Z世代メディア「Z TOKYO」が時代の最先端すぎてついていけない件
12月1日にZ世代メディアをターゲットとした「Z TOKYO」がリリースしたようだ。
僕はそもそも「Z世代」を知らなかった。DIGIDAYによると、およそ1995~2008年生まれの年齢層のことを指し、他にもポスト・ミレニアル世代、センタニアル(centennial)世代とも呼ばれているとのこと。
Z世代にとって画面は「身体の一部」であり「絶えず接続されていること」が常識となっている一方で、画面を見すぎているという自覚もあるとのこと。Facebookに対して無関心であり、プライバシーに対する意識は高い。オーディオに対する興味関心が非常に高く、音楽やポッドキャストを積極的に消費する傾向にあるそうだ。
要は「Z TOKYO」は「イマドキの若者が熱くなるウェブメディア」であり、若手世代が前のめりになって日々チェックするサイトを目指していると理解。何か参考にできることもあるのではないかと思いチェックしてみたところ、最先端すぎて非Z世代である僕はついていかなかったので、紹介する!
Z世代はこれが心地良いのか?!「Z TOKYO」の最先端なサイト作り
まずはサイトのデザインを舐めるようにチェックしていきましょう。
ページを開いた途端に音声が流れる
個人的に最も衝撃的だったのはページを開いた瞬間に音声が流れ出したこと。開いた瞬間に漂うウェブの90年代感は果たしてZ世代に受けるのか?!いくらオーディオに対する興味関心が高いとは言え、これはさすがに迷惑ではないだろうか。
音声が自動的に流れることを良しとする人がどの程度いるのか分からないが、少なくともユーザーの意思関係なく流れ始めるのであれば簡単にミュートできるようにするべき。
ところがそれがなかなか見当たらない。何がどこにあるのか分からない個性的なサイトデザインとなっているため、探すのに一苦労。初めて開く人は動揺してページを閉じるのではないかと思うが、どうだろうか。
幸いにもスマホで表示した際には音声は流れない仕様になっている。あくまでもPC表示限定。
絶えず動き続けるデザイン、画面の半分を圧迫する動画
「Z TOKYO」のトップページをGIFアニメ化したので、どうぞ。
なぜか、絶えず動き続けている。上は自動再生される音声のもとである動画、下はコンテンツがパタパタと切り替わる。
放置していると思わず画面ごと閉じたくなるようなチカチカ感はZ世代には受け入れられるのだろうか。少なくともLIGのメディア事業部マネージャーは高く評価しているようだ。なるほど。
普通にかっこええ
https://t.co/wfStHbEet8 #ZTOKYO
— Takuya Makino@LIG (@takushambles) 2015, 12月 2
甚だ疑問ではあるが、恐らくターゲット層のほとんどはスマホで見るだろうということで、スマホ表示をチェック。
なんとPC表示の際に自動音声再生のもととなっていたYouTube動画が画面上部に固定表示。「iPhone 6 Plus」で見ても3分の1は占めている。
どうやら右側にあるボタンをタップすれば非表示にすることができるようだが、そもそもYouTube動画が本文の上に重なっていることが全く分からなかったため、暫くの間は常時固定だと勘違いしていた。Z世代にとって違和感の無いデザインなのかもしれないが、僕にはデザイン上の欠陥にしか思えない。
もしかしたらZ世代はタブレットは使うかもしれない。そう思いiPad Proでページを開いてみると、スマホと全く同じ表示だった。そしてスマホ以上に動画の固定表示が画面の領域を圧迫している。邪魔だなあ。
ページデザインがオシャレすぎて首が痛くなる
個性的なトップページを持つ「Z TOKYO」だが、個々の記事もものによっては非常に個性的だ。
例えばスティーヴ・アオキと渋谷区長による対談の解説文は首を傾けなければ読めない。
安心してください、スマホでも同じですよ!スマホは首を傾けなくても端末を傾ければ良いから、良いのか!(良くない
ウェブメディアらしからぬイケイケなローンチパーティ
「Z TOKYO」のことは昨日ローンチパーティに参加したヨッピーさんから教えて頂き知ったのだが、そもそもウェブメディアのローンチパーティという行為自体あまり聞いたことが無かったので、当日の様子を探るべく「Z TOKYO」関連ツイートやハッシュタグを追ってみた。
