【検証】MacBook ProにiPad Proを3台繋いで4画面マルチモニター環境にしてみた

在宅勤務をする人が増えた影響で、外部ディスプレイやモバイルモニターの需要は高まっている。ノートパソコンに外部ディスプレイを加えたマルチモニター環境は複数アプリを同時に表示でき、作業効率が上がりやすい。外部ディスプレイを置く位置次第で姿勢を正すことができ、身体への負担も抑えられる。

iPadを活用すれば、手軽にマルチモニター環境が実現できる。macOS Catalinaにアップデートしていれば、ワンクリックでiPadをサブディスプレイ化する機能「Sidecar」がある。「Duet Display」や「Luna Display」を利用すれば、同じiPadをサブディスプレイとして使用できる。

男は、誰しもが大量のディスプレイに囲まれて仕事をしたいと思うときがある。MacBook Pro、iPad Proの11インチモデルを2台、12.9インチモデルを1台用意し、Sidecar、Luna Display、Duet Displayを同時に利用した夢の4画面マルチモニター環境を構築してみた。

Duet Displayを接続、設定は豊富だが動作に難あり

まずはDuet Displayを接続する。Wi-Fi経由で接続する機能もあるが、検出されず試すことができなかった。

上からケーブルが飛び出てしまうが、動作することを優先する。

Duet Displayは、細かく設定できる。専用アプリから解像度やフレームレート、クオリティを調整でき、Touch Barの表示も可能。

接続には苦戦。ディスプレイとして認識されなかったり、アプリが応答しなくなったり、トラブル続きだった。スリープ後の動作も不安定だ。

ただしiPadを縦向きに使用できるアプリケーションは、Duet Displayのみ。ブラウザやドキュメントなど、縦にスクロールすることが多いコンテンツを閲覧するには向いている。

macOSのシステム環境設定の「ディスプレイ」設定では、縦向きのディスプレイとして認識されている。

Luna Displayを接続、設定は少ないが接続はスムーズ

続いてLuna Displayを接続した。

Luna Displayは、接続ユニットをMacBook ProのUSB-C端子に接続することで利用できる。

Luna Displayの設定アプリは、Duet Displayと比べると非常にシンプル。配置およびRetina解像度の有無以外、設定できない。

Duet Displayの左側にあるiPadをLuna Display用として使用した。

「ディスプレイ」設定でも認識されている。

Sidecarに接続、ワンクリック接続が気持ち良い

最後にmacOS Catalinaから利用できるSidecarを使用する。接続するiPadを選択すれば、瞬時にサブディスプレイとして切り替わる。

12.9インチ型iPad Proに接続した。特別な設定を必要とせず、ワンクリックで切り替わるのは快適だ。

Sidecar、Luna Display、Duet Displayによる夢のコラボレーションが生み出した、MacBook Proと3台のiPad Proを使った夢の4画面マルチモニター環境だ！

「ディスプレイ」設定にも4つのディスプレイが表示されている！

ロマン溢れる構成だが、使い勝手はお世辞にも良いとは言えない

ワクワクしながらセットアップしたロマン溢れる4画面構成だが、この配置は実用性が低いと分かった。左右に首を振る必要があり、マウスカーソルを見失ってしまう。MacBook Proの電池消費も激しく、使用するには充電は必須。作業効率を体感できる前にMacBook Proの電池が切れてしまう。

MacBook ProとiPad Proを3台使った理想の配置は、12.9インチ型iPad Proを高さのあるスタンドに取り付けMacBook Proの上に置き、左右に11インチ型iPad Proを置くことだろう。見る範囲も狭くなり、高い位置に追加のディスプレイがあれば作業がしやすそうだ。

ところで僕は通常、2枚の4Kディスプレイで作業している。Sidecar、Luna Display、Duet Displayが同時に動作すると確認できたため、最後にちょっとした出来心で新しいマルチモニター環境を試してみた。