされた時は今では考えられないほど恐ろしく遅い通信速度でデータのやり取りを行っていた。ただ、その時でも3G回線を利用せずに高速で通信する方法があった。
それがWi-Fiだ。いわば、無線LAN。
Re/codeによると、故Steve Jobs氏は誰でも利用できる無料のWi-Fiを提供する構想があったことを伝えている!
街中どこを歩いても無料のWi-Fiがある世の中を実現したかった
最近では街中でWi-Fiスポットを検索してみると多数の項目が表示されるが、ほとんど利用できないのが現状だ。なぜか。それはどのホットスポットもパスワードで保護される場合が多いからだ。Jobs氏もセキュリティの必要性は理解しつつも、自宅や中小企業から無料で安全なWi-Fiスポットを提供できる仕組みを世の中に普及させるべきだと強い信念を抱いていた。
実現するためには今のFonのような仕組みを考えていたようだ。一般家庭やオフィスにされたルーターに「ゲストネットワーク」オプションを用意することで、近くを歩く人は3G回線同様に通信を途切らせることなく、面倒なログイン作業もすることなく、それらのホットスポットを次々と切り替えながら快適な通信環境を楽しむことができるようになる、という構想だ。
現在、一部のルーターメーカーは「ゲストネットワーク」オプションを用意した製品を提供している。Jobs氏の構想が実現したのか世の流れだったのかは明らかではないが、現状では対応製品の購入者の15〜20%が「ゲストネットワーク」を開放しているとのこと。まだまだ「普及している」と言うのは程遠い。
セキュリティ面の配慮と共有設定の簡略化が重要
ではこの仕組を普及させるためには何が必要なのか。
当然、オープンなWi-Fiスポットを実現するためには安全面にも最大限考慮しなければならない。特に「ゲストネットワーク」を通じてWi-Fiをシェアする場合、元のネットワークに侵入することがないよう、高いセキュリティが実装されていることは必須条件だ。そのリスクがある限り、人々はネットワークを見知らぬ人にシェアすることなんてあり得ないだろう。
セキュリティ面がカバーできれば次に目を付けなければならないのは「ゲストネットワーク」の設定方法。「安全なら設定しようかな…でも設定方法が分からないからやーめた!」となってしまっては安全性を実現した技術者達の努力が水の泡になってしまう。基本的に無線関係の設定は難しいイメージが強い。誰でも簡単に設定できるような設定方法が用意されていることはこの構想を実現するために重要だ。
最近、国内でも無料のWi-Fiを提供しているカフェも増えつつある。この流れで街中でも同様に無料のWi-Fiが飛び交っていれば最終的には3G回線が必要なくなるかもしれない。
(via Re/code)