コンセプチュアルなプレゼンテーションが行われたそうだ。
今宵は新たなメディアZ Tokyoのレセプションパーティへ。コンセプチュアルなプレゼンテーション後にはSHINTAROも出演。日本が世界へ対してプレゼンスを発揮するには共感できる部分が多かったです。期待してます。#ztokyo pic.twitter.com/RZx3tYquDE
— 吉山勇樹 (@Yuuki_yoshiyama) 2015, 12月 2
「ウェブメディアのローンチパーティ」という2つのキーワードからは想像できないイケイケ感。まるでクラブのような雰囲気が漂う。
というわけで、Z TOKYOのローンチパーティーに来てます https://t.co/QoeSiT4KHN #ztokyo pic.twitter.com/iG4eRWKcQG
— nyontan (@nyontan) 2015, 12月 2
ここで一旦冷静になって考えてみよう。ウェブメディアのローンチパーティなので、招待されるであろう人はウェブのお仕事をしている人やリリース当初のコンテンツに関わった人などの関係者だろう。
ところが当日はホリプロ所属のタレント/女優である水崎綾女さんのような方々が多数参加していたそうだ。ウェブメディアがこれほどイケイケになっていたとは……。
z Tokyoのオープニングレセプションで高校の同級生と地元の友達と木之下さんに会った。世間は本当に狭い。 #Ztokyo pic.twitter.com/03lYoOvXzK
— Mayu Yamaguchi (@ymgcmy) 2015, 12月 3
ローンチパーティに参加したヨッピーさんもその状況の異質さに驚いていた様子。
西麻布のクラブ?でローンチパーティというウルトラスーパー完全に場違いな場所に呼んで頂いたので「なんぞ?」と思ってきたみたんですがもう既に帰りたいしなんならここでモンハンやってようかと思ってる pic.twitter.com/GJMcI5Z3A7
— ヨッピー (@yoppymodel) 2015, 12月 2
これ、何をどこからどういう繋がりで招待してる人達なんやろか。ウェブメディアとは程遠そうな人しかおらん
— ヨッピー (@yoppymodel) 2015, 12月 2
各種SNSはこれから?投稿も反応も控えめ
ところで、ウェブメディアのローンチパーティを開催する目的があるとすれば認知度向上。インフルエンサーを集め、彼らの心を動かす熱いメッセージを発信し、今後の期待感を高めることによって話題性を生み出すという戦略だ。
ハッシュタグ「#ztokyo」を確認したところ、記事執筆時点では32ツイート。そのうち公式アカウント@ztokyo_officialは5ツイート。
公式アカウントをチェックしてみたところ、少し心配になった。記念すべき1ツイート目がこちら。プログラマーかな?
HELLO WORLD #ZTOKYO
— Z TOKYO (@ztokyo_official) 2015, 11月 25
その後、サービス開始日3日前からカウントダウンを始め、下記ツイートで「Z TOKYO」のスタートを告知。リツイート8件、いいね2件、記事執筆時点におけるフォロワー32名。大丈夫だろうか。
WELCOME TO OUR NEO TOKYO WORLD.
Z TOKYO, ONLINE NOW.
https://t.co/eQSiaR0ytJ #ZTOKYO
— Z TOKYO (@ztokyo_official) 2015, 12月 1
参考として、「Z TOKYO」のFacebookページのいいね数は160件、Instagramアカウントのフォロワーは124件。
クラブのような空気漂うイケイケなローンチパーティまで行ったものの、まるで盛り上がっていない感が漂うが大丈夫なのだろうか。それともSNSのシェアなどで話題性を判断しようとしていること自体が時代遅れなのだろうか。
「Z TOKYO」は色々と勉強になったが、正直なところ、この先が不安だ。運営母体は株式会社mediba。編集長はプレスリリースで熱いメッセージを語った氏家聡史氏。向こう数ヶ月でどのような進化を遂げるのか、楽しみだ。