iPad(第10世代)で十分?iPad Airにするべき?違いを比較、選び方を解説
iPad(第10世代)を選ぶべき人、iPad Air(第5世代)のほうが優れているポイントを解説
iPadシリーズの最安モデル「iPad」は、10月19日に正式発表された最新の第10世代モデルで大幅に進化。現行ラインナップとマッチしたフラットで角張ったデザインを採用し、Lightningポートの代わりにUSB-Cポートを搭載した。ディスプレイサイズは10.9インチに大型化された。ただし、Apple Pencil(第1世代)に対応は変わらず。マグネットで本体側面に張り付く仕様ではなかった。
iPad(第10世代)の大幅刷新を受けて、iPad Airと悩むユーザーもいるはず。本記事では、iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)との違いを比較する。Apple公式サイトの商品ページおよびApple公式の端末比較ページとあわせて参考にしてもらいたい。
iPad選びにおける考え方
iPadラインアップは、以下の製品や特徴から構成される。
- iPad:性能が抑えられている分、最も価格が手頃
- iPad Air:iPad以上、iPad Pro未満の性能を求める人に最適
- iPad mini:(実質的に)iPad Airを小型化したモデル
- iPad Pro:iPadとして最高峰のスペックが必要な人向け
iPad(第10世代)はiPad Airに似た外観を持つが、数万円安く購入できる。その価格差はどのようなハードウェアスペックの違いから生まれるのか、項目別に解説する。
iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)を比較
ディスプレイ
どちらも10.9インチディスプレイを搭載し、解像度やピクセル密度は同じ。しかし細かい部分でiPad Airのほうが優れており、以下の仕様に対応する。
- 広色域ディスプレイ(P3)
- フルラミネーションディスプレイ
- 1.8%の反射率
ディスプレイの品質を追求するのであれば、iPad Airを選ぶべきだろう。
チップ
iPadはA14 Bionicチップを搭載。前世代のA13 Bionicチップと比較してCPUが20%向上し、グラフィックスが10%向上している。
一方でiPad AirはM1チップを搭載。前世代(第4世代モデル)はA14 Bionicチップを搭載しており、M1チップになったことで最大60%高速化。GPU性能は2倍速くなっている。
A14 Bionicチップは決して非力ではないが、Macのような作業をiPadで行うのであればM1チップのほうが適しているだろう。
カラーバリエーション
iPadは、シルバー、ブルー、ピンク、イエローの4色展開。iPad Airは、スペースグレイ、スターライト、ピンク、パープル、ブルーの5色が用意されている。
iPad(第10世代)のカラーバリエーション
iPad Air(第5世代)のカラーバリエーション
iPadはポップなカラーを採用しているのに対し、iPad Airは落ち着いた仕上がりだ。
サイズと重さ
iPad(第10世代) | iPad Air(第5世代) | |
---|---|---|
高さ | 248.6 mm | 247.6 mm |
幅 | 179.5 mm | 178.5 mm |
厚さ | 7 mm | 6.1 mm |
重量(Wi-Fiモデル) | 477 g | 461 g |
重量(Cellularモデル) | 481 g | 462 g |
通信
iPadはBluetooth 5.2をサポートするが、iPad AirはBluetooth 5.0に留まる。iPadのほうが最新規格に対応するが、使い勝手への影響は限られているだろう。
どちらの機種もWi-Fi 6をサポートするが、対応する規格数はiPad Airのほうが多い。またセルラーモデルは、iPadが最大27バンドのギガビットLTEに対応するが、iPad Airは最大32バンドまでサポートする。
- iPad:Wi‑Fi 6(802.11ax)、2.4GHz/5GHz、最大1.2Gbpsの速度
- iPad Air:Wi‑Fi 6(802.11a/b/g/n/ac/ax)、2.4GHz/5GHz、同時デュアルバンド、最大1.2Gbpsの速度
Apple Pencilや対応アクセサリ
似た筐体を採用しておきながら、iPad(第10世代)はApple Pencil(第2世代)をサポートしない。マグネットで本体側面に取り付け、充電やペアリングを行えない仕様だ。
