スマートフォン向けサービスならウェブよりもアプリの方が使われると思う理由
【img via iPhone development… by rhodes】
これからはウェブの時代だと言われている。本当にこれからの時代はウェブなのか。確かに、HTML5とCSS3だと今ままで以上に出来ることが増えていてる。だが、それでも少なくともスマートフォン向けサービスにかんしては、まだしばらくはウェブよりアプリの方が使われると思う。以下にその理由を述べる。
実際にウェブよりアプリの方が人気
現状ではウェブよりもアプリの方が充実しているのも一つの要因だとは思うが、それでも今は現状圧倒的にアプリの方が優勢であり、その流れはしばらく変わらないと思う。
今年1月ぐらいにこれに関するポストを書いたのだが、ウェブブラウジングもウェブアプリも含めて一日10分程度しか利用せず、後は基本的にアプリを使っているということが調査内容で分かっている。日本に特化すればもう少し数字は変わってくるのかもしれないが、現状、特にウェブがアプリよりも使われているという印象は全く無い。
インフラに大いに依存する
ウェブサービスはインフラに大いに依存する。HTML5でキャッシュをローカルにおけるようになったとは言え、まだアプリの方がローカルだけで利用出来る範囲が広いことは間違いない。
例えばTwitter純正クライアントとTwitterのモバイル用ウェブを比較すると、アプリでは最新のタイムラインを読み込めなくても過去に読み込んだものを当然見ることは出来るのだが、ウェブ版はホームにショートカットを置いていたとしてもアクセス時に全て読み込み直すので何も見れない。この差は大きい。
スマートフォン用ウェブを作るならPC用も作る必要がある
最近、僕の勤め先のようなモバイルCPは、既存のガラケー向けコンテンツをスマートフォンに最適化することが業界的に流行っている。コンテンツの提供プラットフォームをアプリにするかウェブにするかを決めているときに必ずウェブ派が言うのは「ウェブの方がクロスプラットフォーム化しやすいから」という理由。
確かにそれは一理あるかもしれない。課金システムを導入することが出来れば、AndroidでもiPhoneでも今後躍進するかもしれないWindows Phoneでもコンテンツが利用出来る可能性が高くなる。
ただ、ウェブ派がほぼ必ず見落としているのはスマートフォン向けサイトはPCのブラウザから閲覧出来る、ということ。つまり、コンテンツが利用出来るかどうかは別として、少なくともPCユーザーがアクセスしても不自然ではないランディングページを提供する必要があると思っている。
日本ではガラケー向けのウェブサイトという紛らわしい存在があるので分かりづらいが、基本的にウェブはPC向けかモバイル向けであって、一般的に「モバイル化」とはPCサイトをモバイル端末で見れるようにすることである。
よって、僕が日々耳にタコが出来るぐらい聞いているスマートフォン対応するというのは本来の順番とは逆である。ただそれは別に問題ではなくて、現時点でPCブラウザ向けに表示出来るものがないのであれば、それを作る必要がある、ということである。
そして、モバイル向けサイト、それもガラケー向けにしか作ったことが無い会社がPC向けサイト制作を内製でやるのはかなりの工数が掛かるだろう。さらにそのPCサイトも永遠とランディングページのままにせずいずれかは運営するとは思うので、その開発・運営工数を考えたらプラットフォーム毎に開発しても大して変わらない気がする。
まとめ
実際僕自身の使い方を振り返ってみると、スマートフォンでウェブを使う機会は殆んど無く、大体アプリで完結するか、何かしらの形で後々Macで開いて続きが見れるようにすることが多い。ウェブは確かに進化しているし出来ることも増えてきているが、当然アプリも進化していないわけではないのでまだしばらくはアプリが利用されると思っている。