【検証】SanDiskのポータブルSSD、「ハイエンドとミドルレンジの転送速度が同じ」ってホント?
14インチMacBook Pro(M1 Pro)で、「エクストリーム・プロ」と「エクストリーム」の性能差を検証
SanDiskのポータブルSSDは、クリエイターの必須アイテム。RAWデータの一時的なデータ保管やバックアップ用として、USB3.2Gen2 読出最大1050MB/s仕様のミドルレンジモデルと、USB 3.2 Gen.2×2 最大2000MB/s仕様のハイエンドモデルを購入した。
Extreme PROE81 GHシリーズ(1TB/2TB/4TB) | Extreme E61 GHシリーズ(500GB/1TB/2TB/4TB) | Portable SSD E30 GHシリーズ(480GB/1TB/2TB) | |
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特徴 | ハイエンドモデル | ミドルレンジモデル | エントリーモデル |
最大読み込み速度 | 2000MB/秒 | 1050MB/秒 | 520MB/秒 |
最大書き込み速度 | 2000MB/秒 | 1000MB/秒 | |
インターフェイス(形状) | USB 3.2 Gen 2×2(USB-C) | USB 3.2 Gen 2(USB-C) | USB 3.2 Gen 2(USB-C) |
付属ケーブル・コネクタ | ケーブル:USB-C = USB-C、USB-C = USB-A | ケーブル:USB-C = USB-C 変換コネクタ:USB-A変換アダプタ |
ケーブル:USB-C = USB-A 変換コネクタ:なし |
本体寸法(W×H×D)・質量 | 57.8mm x 110.8mm x 10.3mm、77.5g | 52.5mm x 100.8mm x 9.6mm、52g | 46.90mm x 96.90mm x 9.91mm、40g |
IP55 防塵防滴性能 | ✓ | ✓ |
購入容量は、いずれも4TBモデル。ミドルレンジとハイエンドモデルの価格差は18,937円(記事執筆時点)。ハイエンドモデルは価格が高い分、ミドルレンジより2倍の転送速度が出るのか。14インチM1 Pro MacBook Proに保存された17.88GBのRAW+JPEGデータをストレージに転送し、完了までの時間を計測してみた。
比較用として、使用済みデータを保管しておくための外付けストレージとして購入した「LaCie Mobile Drive USB-C(5TB)」と、メーカーより提供してもらった「OWC 240GB Envoy Pro SX ポータブル NVMe M.2 SSD」でも同様の検証を行った。
検証結果:ミドルレンジとハイエンドに性能差見られず
ポータブルSSDの使用用途は、仕事用データのバックアップ。必要に応じて外部ストレージから直接編集を可能にするため、HDDではなくSSDを選んだ。ポータブルHDDは、現像済みの家族写真を中心に保管している。
17.88GBのRAW+JPEGデータをMacからそれぞれのストレージに移動したところ、ハイエンドモデルとミドルレンジモデルの転送速度はほぼ同じ。HDDのLaCie Mobile Driveは約3分間かかった。一方でOWC Envoy Pro SXはThunderbolt接続。SanDiskを上回る、約20秒でコピーが完了した。
- SanDisk(ハイエンドモデル):約37秒
- SanDisk(ミドルレンジ):約38秒
- LaCie Mobile Drive:約3分間
- OWC Envoy Pro SX:約20秒
各外部ストレージの読み込み速度・書き込み速度も計測した。ミドルレンジモデルとハイエンドモデルの書き込み速度はほぼ同じ。読み込み速度は約18%の差が見られた。
転送時間が最も短かったOWC Envoy Pro SXは、書き込み速度が約900MB/s、読み込み速度が約2,400MB/s。Thunderbolt接続による格の違いを見せつけられた。
SanDiskのポータブルSSD、ミドルレンジモデルを購入すれば問題なし
ミドルレンジモデルおハイエンドモデルに性能差が見られない理由は、14インチMacBook ProのUSB-Cポートが「USB 3.2 Gen.2×2」に対応していないため。
