iOS 17とiPadOS 17:注目の新機能や改良点などまとめ
iPhoneやiPad向けの最新OSに実装される主な新機能をピックアップ
Appleは6月6日、世界開発者会議「WWDC23」の基調講演で、iPhone向けに「iOS 17」、iPad向けに「iPadOS 17」を正式発表した。
本記事は、iOS 17とiPadOS 17の正式リリース時期、対応機種、主要な新機能や変更点をまとめた。参考にしてもらいたい。
iOS 17とiPadOS 17、正式リリースはいつ?
Appleの最新OSは、WWDCで正式発表後、開発者向けベータ版やパブリックベータプログラム向けパブリックベータ版などを経て、秋に一般公開されるのが通例だ。
開発者向けのベータ版は基調講演の直後に配信開始。パブリックベータ版は例年、開発者向けのBeta 2と同時にリリースされる。
iOSとiPadOSは、新型iPhoneの時期に合わせて正式リリースされることが多い。例年であれば9月に新型iPhoneが発表された翌週、現地時間の月曜日に配信される傾向だ。
iOS 17とiPadOS 17の対応機種
iOS 17は、iOS 16までサポートされていたiPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plusは今年、サポート対象外に。iPadOS 17は、iPad Pro(第1世代)、iPad(第5世代)、iPad Air(第2世代)以前のモデルはすべて非対応となっており、昨年に比べてサポート基準が高くなっている。
iOS 17の対応機種
- iPhone 14、iPhone 14 Plus、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Max
- iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro Max
- iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max
- iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max
- iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR
- iPhone SE (第3世代、第2世代)
iPadOS 17の対応機種
iOS 17の新機能・変更点まとめ
iOS 17の主要機能は、以下のとおり。すべての機能はApple公式のiOS 17プレビューページを確認してもらいたい。
新機能「連絡先ポスター」
画面全体に表示される「ポスター」画像を、自分の連絡先に指定できる機能が追加された。写真またはミー文字が使用でき、名前の表示を複数のタイポグラフィーやフォントから選択できる。
連絡先ポスターは他社製の通話アプリ、名刺交換機能「NameDrop」でも利用できる。
「スタンバイ」ーーApple WatchのナイトスタンドモードのiPhone版
iOS 17では、iPhoneを横向きに充電している際にロック画面を有効活用できる新機能「スタンバイ」が実装。時計、お気に入りの写真、スマートスタックを含むウィジェットの表示しパーソナライズできる。ライブアクティビティ、Siri、着信、より大きくなった通知にも対応する。
MagSafeで充電中は、ユーザー好みの表示が記憶される。常時表示ディスプレイに対応するiPhone 14 Proは常に利用できるが、対応しないiPhoneは画面をタップすることで表示が確認できる仕様だ。
AirDropが進化、連絡先交換機能「NameDrop」が登場
iOS 17では、AirDropの拡張機能として、iPhone同士またはiPhoneとApple Watchを近づけるだけで連絡先情報を簡単に共有できる新機能「NameDrop」が登場した。
またAirDropも進化。共有したいiPhone同士を近づけることでAirDropが開始され、万が一ファイル数が多かったり、ファイル容量が大きかったり、共有者同士が離れてしまった場合、インターネットを経由してファイルの共有が完了する仕組みが用意された。
ライブ留守番電話、FaceTimeに”留守番動画機能”が追加
「ライブ留守番電話」は、留守番電話に残された内容をリアルタイムで書き起こす機能。FaceTimeも、相手が応答できない場合はオーディオとビデオによるメッセージが残せるようになった。
ステッカー機能など、メッセージアプリが強化
メッセージアプリには、新しい絵文字ステッカーによるまったく新しいステッカー体験や、写真の被写体を抜き出してLiveステッカーを作成する機能が追加された。返信したいテキストの吹き出しをスワイプするだけで簡単に返信できるなど、操作性の改善も見られる。
安否確認機能は、ユーザーが目的地に無事に到着したことを家族や友人に知らせたい時に重要な機能となるだろう。ユーザーが安否確認を開始したあとは、ユーザーが目的地に到着するとすぐに、友人や家族に自動的に通知される。目的地に向かって進んでいない場合、デバイスの位置情報、バッテリー残量、携帯電話通信サービスの状況などの役立つ情報が、指定した連絡先と一時的に共有される。
自動修正と音声入力が改良
iOS 17では、自動修正が全体的にアップデート。単語予測のための最先端のデバイス上の機械学習言語モデルであるTransformer言語モデルにより、ユーザーがタイプ入力するたびに精度が向上する。ただし日本語は対応しない。
常に学習し続けるため、ユーザーが入力し始めると予測テキストの提案がインライン表示され、場合によってはスペースバーをタップし続けるだけでテキスト入力が完了する可能性もある。