iPad(第10世代)はApple Pencil(第2世代)に非対応
iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)に対応する純正キーボードアクセサリは、互換性がない。iPadはMagic Keyboard Folioのみに対応し、iPad AirはMagic KeyboardとSmart Keyboard Folioが利用できる。
カメラ
カメラは外向き・内向きともに全く同じ。外向きカメラはƒ/1.8絞り値のシングルレンズ仕様で、写真のスマートHDR 3に対応。最大4K@60fpsのビデオ撮影をサポートする。内向きカメラは1,200万画素のƒ/2.4超広角レンズを採用し、センターフレームに対応している。
唯一の違いは、内向きカメラの配置。iPad Airを含む従来のiPadはディスプレイの短辺側上部に設置されていたが、iPad(第10世代)は長辺側に移動した。
FaceTimeで通話する時にも、ソーシャルメディア用のビデオを撮影する時にも、常に正面からカメラを見ることができる。
価格
iPadとiPad Airの価格差は2.4万円。iPadは従来、コストパフォーマンスの高さが魅力の機種だったが、iPad(第10世代)は”お得感がある”とは言い難いだろう。
なおiPad(第9世代)は販売が継続されており、iPad(第10世代)より1.9万円安い49,800円で購入できる。
iPad(第10世代) | iPad Air(第5世代) | iPad(第10世代) | iPad Air(第5世代) | |
---|---|---|---|---|
ストレージ | Wi-Fiモデル | Wi-Fi+セルラーモデル | ||
64GB | 68,800円 | 92,800円 | 92,800円 | 116,800円 |
256GB | 92,800円 | 116,800円 | 116,800円 | 140,800円 |
で、結局iPadとiPad Air、どっちを買うべきなの?
iPad(第10世代)に2.4万円の追加で購入できるiPad Air(第5世代)ならではの機能は、以下のとおり。
- より優れたディスプレイ
- 広色域ディスプレイ(P3)
- フルラミネーションディスプレイ
- 1.8%の反射率
- より高性能なチップと優れたパフォーマンス
- A14 Bionicと比べて最大60%高速化したM1チップ
- コンパクトさ、軽さ、薄さ
- 優れたWi-FiやLTE
- Wi‑Fi 6(802.11a/b/g/n/ac/ax)、2.4GHz/5GHz、同時デュアルバンド
- Apple Pencil(第2世代)対応
- 本体側面にマグネットで張り付き、充電やペアリングが完了
iPad(第10世代)の致命的な欠点は、Apple Pencil(第2世代)をサポートしなかったこと。iPad Airと似た筐体でありながら同じApple Pencilが使用できないのは紛らわしい。旧型のiPadを使っている人がApple Pencilを買い換える必要がなく乗り換えられる点は良心的だが、専用アダプタを噛ませる必要があり使い勝手が悪化した。
Apple Pencilを使う前提であれば、iPad(第10世代)はおすすめできない。数年前のiPadからの買い替えだとしても、iPad(第9世代)で十分満足できるはずだ。
iPad(第10世代)は、Apple Pencilをあまり使わずキーボードやタッチ操作を中心とした使い方をする人にとって魅力的なモデルだ。専用アクセサリのMagic Keyboard Folioはescキーを含む14種類のファンクションキー、iPadOSの操作に対応したトラックパッドがが備わっている。不要なときは分離し、背面にあるキックスタンドのみとして使える。
iPad(第10世代)は、ウェブラウジング、読書、映画鑑賞など、iPhoneより大画面でコンテンツを楽しみつつ、必要に応じてMacのような使い方をしたい人にとってピッタリだろう。「10万円以上払ってまでハイスペックモデルを欲しいとは思わないが、今更ホームボタンのあるiPadを買うのは抵抗がある」と悩んでいる人がいれば、iPad(第10世代)はベストチョイスかもしれない。
すごくわかりやすくて、読みやすく面白く読める記事!Air4との比較記事もぜひ!
本当ですね?!何を考えてたんだ僕は……。修正しました!ありがとうございます!
>>ディスプレイサイズは10.5インチに大型化され、Apple Pencil(第1世代)に対応。本体側面にマグネットで取り付けるだけで、充電やペアリングが可能になり持ち運びしやすくなる。
最初のところ第二世代と説明混ざってますよ