【レビュー】Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)：容量＆出力アップしたMagSafeバッテリー、犠牲を伴う進化

Ankerの”ほぼピタッとくっつくMagSafeモバイルバッテリー”に最新モデルが登場した。Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)は、622 Magnetic Battery（MagGo）の進化モデル。価格は7,990円。発売時点では、ブラック、ホワイト、ブルーの3色から選べる。

容量が2倍（5,000mAh → 10,000mAh）になり、USB-Cポートの出力が最大12Wから20Wに改良。有線接続で急速充電対応モバイルバッテリーとして使用できる。ワイヤレス充電時の最大出力は従来どおり最大7.5W。Apple純正のMagSafeバッテリーパックと同等の出力だ。

パススルー充電に対応しており、バッテリー本体を充電しながらワイヤレス充電器としても使用できる。外出時はモバイルバッテリーとして、自宅ではワイヤレス充電器として、二刀流の使い方ができる。

バッテリー容量の増加、有線接続時の急速充電対応、USB-Aポートの追加など、マグネット式モバイルバッテリーとしては堅実な進化を遂げているが、犠牲になっているものもある。

厚み増加による持ちづらさ

iPhone 13 miniに装着

本体サイズは旧モデルと同等だが、本体重量は218gに増え、厚みが5mm増加。数値としては僅かな違いだが、持つと違いは一目瞭然。iPhoneに貼り付けた状態で持ちづらくなった。

なおiPhone 13 miniやiPhone 12 miniと使用した場合、バッテリーは下から突き出る。旧モデルでも同様の仕様だ。

iPhone 13 miniに装着

iPhone 12 Proのサイズでも、わずかにはみ出る。

iPhone 12 Proに装着

スタンドの改良でガタガタするように

旧モデルでは使いづらかった内蔵スタンドは、アルミ製のフリップ型スタンドに改良。角度は変わらないが、取り出しやすくなった。

スタンドを使用している分には問題ないが、iPhoneに取り付けた状態で机に置くとカタカタ揺れる。

旧モデルはスタンドが背面と一体化しており、机に置いてもカタカタしない。

本体のグリップ感が低下

iPhoneと接続する表面の素材が変わっており、グリップ感が低下した。磁石の特性上、横からの力には弱くiPhoneから外れやすい。新モデルは厚みが増している影響もあり、外れやすくなっている。

特にポケットやカバンの中に放り込んで移動する際には注意が必要だ。

Anker 633 Magnetic Battery(MagGo) レビュー：有線メインがベター

Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)は、普段はケーブルを使って充電するが稀にMagSafeで充電する人におすすめのモバイルバッテリーだ。

貼り付けるだけで充電できるのは紛れもなく便利だが、出力は低く時間がかかる。最新モデルはUSB-C to Lightningケーブルを使用すれば、30分で0％から50％まで回復する急速充電に対応する。万が一ケーブルが手元にない場合は、MagSafe充電が利用できる。

一方で最新モデルは、バッテリー容量が倍増した分、厚みが増しており持ちづらくなった。MagSafe充電をメインに使用し貼り付けたまま使用する機会が多ければ、旧モデルの622 Magnetic Battery（MagGo）を検討したほうが良いだろう。ワイヤレス充電時の出力は、新旧モデルに差がない。

MagSafeモバイルバッテリーは便利だ。用途次第で選ぶべきモデル（新モデル・旧モデル）を見極めてもらいたい。