AppleシリコンMac、ハイエンドモデルが後回しになった理由を考察

発表されたMacBook Air、MacBook Pro、Mac miniはすべてエントリーモデル なぜこれらのデバイスを先に移行したのか

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Apple初のAppleシリコンMacとして発表されたのは、MacBook AirMacBook ProMac miniだった。期待値が高かっただけに、「メモリ16GB」がトレンド入りするなど賛否両論が起きている。

冷静にラインアップを見ると、3機種ともエントリーモデルだ。MacBook AirMac miniはノート型・デスクトップ型のMacとして最も価格帯が低い。MacBook Proは、従来の2ポートモデルを置き換えている。ポート数が2つ、最大搭載可能RAMが16GBは当然の仕様だ。

Appleはなぜエントリーモデルからスタートしたのか

対応アプリケーションが増えるまでの時間稼ぎ

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Appleシリコンを搭載したハイエンドモデルが登場しても、Intelモデルで使用しているプロ向けアプリケーションがAppleシリコンに最適化されていなければ意味がない

Rosetta 2でIntelモデル向けアプリを動作させることはできるが、Appleシリコンの恩恵に預かるにはAppleシリコンにも最適化されたユニバーサルアプリが理想。Appleによると、Lightroomは来月にリリースされ、Photoshopは2021年初旬に提供される。

Intelからの脱却を目指す以上、Intelモデルよりも圧倒的に優れたパフォーマンスを求められる。エントリーモデルが先に発売されることで、プロ向けアプリケーションを実機で入念なテストが可能だ。アプリケーションの充実化および最適化がされるまで、時間を作るためにもエントリーモデルを先にリリースする必要がある。

ハイエンドモデル向けのチップがまだ用意できていない

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ハイエンドモデル向けのチップがまだ完成していない可能性もある。

現行のMacラインナップにおけるハイエンドモデルは、いずれも32GB以上のRAMを搭載しているが、M1チップ搭載Macはいずれも最大16GB。M1チップは、CPUやGPUと同じパッケージ内にRAMも取り付けられている。この構造によりパフォーマンスと効率が向上するが、RAM容量ごとにパッケージを別途用意する必要があり、コストがかかる。

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プロ向けアプリケーションが十分に用意できていない状況で、ハイエンドモデル用チップを量産しても売れないリスクがあるため、Intelモデルでも最大16GBのRAMが仕様だった製品が選ばれた、と考えられる。

エントリーモデルのほうが性能向上をアピールしやすい

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エントリモデルを初のAppleシリコンMacに選んだ理由は、マーケティング上の理由もあるだろう。ハイエンドモデルの驚異的な性能向上をアピール後、エントリーモデルの進化を紹介しても全く響かない。

エントリーモデルを先に発表すれば、Appleシリコンへの移行によるMacラインアップにおけるパフォーマンスの底上げをアピールできる。エントリーモデルでCPU性能が最大3.5倍、GPU性能が最大6倍、機械学習が最大15倍高速になれば、当然ハイエンドモデルはこれをさらに上回るパフォーマンスになることは間違いない。 

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更新日2020年11月12日
コメント(2件)

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  1. 通りすがりの読者

    CPUはともかくGPUはホント分からない
    nVIDIAやAMDのチップ以上のものが作れるとは今のところ到底思えないんだけど

  2. jecht

    ユニファイドメモリとしてワンチップ化することでメモリー間転送の遅延ロスを無くすアーキテクチャーとなっているのですが、ハイエンドモデルではより大容量、また要求に応じた容量とする必要があるので、そのあたりをどう解決するのかですね。
    別途追加可能とすると何等かのデータバスを介する必要があり、そこでレイテンシーが下がるリスクもあり悩ましいですね。
    独自の高速バスを開発済み...と信じたい。
    単純なコンピューティングパワーはコア数増やす、クロックアップで対処可能かと思いますが。

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