また音声入力は新しい音声認識モデルを活用。精度が以前より高くなっているそうだ。
新しいジャーナルアプリ
iOS 17では、日記を付ける新しいApple純正アプリ「ジャーナル」が登場した。日記は心身の健康を改善するといわれており、iPhone上では機械学習を活用してパーソナライズされた候補が表示され、ユーザーに日記をつけるきっかけを与える。候補は、写真、人々、場所、ワークアウトなどの直近のアクティビティから賢く厳選される。
その他の新機能
Safariのプライベートブラウズ機能が強化
プライベートブラウズを保護する機能がさらに強化。プライベートブラウズのウインドウは使用していない時はロックされるように。
パスワードとパスキーが共有可能に
信頼できる連絡先グループとパスワードを共有可能になった
ヘルスケアに心の健康を管理する機能が追加
新しい心の健康を管理する機能が追加。日々の気分や一時的な感情を記録したり、自分の心の状態に影響を与えている可能性がある物事を確認したり、クリニックでよく使われているうつや不安症の検査や、周辺地域で利用可能なリソースにアクセスできる。
「画面からの距離」を検知・警告する機能が追加
「画面からの距離」は、TrueDepthカメラを使って、顔から30センチ未満の距離でデバイスを持っている時間が続くと、デバイスを遠ざけるようにユーザーに促す。デバイスを見る距離を改善することで、子どもたちの近視になるリスクを低減し、成人ユーザーのデジタル眼精疲労を軽減できる。
オフラインマップが追加
オフラインマップが追加。予めダウンロードしておくことで、ターンバイターンナビゲーションの使用、到着予定時刻の確認、マップでの場所の検索が利用できる。
AirTagを共有可能に
AirTagを最大5人まで共有可能になった。
CarPlay×SharePlayで同乗者が音楽を操作可能に
iOS 17ではミュージックアプリに共同作業プレイリストが追加された。またCarPlay対応車両では、SharePlayを使うことで、再生中のiPhoneで再生されている音楽を別のiPhoneからコントロールできる。
AirPodsのユーザー体験が改良
適応型オーディオ、パーソナライズされた音量、会話感知などのパワフルな新機能が追加される。また、デバイスの自動切り替え機能や通話コントロールが改善される。
ホームにアクティビティ履歴が追加
ドアの鍵、ガレージのドア、警報システム、接触センサーの最大30日間のアクティビティ履歴を確認できる機能が追加される。
リマインダーに自動的カテゴリ分類機能が追加
買い物リストに追加したアイテムが自動的にカテゴリ別に分類されるようになった。
「画像を調べる」が強化
一時停止したビデオのフレームでも利用できるようになった。また食べ物、店舗、標識、記号を特定し、写真やビデオから個々の被写体を抜き出せるようになった。
「Hey Siri」の「Hey」が不要に
「Siri」と言うだけでSiriが起動するようになる。また起動後は連続で複数のコマンドを伝えられる。
写真で猫や犬が認識されるように
猫や犬が認識されるようになった。
iPadOS 17の新機能・変更点まとめ
iPadOS 17では、iOS 17に搭載されている新機能の多くをサポートする。Safari、FaceTime、「Hey Siri」の「Hey」不要、自動修正と音声入力の改良、AirPlay、リマインダー、マップなどに追加された新しい機能は、どちらのOSでも利用できる。
iPadOS 17独自の主要機能は、以下のとおり。すべての機能はApple公式のiPadOS 17プレビューページを確認してもらいたい。
ロック画面のパーソナライズに対応
iPadOS 17では、iPhoneのロック画面カスタマイズ機能が、iPadでも利用可能になった。
ユーザーはロック画面ギャラリーからiPadの大きなキャンバスで美しく映える壁紙を選んだり、フォントのスタイルと色のセット選んで日付と時刻の見た目をカスタマイズしたり、お気に入りの絵文字と色を組み合わせて独自のデザインを作成したりできる。
またロック画面上で、ライブアクティビティの表示がサポートされた。UberEatsの配達状況、スポーツの試合速報などを、ロック画面上で把握できる。
ウィジェットがインタラクティブに
iPadOS 17ではウィジェットがインタラクティブになった。アプリを開かずに、ウィジェット内から照明をつけたり、曲を再生したり、タスクを完了済みにしたり、様々な操作が完結するようになった。
PDFでの作業がさらに簡単に
iPadOS 17は機械学習を活用してPDF内のフィールドを識別する。氏名、住所、Eメールなどの情報を連絡先からすばやく入力できる。
メモリアプリにもPDF機能が改良。PDFを整理したり、読んだり、注釈を加えたり、共同作業ができるようになった。
ヘルスケアアプリがiPadに登場
iPadOS 17では、iPadにヘルスケアアプリが導入。iPadのディスプレイに合わせて最適化されたデザインによって「よく使う項目」の見た目が新しくなり、ユーザーはトレンド、ハイライト、詳細でインタラクティブなチャートが大画面で確認できる。
その他の新機能
ステージマネージャの改良
iPadOS 17では、ステージマネージャが改良。ウインドウの位置とサイズの柔軟性が高まった。また外部ディスプレイの内蔵カメラに対応する。
フリーボードの改良
iPadOS 17のフリーボードアプリでは、新しい描画ツール、ポイント機能、傾き、図形に変換への対応、すべてのオブジェクトに接続線と新しい図形を追加する機能、および共同作業者をボード内でガイドする「フォロー」が提供される。
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