Blackmagic eGPU レビュー
各種ベンチマークスコアで見る「Blackmagic eGPU」
「Geebench 4 Compute」を使用した「Blackmagic eGPU」のベンチマークスコアの前に、13インチ型MacBook Pro(2018)のスコアを載せておく。
iGPUは「Intel Iris Graphics 655」。「OpenCL」のスコアが「23,128」、「Metal」のスコアが「25,284」だった。
これを「Blackmagic eGPU」に内蔵されている「ADM Radeon Pro 580」のスコアと比べてみると、雲泥の差であることが分かる。「OpenCL」のスコアが「109,320」、「Metal」のスコアが「113,392」。
「OpenCL」のスコアは約4.7倍、「Metal」のスコアは約4.5倍に伸びていることになる。
参考に、15インチ型MacBook Pro(2017)のiGPU(CPUに内蔵されたGPU)およびdGPU(CPUに内蔵されたGPUとは別に独立したGPU)のベンチマークスコアを同じく「Geekbench 4 Compute」で測定した結果を載せておく。
こちらがiGPU「Intel Iris Plus Graphics 650」の「OpenCL」スコアと「Metal」スコア。
続いて、こちらがdGPU「AMD Radeon Pro 560」の「OpenCL」スコアと「Metal」スコア。
表にして比較するとこの通り:
Open CL | Metal | |
---|---|---|
13インチ型MacBook Pro(2018)(iGPU) | 23,128 | 25,284 |
13インチ型MacBook Pro(2018) + 「Blackmagic eGPU」 | 109,320 | 113,392 |
15インチ型MacBook Pro(2017)(iGPU) | 21,285 | 22,150 |
15インチ型MacBook Pro(2017)(dGPU) | 44,199 | 48,812 |
見て分かると思うが、13インチ型MacBook Pro(2018)と「Blackmagic eGPU」の組み合わせによって15インチ型MacBook Proのスコアを圧倒している。
さらに、実は13インチモデルに内蔵されているiGPUは15インチモデルに内蔵されているiGPUよりも性能は高いのだ。これは2018年モデルに限らず、以前のモデルでも同じ。15インチモデルはdGPUがあるからね!
eGPUが活躍した場面、活躍しなかった場面まとめ
では実際に「Blackmagic eGPU」がどのようなシーンで活躍するのか、実際にGPUの履歴を確認しつつ紹介する!
YouTubeを再生中はeGPUが活躍!特に4K画質再生時は効果発揮
グラフィックに負担が掛かりそうな内容としては、YouTubeの動画再生。確認してみたところ、iGPUは使わずにeGPUのみを使用していることがわかった。
特に画質を4Kに設定した場合、iGPUもある程度使われていたが、eGPUが大活躍していたので非常に助かった。
再生した動画は下記。
調べてみると、グラフィックボードには動画再生をサポートする機能が付いているとのこと。動画再生中におけるCPU負荷を軽減し、CPUの負担を減らしてくれる仕組みがあるのだという。
MarsEditで記事を執筆中ではeGPUがわずかに活躍
僕は日々の記事執筆が本業だが、ここでもiGPUは全く使われず、eGPUが使われていることが確認できた。
この時、「MarsEdit」のみ起動しテストしたが、見ての通り僅かな差なので、「活用できている」とは言い難い。特に何か操作が早くなっているという体感もなかった。そもそもGPUを必要としている機能も特に思い当たらない。
純正「写真」アプリでは編集時にわずかな活躍
iPhoneで撮影した写真は「写真」アプリに自動的に同期されるため、よほど高度なことをやりたいわけではない限りは「写真」アプリ内に含まれている編集機能を活用することが多い。
ただし、これも「MarsEdit」と同様に処理速度が早くなっている体感はない。
Photoshopではある程度使われていたが、それほど体感できず
「Photoshop」では「GPUの履歴」を見ている限りだと使われているようにも見えるが、環境設定を見ると「Intel Iris Plus Graphics 655」が指定されていた。
幸いにもMacアプリでeGPUを利用可能にするスクリプト「set-eGPU」を利用すれば「Blackmagic eGPU」を指定することが可能。そもそも行っている作業自体がそれほど負荷が高くないせいなのか、変更後も劇的な違いは感じられなかったが、よりグラフィック・ヘビーな作業をすればするほど恩恵を受けるのではないかと予想している。
iMovieで動画を書き出す時は全く使われず、iGPUに頼り切り
グラフィック性能を必要とするアプリケーションといえば、やはり動画編集だろう。
記事執筆時点では、「Final Cut Pro」は編集中にeGPUは利用できるものの書き出す際には利用できないが、残念ながら「iMovie」でもその結果は同じ。見ての通り、書き出す際はiGPUを使っていることが確認でき、eGPUはほとんど使われていない。
この点はソフトウェアのアップデートで対応することが可能だと期待しているので、いずれ使えるようになることを期待したい。それまでは、先ほど紹介したMacアプリでeGPUを利用可能にするスクリプトで指定すれば処理性能や書き出し時間は大幅に削減できる。
実際に2分38秒の動画を「iMovie」で書き出すのにかかった時間を測定してみた。左のスクリーンショットがeGPUを指定できずにiGPUのみを使用した時。右のスクリーンショットがeGPUを上記スクリプトで指定し、「Blackmagic eGPU」を活用した時。
編集らしい編集のない動画だが、それでも約30秒もの差が生まれた。より複雑な編集が施された動画にもなればより大きい差が開くのではないかと予想している。
さて、スクリプトを活用することによってeGPUのポテンシャルを引き出すことができるが、僕の場合、写真の現像はまだしも、動画の編集はほとんどやっていない。どちらかというと、僕はMac本体のパフォーマンスを犠牲にすることなく4Kディスプレイを2枚出力して使いたい、という思いで「Blackmagic eGPU」を購入した。
そこで、次のページではeGPUを活用することによって外部ディスプレイを出力した場合、Mac本体の熱はどれほど変わるのか、サーモグラフィーカメラを使って測定してみたので、その結果を紹介する!
以前HDMI外付けディスプレイ接続時のスリープ時の発熱でコメントした者です。
BLACK magicから
【お世話になっております。
ブラックマジックデザイン・テクニカルサポートの岡野です。
ご連絡ありがとうございます。
本件について社内で確認をいたしましたが、
同様の事象を確認したことはないようでした。
MacBook Proとの接続でeGPUを日常的に使用しているスタッフもおりますが、
Mac側が熱を帯びるという事象には遭遇したことはないということでした。
eGPUの最新バージョンは1.2となります。
念のため、お手数ですが以下のURLから1.2を入れていただき、
ご利用のeGPUのバージョンアップを試みていただくことは可能でしょうか。】
とコメントがきました。
アップデート後も発熱します。
他にも同様の経験された方いらっしゃいますかねぇ。
質問に回答していただきありがとうございます!
大変助かりました!
外すときは、都度接続を解除する操作をしてから外す必要があります!イメージとしては、外付けドライブと同じですね!安全に外す、みたいな操作が必要になります!
Blackmagic eGPU+MacBook Pro 13インチでの仕様を検討しているのですが,MacBook Proを外出時に持ち出す際は接続しているケーブルを抜くだけでも大丈夫なんでしょうか?それとも,持ち出すたびに接続を解除した状態にした後にケーブルを抜かなければならないのでしょうか?
色々と調べてみたのですがそこまで踏み込んで書かれてる記事が見当たらず気になったので質問させていただきました.よろしくおねがいします.