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歴史的瞬間までの歩み。意外と知らない「iPhoneが出る前のApple」

ガレージ創業、倒産寸前、創業者の追放。「Macの会社」が「みんなのApple」になるまでの話

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最終更新 2時間前

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iPhoneが出る前のAppleは、今とはまるで違う会社だった。時価総額世界トップクラスの巨大企業として誰もが知る存在になったAppleだが、その道のりは決して順風満帆ではない。

僕にとってAppleは、ずっと「Macの会社」だった。デザインのできる友達が持っているもの。自分のようなデザインできない人間にとっては、ちょっと眩しい憧れの存在。スティーブ・ジョブズの名前は知っていたが、正直なところ「デザインを考える天才的な人」という程度の認識でしかなく、Apple=Macという印象のほうが圧倒的に強かった。

でもAppleの歴史を掘れば掘るほど、「よくここまで来れたんだな……」と思わずにいられない。今回は、iPhoneが登場する前のAppleを振り返ってみたい。

エイプリルフールに生まれた会社

Appleが創業したのは1976年4月1日。エイプリルフールだ。スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックが、ジョブズの実家のガレージで会社を立ち上げた。

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スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック

資金調達の方法がまた凄い。ジョブズはフォルクスワーゲンのバンを、ウォズニアックはHP-65の電卓を売って、元手を作っている。世界一の企業の始まりが「バンと電卓」というのは、なかなかのインパクトだ。

最初の製品「Apple I」の価格は666.66ドル。ケースもキーボードもモニターもない、基板だけの状態で販売された。今のApple製品の洗練されたパッケージングからは想像もつかない姿だ。

Apple IIがパソコンの歴史を変えた

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Apple II

1977年に登場したApple IIは、カラーグラフィックスをいち早く搭載したパソコンだった。これが大衆向けパーソナルコンピュータ市場を一気に切り拓くことになる。

売上の伸びが凄まじい。1978年の780万ドルから、1980年には1億1,700万ドルまで急成長。1980年には株式公開(IPO)を果たしている。ガレージから始まった会社が、わずか4年で上場企業になった計算だ。

Macintoshと「1984」の衝撃

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1984年、Appleは初代Macintoshを発売する。GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)とマウスを一般消費者に広めた、まさに革命的な製品だった。

このMacintoshの発売に合わせてスーパーボウルで放映されたCM「1984」は、今なお広告史に残る伝説的な作品として語り継がれている。ジョージ・オーウェルの小説をモチーフにした映像は、「Appleが既存の秩序をぶち壊す」というメッセージを強烈に打ち出した。Appleの「他とは違う」というブランドイメージの原点は、まさにここにある。

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Super Bowlで放映された伝説の広告

自分の会社から追い出された創業者

Appleの歴史で最も衝撃的なエピソードは、1985年にジョブズが自ら共同創業した会社から追い出されたことだろう。社内の権力闘争に敗れた結果だ。

先日、娘にスティーブ・ジョブズのことが書かれた「マンガで読む偉人」的な本を一緒に読んだのだが、改めて見てもこの話は衝撃的だった。生い立ちも、過ごし方も、「とんでもない人がAppleを動かしていたんだな」と父娘で意見が一致した。

追い出されたジョブズはNeXT Computerを創業し、さらにルーカスフィルムからPixarを約1,000万ドルで買収している。このPixarがのちにディズニーに約74億ドルで買収されるのだから、ジョブズという人間のスケール感には恐れ入る。

倒産寸前の暗黒時代

ジョブズ不在のAppleは、迷走を続けた。製品ラインナップは肥大化し、方向性を見失い、倒産寸前まで追い込まれている

転機が訪れたのは1996年。AppleがNeXTを4億ドル以上で買収し、ジョブズが復帰する。自分が追い出された会社に、自分が作った会社ごと買収される形で戻ってくる。フィクションでも書かないような展開だ。NeXTの技術はのちにMac OS Xの基盤となり、現在のmacOSにも脈々と受け継がれている。

灰色の箱だらけの時代に現れたカラフルなMac

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5色展開のiMac G3

1998年、ジョブズは半透明でカラフルなiMac G3を発表する。当時のPCメーカーが灰色や黒の無骨な箱ばかり作っていた中で、このデザインは明らかに異質だった。

iMac G3はフロッピーディスクドライブを廃止するという大胆な判断でも話題になった。「世界はCDとインターネットに移行する」というジョブズの読みは正しく、iMac G3はApple復活の象徴となった。倒産寸前だった会社が、たった1つの製品で息を吹き返す。Appleの歴史はこういうドラマの連続だ。

iPodが音楽の買い方を変えた

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2001年、Appleは「1,000曲をポケットに」というコンセプトでiPodを発売する。2003年にはiTunes Storeを開始し、音楽の聴き方だけでなく「買い方」そのものを変えてしまった。

iPodの成功は、Appleが「コンピュータの会社」から「ライフスタイルの会社」へと変貌する決定的な一歩だった。そしてこの成功がなければ、次に来るあの製品は生まれなかったかもしれない。

社名から「Computer」が消えた日

2007年1月、ジョブズは「電話を再発明する」と宣言し、初代iPhoneを発表した。同時にAppleは社名を「Apple Computer」から「Apple Inc.」に変更している。

もはやコンピュータだけの会社ではない。ガレージで基板を売っていた会社が、世界中の人のポケットに収まる製品を作る会社になった。僕にとって「Macの会社」だったAppleは、いつの間にか「みんなのApple」になっていた。その変化の裏には、創業、成功、追放、倒産寸前、復活、そして再発明という、信じられないほどドラマチックな歩みがあったのだ。

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ファーファ: iPod nano (1st gen)が出た時は「実機触りに行きたい!」と銀座店に走った記憶が。同じ形で512GB,USB-Cで出たら即買いしたいなあー。
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更新日2026年03月24日
執筆者g.O.R.i
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  1. ファーファ(コメントID:708008)

    iPod nano (1st gen)が出た時は「実機触りに行きたい!」と銀座店に走った記憶が。同じ形で512GB,USB-Cで出たら即買いしたいなあー。

  2. 通りすがりの読者(コメントID:708006)

    私は1992年からMacintoshを使っています。気がつけばもう34年か。1997年あたり、アップルが潰れそうなときに、「みんなでアップルの株を買って応援しよう」という雑誌のキャンペーンがありました。当時私は外国株の買い方なども知らず、買いたいなと思ったのですが毎日の仕事に追われて買えませんでした。あの時買っていたら今頃は大金持ちなんだろうな〜といつも思います。思えばジジイになったもんだ。

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