3Dお絵描きアプリ「Feather」開発者が日本のクリエイターに託す想い
Apple Design Awards受賞アプリが目指す「世界で最も自然なクリエイティブツール」への道のり
iPad上で3Dを直感的に描くことを可能にする革新的なクリエイティブツール「Feather」。従来の3Dモデリングアプリとは一線を画すこのアプリの開発者に、その魅力と日本のユーザーへの想いを聞いた。
従来の3Dアプリとは全く異なるアプローチ
多くの3Dモデリングアプリが3D CADシステムをiPadに移植しようとする中、Featherは2Dの描画体験を通じて3Dを作成するという独自の哲学を貫いている。「表面に描画するだけで、描いた線が3Dで表現される。このプロセスを繰り返すことで、簡単に3Dのスケッチを作成できる」と開発者は説明する。
この直感的なアプローチにより、従来の複雑な3Dモデリング操作を覚える必要がなく、2D描画の感覚で3D作品を制作できるのがFeatherの最大の魅力だ。すべてのストロークがペン圧に反応し、表現豊かな線を描くことができる点も、アーティストにとって重要な要素となっている。
豊富な編集機能とAppleテクノロジーとの統合
Featherには2D描画ツールと同様の編集機能が備わっており、描いたスケッチの消去や移動が可能だ。特に注目すべきは、単一のストロークを選択して2Dの液状化ツールのように自由に曲げることができる機能で、これにより細かな調整や表現の幅が大きく広がる。
さらに、FeatherはApple Pencil Proの全機能を最大限に活用している。サブメニューへのアクセスを「スクイーズ」、グループの確認を「ホバー」、カーブの複製を「バレルロール」といった直感的な操作で行える設計は、まさにiPadならではの体験を提供している。
ARビューア機能も大きな特徴の1つだ。ARKit、VRKit、LiDARセンサーを含むAppleテクノロジーが統合されており、現実空間に描いた3Dスケッチを重ねて表示できる。「ARビューア内でタイムラプスアニメーションを表示することもできる」と開発者は付け加える。
アイデアの出発点としての役割
開発者は、Featherの位置づけについて明確なビジョンを持っている。「Featherの生産性は、単なるモデリングではなく、アイデアを表現し、より芸術的にすることに焦点を当てている」。
実際、FeatherはOBJやglTF形式でのエクスポートに対応しており、Blenderなどの他の3Dツールとの連携を前提とした設計になっている。「Featherはアイデアの出発点として機能し、他のツールでさらに詳細な作業や仕上げを行うというワークフローを推奨している」と開発者は説明する。
多様なユーザー層に愛される理由
Featherは建築やアニメーション分野のプロフェッショナルから、趣味でクリエイティブ活動を楽しむユーザーまで、幅広い層に支持されている。特に日本では、アニメーションキャラクターのスケッチを趣味とするユーザーにも広く愛用されているという。
「Sequence(シーケンス)」機能を使えば、アングルを1つずつ保存し、それらを補間することで簡単なカメラアニメーションを作成できるため、ストーリーボードやコンセプトスケッチの制作にも活用されている。
Apple Design Awards受賞の意味
Apple Design Awardsの受賞について、開発者は「これまでの功績に対する評価だけでなく、Featherの将来へのサポートと真の信頼である」と語る。この受賞を励みに、Featherは「世界で最も自然で普遍的で不可欠なクリエイティブツール」となることを目指している。
現在はiPadに注力しているが、Appleの「Metal」エンジンを活用してiPad上でのFeatherの限界をさらに押し広げることを計画している。将来的には、VisionOSを含む他のAppleプラットフォームへの展開も視野に入れているという。
日本のクリエイターへの期待
開発者は日本市場への特別な思いを語る。Featherの初期バージョンから日本語に翻訳するなど、日本の情熱的な若手クリエイターを大切にしているという。
現在、Featherはアメリカ、中国、韓国に続く第4位のユーザー数を誇る日本のユーザーには、「Featherで制作した作品を、もっと世界に共有してほしいと願っている」というメッセージを送っている。
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