iPhone 16 Pro カメラレビュー:都内の夜スナップで実力を試す
進化した4,800万画素の超広角カメラと光学5倍ズームに対応した望遠カメラを遊び倒す
iPhone 16 Proは例年どおり、前年モデルと比べてカメラ性能が進化している。超広角カメラが4,800万画素になり、望遠カメラが3倍光学ズームから5倍光学ズームになった。3つのレンズを搭載し、0.5倍・1倍・2倍・5倍の焦点距離を切り替えられる。
カメラの仕様は以下のとおり:
- 【0.5倍】超広角カメラ
- 13mm
- ƒ/2.2絞り値と120°視野角
- 4,800万画素
- 【1倍】メインカメラ(Fusionカメラ)
- 24mm
- ƒ/1.78絞り値
- 第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正
- 4,800万画素
- 【2倍】メインカメラ(Fusionカメラ)のクロップ
- 48mm
- ƒ/1.78絞り値
- 第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正
- 1,200万画素
- 【5倍】望遠カメラ
- 120mm
- ƒ/2.8絞り値と20°視野角
- 3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正とオートフォーカス
- 1,200万画素
iPhone 16 Proの進化した超広角カメラと望遠カメラを試すべく、銀座と渋谷周辺を発売日にストリートスナップしてきた。いずれの写真もProRAWで撮影し、その後Photoshop Camera RAWを使って現像している。
iPhone 16 Proのカメラとしての実力を知る撮影サンプルとして、参考にしてもらいたい。
行き慣れない場所だからこそ撮影が楽しい
普段のiPhone撮影は真っ先に渋谷に向かうが、今年は苦労して入手したCanon EOS R5 Mark IIが購入翌日に修理するという悲劇に見舞われ、銀座周辺からのスタートとなった。久しぶりのストリートスナップにワクワクが止まらない。
マネキンが窓際でエンドレスに回転する銀座のユニクロ。なかなかの景色だ。
銀座の街並みを望遠カメラで撮影。120mmとなればそれなりに圧縮感が出てくるため、撮っていて楽しい。
空とビル。そして空腹(晩ご飯時だったからお腹が空いてた)。
通りすがりの飲食店にあった電球。
マクドナルドをあえての白黒。白黒でも「マックじゃん」となるのでロゴって凄いなあ。
そびえ立つカルティエビル。
信号とカルティエ。
この瞬間を切り取るために待ち続けた。実際は一人入り込んだが、AIでいなかったものとさせてもらった。
銀座周辺は魅力的なビルが多く、ストリートスナップが楽しい。超広角カメラが活きるシーンも多い。
観光客とともに撮影した。もちろん撮影中に何度も外人ファミリーやカップルの記念写真を撮ってあげた。観光客は上機嫌だから話し掛けやすいし喜んでもらえるので、ハッピーな気持ちになる。
今回銀座周辺で撮影した写真の中で、最も感動したのは銀座ウイスキー博物館。そして移り変わる色を見て、右側に出すべき街頭広告はiPhone 16 ProではなくiPhone 16ではないかと思わずにはいられなかった。
GINZA SIXとFENDIのテクスチャーが魅力的だったので、撮ってみた。
超広角カメラならではの画角を楽しんだ1枚。
さて、そろそろ時間が遅くなってきたので、渋谷へと移動だ。
銀座周辺に圧倒されて思うように撮れなかった渋谷周辺
銀座周辺のストリートスナップの満足度が高すぎたゆえに、渋谷周辺の撮影は思うようにいかなかった。場所を変えたことはかえって良かったかもしれない。
超広角カメラをメインで撮影する計画だったが、気付いたら5倍ズームを多用していた。ストリートスナップの感覚はすぐに鈍ってしまうため、離れた位置から構図を切ることで無意識に感覚を取り戻そうとしていたかもしれない。
渋谷という土地に安心感を覚えたのか、超広角カメラで撮影する写真が飛躍的に増えた。我ながら分かりやすい。
しかしそれではぬるま湯だと思い立ち、撮ったことのない画角を探して渋谷中を歩きまくることに。望遠カメラを使い、109手前の交差点の周辺を見下ろすように撮ってみた。
iPhoneは本体が小さいからこそ、このような反射を活かした撮影もしやすい。
元々何があった場所か思い出せないが、空き地になっていた。自分が高校生だった頃から渋谷は激変しており、その変わる姿が寂しくもあり、楽しみでもある。
最後に超広角カメラで御用達のシーンを撮りに回る。まずは富士そば。
そして大好きな駐輪場。
締めの1枚は、MIYTASHITA PARKの飲み屋街。この日は200枚近く撮影したが、この写真が最も渋谷らしさを感じる1枚になったと思う。
ゴリミーにとってiPhone 16 Proのカメラとは
iPhone 16 Proがあれば、ミラーレスカメラは不要なのか。
カメラは撮れなければ意味がない。カメラ性能以前の問題として、カメラを持ち運んでいなければ撮れるはずの写真も撮れない。その点に関して言えば、iPhoneのカメラが年々進化することは写真の幅が広がり、撮影のクオリティも向上する。ハードウェアとソフトウェアの進化は常に大歓迎だ。
iPhoneのほうがカメラとして優れているかどうかは、状況による。例えば、子どもが生まれると「どのカメラを買うべきか?」とよく聞かれる。カメラの設定などに精通していない限り、最新のiPhoneを購入したほうが結果的に良い写真を残せるだろう。
最近のiPhoneは、カメラコントロールをはじめ新機能を次々と追加しているが、iPhoneカメラ最大の魅力は画面上のボタンを押せば「良い写真」が誰でも撮影できること。記録するためだけであればiPhoneのカメラがあれば十分なのだ。自分を含めた撮影をしてもらう場合、ミラーレスカメラを渡して押すべきボタンなどを説明するよりも、iPhoneを渡して撮ってもらったほうが圧倒的に良い写真が撮影できる。
僕は、ミラーレスカメラは現像する前提で撮影する。一方、iPhoneは現像しない前提で撮ることが多い。しかし、毎年iPhone 16 Proを選ぶ理由は、iPhoneでも現像する前提の写真が撮れる、という選択肢が増えるからだ。いざという時に、常に持ち運んでいるiPhoneをミラーレスカメラのように使えるという安心感は大きい。よって毎年最新のiPhoneに買い換えることで、写真クオリティの底上げが可能になると考えている。
僕にとってiPhone 16 Proのカメラとは、人生の記録係だ。画面のボタンを押すだけで撮影がつまらないと思っていた時期もあったが、撮影までの手順が簡略化されているからこそ他のことを意識でき、結果的に良い写真が撮れるようになった。
気合いを入れてミラーレスカメラで撮った写真より、子どもが勝手に撮った写真やその場のノリで撮影した集合写真のほうが味があることもある。残っていない思い出よりも、残っている思い出に価値がある。仕事道具としてのiPhoneは、その延長線上にある。
この記事で撮影した写真は、仕事道具としてのiPhoneの実力を紹介するものだ。ポテンシャルは十分にある。今後1年間、人生の記録係として様々な瞬間を残し、来年のiPhone 17 Proにバトンを受け渡していこう。
明日16Proが到着するのですが、この記事を見て期待が膨らみました。
これまで13Proを使っていましたが、写真を拝見する限りでは照明のフレアがかなり減っているように感じました。超広角のセンサーサイズが据置なのは残念ですが、48MP化でどれくらい画質が上がっているのか確認してみたいです。