”次世代のポタ電”はグリーン電力推し。「IMMORTOR Bay」シリーズが日本初上陸
ブロックチェーンとNFTを統合した世界初のコンシューマー向け電力製品
フォーカルポイントは10月3日、中国IMMOTOR製のポータブル電源「IMMOTOR BAY」シリーズの説明会を実施した。
ポータブル電源市場は最近、各メーカーより新製品が続々と投入されているガジェット激戦区の1つ。IMMOTORの代表Daniel Huang氏は、mophieの創業者兼CEOでもあり、米国と中国で大きな成功を収めた起業家だ。ポータブル電源市場における豊富な経験を武器に、日本市場へ上陸する。
BAYシリーズの特徴は、「(良い意味で)ポータブル電源らしくない小洒落たデザイン」と、「NFTを活用したグリーン電力の使用推進」だ。素敵なハードウェアの裏に、やや小難しい仕組みが用意されている。
順を追って説明しよう。
まずはポタ電そのものの仕様をチェックしよう
国内登場するBAYシリーズのポータブル電源は2種類。540Whの「BAY500」と1,000Whの「BAY1000」だ。クラウドファンディングサービス「GREEN FUNDING」で10月25日以降より支援販売の開始が予定されている。BAY500は約77,000円、BAY1000は約110,000円だ。同容量の競合製品と比べると、比較的手の出しやすい価格になっている。
ポータブル電源といえば、メカメカしい見た目が常識。BAYシリーズは、アルミニウムの削り出しでハンドルは本皮製。ポートカバーはマグネット式を採用し、不使用時は覆っておくことができる。カラーバリエーションは、ダークグリーン、ダークグレイ、シルバーの3色が用意される。
搭載ポートは以下のとおり。
- BAY500
- USB-Cポート(最大100W) × 2
- USB-Aポート × 2
- DCポート × 1
- ACコンセント(最大600W) ×2
- ワイヤレス充電台(最大15W)
- BAY1000
- USB-Cポート(最大100W) × 4
- USB-Aポート ×2
- DCポート × 2
- シガーソケット × 1
- ACコンセント(最大1,200W) × 2
- ワイヤレス充電台(最大15W)
本体の充電スピードは極めて高速。BAY500は、2つのUSB-CポートとDC充電の組み合わせで2時間以下でフル充電が可能。BAY1000は1000WのAC充電を利用することで、わずか1.3時間でフル充電が完了する。
BAYシリーズは専用アクセサリ、周辺機器も充実している
BAYシリーズを快適に使うための専用アクセサリや周辺機器も多数用意されている。
ソーラーパネルはMPPT(Maximum Power Point Tracking)システムにより、充電効率が30%向上。BAY500を6時間以内、BAY1000を10時間以内にフル充電できる。
35リットルの小型冷蔵・冷凍庫は、2ボックス仕様。BAY500で13時間以上、BAY1000で25時間以上駆動し、アプリを使った制御が可能だ。
電気ブランケットは、180 × 100cmのサイズで、約41℃まで2分で加熱可能。3種類の熱設定が用意されている。BAY500で28時間以上、BAY1000で56時間以上使い続けられる。
グリーン電力の使用を推進し、エコ活動を可視化する新しい仕組み
競合製品とは一線を画する小洒落たデザインを持つBAYシリーズには、グリーン電力を利用すれば、製品のNFTアバターが成長する仕組みが用意されている。
NFTと聞くと、「投資」「詐欺」「怪しい」など身構えるキーワードが脳裏を過る人もいるだろうが、現時点ではあくまでもグリーン電力を把握し可視化するための手段としてのトークンとして利用するために活用するという。
グリーン電力とは、太陽光、風力、水力、地熱など二酸化炭素を排出しないエネルギー源で発電された電力を指す。BAYシリーズはGPN(GreenPower Network)に対応しており、Web3の技術を活用することでグリーン電力を把握できる。
BAYシリーズの専用アプリには、充電や給電などの情報にくわえて利用者のグリーン電力利用率も把握する仕組みが用意されている。利用率はNFTとして記録され、GPNのNFTアバターの成長を楽しめる。
今のエコ活動は実質的に自己満足の範疇を出ない。活動を体外的にアピールしない限り、周囲に認識されないからだ。
ポータブル電源を活用したエコ活動の貢献度は微々たるものかもしれないが、従来では不可能だった「エコ活動の可視化」が可能だ。GPNはオープンな仕組みであり、他のバッテリーメーカー、家電メーカーが参加すれば環境への貢献度も増えるだろう。
海外では電力などを電力会社に頼らず自給自足する「オフグリッド」生活を行う家庭が増えている。オフグリッドを始めるにはハードルが高いが、「グリーン電力を使いたくなるゲーム要素のあるポータブル電源」であれば、エコ活動を始めるきっかけになるかもしれない。