【レビュー】Anker PowerHouse II 800:シリーズ史上最もパワフルなポータブル電源
キャンプなどアウトドア・レジャーだけではなく、緊急・災害時用にも活躍する大容量バッテリー
Ankerより、PowerHouseシリーズ史上最もパワフルなスペックを誇るポータブル電源「Anker PowerHouse II 800」が登場した。216,000mAh(778Wh)の超大容量、11台同時かつ合計最大770Wの超高出力が特徴だ。
製品仕様は以下のとおり。
- サイズ:約 300 × 185 × 204 mm
- 重さ:約 8.3 kg
- 入力:
- DC:11-28V=10A (合計最大120W)
- USB-C:5V=3A / 9V=3A / 15V=3A/ 20V=3A (各ポート最大60W / 2ポート合計最大120W)
- 合計最大入力:240W
- 出力:
- AC:110V ~ 4.54A, 50 / 60Hz, 500W (2ポート合計最大500W / 瞬間最大 1000W)
- USB-A:5V=6A (各ポート最大12W / 4ポート合計最大30W)
- USB-C:5V=3A / 9V=3A /15V=3A / 20V=3A (各ポート最大60W / 2ポート合計最大120W)
- シガーソケット + 5.5mm DC:12V=10A (合計最大120W)
- 合計最大出力:770W
- バッテリー容量:216,000mAh / 778Wh
メーカーよりレビュー用としてサンプルを提供してもらったので、紹介する。
搭載ポートと各ポートの出力仕様、充電性能を検証
Anker PowerHouse II 800は、合計最大500Wの出力が可能なAC電源を2つ搭載。2つのUSB-Cポート、4つのUSB-Aポート、シガーソケット、2つのDC出力ポートがあり、同時に11台充電できる。
USB-Cポートは各ポートの最大出力が60W。13インチ型MacBook Proであれば、フルスピードで充電できる。USB-Aポートは4ポートの合計出力が最大30Wとなっており、スマートフォンなどのポータブルデバイスの出力用に最適だ。
USB-Cポート、USB-Aポート、DC出力ポート
MacBook Proを4台、フルスピードで充電しながら余力あり
AC電源とUSB-Cポート2つを活用すれば、16インチ型MacBook Pro、15インチ型MacBook Pro、13インチ型MacBook Proを2台、合計4台を同時にフルスピードで充電できる。
さらにUSB-Aポートを活用すればiPhoneやiPadなども同時に充電可能。シガーソケットを活用すれば、高出力を必要とするデバイスも充電できる。
電池容量は216,000mAh。iPhone 12を約58回、M1 MacBook Airを約11回、30W出力の小型扇風機の使用時間約19時間に相当する。
充電中はポート上部にあるディスプレイ上に電池残量が確認できる。ディスプレイは、本体が満充電になるまでの推定時間、電源周波数、動作下限/上限温度を超えたときの通知なども表示される。
本体の充電方法と充電時間
本体のフル充電は、付属するアダプタの使用で約7.1時間かかる。2つのUSB-Cポートを同時に使用すれば、充電時間は4.9時間まで短縮できる。
AC電源を挿すことで充電が開始され、ディスプレイ上には電力、充電完了までの時間、電池残量が確認できる。
26%から1時間20分間の充電後、電池残量は26%から63%まで増えていた。
なお同梱されているシガーソケットケーブルを使用し、車のシガーソケットから充電も可能。フル充電は約7.1時間掛かる。車に積んでおけば、車内用コンセント代わりに使用できる。
いざという時に役立つライトやフラッシュライトを内蔵
Anker PowerHouse II 800は、Anker PowerHouse II 400と同様に大型ライトおよびフラッシュライトが搭載されている。
フラッシュライトは、高照度、低照度、SOSモードの3段階が用意。ボタンを押すごとに切り替わる。
側面にあるフラッシュライト
大型ライトは、照度が3段階用意されている。
背面にある大型のライト
Anker PowerHouse II 800レビュー:PowerHouseシリーズのボス
Anker PowerHouse II 800は、PowerHouseシリーズ最大級。電池容量は、Anker PowerHouse II 400の2倍、Anker PowerHouse 200の3.75倍もある。
PowerHouseシリーズのスペック比較は以下を参考にしてもらいたい。
PowerHouse II 800 | PowerHouse II 400 | PowerHouse 200 | |
---|---|---|---|
バッテリー容量 | 216,000mAh | 108,000mAh | 57,600mAh |
重さ | 約8.3kg | 約4.6kg | 約2.7kg |
サイズ | 約300 × 185 × 204mm | 約255 × 148 × 139mm | 約190 × 138 × 118㎜ |
ポート数 | 【合計11ポート】 AC出力ポート x 2 USB-Cポート x 2 USB-Aポート x 4 シガーソケット x 1 DC出力ポート x 2 |
【合計8ポート】 AC出力ポート x 1 USB-Cポート x 1 USB-Aポート x 3 シガーソケット x 1 DC出力ポート x 2 |
【合計5ポート】 AC出力ポート x 1 USB-Cポート x 1 USB-Aポート x 2 シガーソケット x 1 |
合計最大出力 | 770W | 516W | 130W |
AC電源の出力 | 500W (瞬間最大 1,000W) |
300W (瞬間最大 600W) |
100W (瞬間最大 200W) |
本体の充電時間(最短) | 約5時間 | 約4時間 | 約4.5時間 |
Anker PowerHouse II 800は、電池容量、ポート数、出力性能がすべてトップクラスである代わりに、重さは約8.3kgもある。無理な体勢で持ち運ぼうとすると肩や腰を痛める恐れがある。
PowerHouseシリーズ、左から「II 800」「II 400」 「200」
自宅にポータブル電源を置いておくのであれば、大きければ大きいほうがいいと考えがち。しかし実際にポータブル電源を持ち運ぶ可能性を考えると、Anker PowerHouse II 800は現実的ではない。また大きく高性能である分、シリーズの中で最も高価だ。災害目的で導入するのであれば、一回り小さいAnker PowerHouse II 400のほうが、金額と性能のバランスが良い。
Anker PowerHouse II 800は、キャンプなどのアウトドア・レジャーを定期的に楽しむ人に向いているだろう。もし僕がそのような生活をしていたら車に積んでおき、現地では夏なら扇風機や小型冷蔵庫、冬は電気毛布やストーブが使える。大自然に囲まれながらプロジェクターで映画鑑賞、隙間時間にMacBook Proを使って仕事も夢ではない。AC電源があれば、外部ディスプレイも出力できる。最強すぎるノマド環境が堪能できてしまうのだ。
残念ながらキャンプ未経験の僕には、そのような生活は想像の世界でしかない。しばらくは災害時用のポータブル電源兼ダンベルとして、部屋の片隅に待機してもらおう。
おお、MBP総動員の実験は圧巻ですね!パワフルなのがよく分かります。
ところでダ、ダンベル…?