折畳Mac?折畳iPad?
iPad miniとiPad Airにも有機ELディスプレイ搭載モデルを順次投入。2027年までに主要モデルが有機EL化
MacとiPadが合体した折畳式デバイスのコンセプト = Astroより
Appleが折畳iPadの開発を本格化している。ディスプレイ関連サプライチェーン調査会社のDSCCが最新レポートで明らかにした。
注目すべきは18.8インチの折畳iPad Proで、2027年の発売が予測されている。The Wall Street Journalによると、このデバイスは「ノートパソコンとして機能する」約19インチサイズの折畳型になるという。
Bloombergの著名ジャーナリストMark Gurman氏は、このデバイスについて折り目のない単一のガラスのような外観を目指していると指摘。発売時期は2028年になる可能性も示唆している。
iPadシリーズの有機EL化を段階的に展開か
DSCCの予測では、Appleは段階的に有機ELディスプレイ搭載iPadを展開する計画だ。8.5インチのiPad miniが2026年に登場し、2027年には11インチと13インチのiPad Airが続く。
これにより2027年までに、エントリーモデルのiPadを除くすべてのiPadシリーズが有機ELディスプレイを採用することになる。
ゴリミーはこう思った:折畳デバイスで何を目指すのか
これまでの情報をまとめると、Appleは2種類の折畳デバイスを開発中。1つはiPhoneベース、もう1つはiPadベースとなっており、iPadベースのデバイスはMacのように使える大画面を採用しているようだ。
いずれのデバイスでも気になるのは、Appleが目指すユーザー体験だ。Pixel Foldを中心に折畳スマホを体験してきたが、メーカーも所有者も「折畳デバイスだからこそのメリット」を明言できていない印象が強い。
現時点で折畳デバイスを愛用しているユーザーは「大画面を持ち運べることが最高」「マンガやNetflixを見るのに最適」などと教えてくれたが、逆に言えばこれらの用途以外の目立ったメリットがないような印象を受ける。
実際は無意識的に折畳構造の恩恵を受けている可能性は高いが、通常のiPhoneに比べて高額な価格設定になることが容易に想像できるため、高額でも手に入れたい体験をアピールする必要があると考えている。
iPhoneやiPadまではユーザー体験を意識していたような印象がある。しかし、Apple Watch以降はユーザーの反応を見ながら形成するスタイルになった。
Apple Watchは健康管理やフィットネス用途で結果的に成功しているからいいものの、Vision Proは明確に失敗しており、「高価な技術革新を詰め込んだヘッドセット」以上の価値はない。イマーシブコンテンツを中心に展開すれば、もう少し未来はあるように思える。
話が逸れてしまったが、Appleの折畳デバイスでも同じ道を辿るのではないかと心配している。iPhoneではなく折畳iPhone(iPad)を選ぶ理由は何か。iPadまたはMacではなく、折畳iPad(Mac)を選ぶべき魅力はどこにあるのか。
Appleは「すべてのデバイスに役割がある」という話を度々する。折畳デバイスはそうはいかない。物理的にサイズが変更できることで、2つのデバイスを1つにまとめているからだ。
世界的に見ても「携帯電話」というジャンルで最も知識があると言っても過言ではない、山根博士によると、Samsungの折畳スマホは圧倒的な完成度だという。Appleが既存の折畳スマホユーザーを唸らせるほどの完成度を実現できるのか、注目だ。