USB 3.2 Gen.2×2とは、10Gbpsを2レーン接続することで最大20Gbpsのデータ転送速度を実現した規格。MacBook Proを含む最新のMacはThunderbolt 3またはThunderbolt 4ポートを採用しており、USB 3.2 Gen.2×2の恩恵を受けられない。
MacでSanDiskのポータブルSSDを使うのであれば、ミドルレンジモデルを購入すれば問題ない。先日カメラ内からデータをSSDに直接転送し、SSDから現像作業を行ったが、パフォーマンスに不足は感じなかった。
作業用ストレージとして高い転送速度が必要であれば、OWC Envoy Pro SXを検討してもらいたい。SanDisk製よりも大きいが、防塵、落下、防水仕様となっており、持ち運びにも支障はきたさない。
またストレージ上から作業はしないがデータを保管しておきたいのであれば、ストレージ容量に対する価格が圧倒的に安いポータブルHDDを選ぶと良いだろう。ファイル転送時は時間が相当かかるが、寝ている間など作業しない時間を見計らって使えば問題ない。
参考になりました。ありがとうございます。
そもそも、見た目が異なる3モデル…くらいの認識しかなかったのですが、M1のMBAなのでハイエンドモデルだと宝の持ち腐れになりそうと分かりミドルレンジ購入しました。
このコメント欄によると「使い切る能力がない」なんて言われちゃったりしてますが、もう少し具体的なシーンでの検証が必要であれば、教えてくださーい。直近で50GBとかのファイルを扱う予定がないのですが、来月には何度かありそうなので、再度検証して速度比較をしてみたいと思ってまーす!
すいません、こちら返事しそこねてました!修正完了しました!ご確認くださいませ!ありがとうございました!
「使い切る能力」が実際に存在するなら、その基準を満たす使い方はできなかったので似たような使い方をする人は同様に最上位機種を無理して買わずにミドルレンジで十分みたいですよ、という意図なんですが、何か問題あります?
性能を使い切るために検証してないですよ、自分の使い方で最適な機種を検証するために記事を書いたんですよ。
性能差はありませんでした!(テスト者に使い切る能力がなかったので)って、どういう思惑の記事なんですかね
なぬっ、20GB弱じゃ性能を確認するのに足りないのかw
キャッシュを使い切る巨大ファイル群、例えば50 GBでのコピー時間の比較です。
逆に言えばMacじゃなくてWindowsのクリエイターなら効果があるんじゃないですか?
なるほどなるほど!仕様を見比べた限りではそこは分かりませんでしたが、深掘りするとあるのかもですね🤔
価格差は、転送速度よりも耐久性にあらわれるのでは?
SLCとMLCとか、スクリーニングとか異なる可能性が。
USBが2×2で本当にリンクしいるかというのも気になりますが、そもそもAppleシリコンではUSB外部ストレージの速度がx86環境と比較して性能が出ないという問題があります。なのでx86環境で比較する必要があると思います。
あと、どこぞの中華メーカーならわかりますが、ブランドイメージのあるSandiskがスペック詐欺をするメリットは無いと思いますね。
いつも楽しい記事を有難うございます。
毎日更新を楽しみにしています。
これ、興味があったんです!
検証していただき有難うございます。
大変参考になりました。
というか、公式の仕様では最新のMacbook ProはUSB4に対応しているのに、USB3.2 gen2×2には対応してないんですね。驚きました
thunderbolt3,4には対応しててもUSB3.2 gen2×2には対応してないなんてことがあるんですね。勉強になりました
それってストレージ側が半分埋まっている状態、つまり4TBのうち2TBが埋まった状態で差が出る可能性があるってことですか??
テストした容量の範囲ではキャッシュのため差異が無いのかもしれないと思います。容量の50%でのテストも興味があります。
こんにちは。
細かいことですが、記事の最初のほうにある比較表で、「本体寸法」の欄の「Extreme PROE81 GHシリーズ」の箇所の記述順序がおかしいようです。
寸法の途中に質量が混ざっています。
ご確認いただけると幸いです。