watchOS 26正式発表。Workout Buddyがトレーニングの”心の友”になりそう
手首フリックで通知消去、Smart Stack精度向上など日常使いも大幅改善
Appleは6月9日、Apple Watch向けの次期OS「watchOS 26」を発表した。新デザインシステム「Liquid Glass」の採用と、Apple Intelligence機能を活用した「Workout Buddy」が目玉機能となる。今秋にApple Watch Series 6以降、第2世代Apple Watch SE、全てのApple Watch Ultraモデルに無料アップデートとして提供される。
美しい新デザイン「Liquid Glass」
watchOS 26最大の変化は、全Appleプラットフォームで統一される新デザインシステム「Liquid Glass」の採用だ。リアルタイムレンダリングによって光の反射や屈折を表現し、コンテンツをより鮮やかで表現豊かに見せる。Smart Stackウィジェット、通知、コントロールセンター、アプリ内ナビゲーションなど、システム全体にこの新デザインが適用される。
人気の写真文字盤も、Liquid Glassで作られた数字により、写真をより多く表示できるよう改良されている。
Apple Intelligence搭載「Workout Buddy」
watchOS 26の注目機能が、Apple Intelligenceを活用した「Workout Buddy」だ。ユーザーの心拍数、ペース、距離、アクティビティリング、過去のフィットネス記録などを分析し、ワークアウト中にパーソナライズされた音声による励ましを提供する。
「WWDC 2025 — June 9 | Apple」よりキャプチャ
例えば、ランニング開始時には「水曜日の朝のランニング、お疲れさま。エクササイズリングを閉じるまであと18分だ。今週はこれまで6マイル走っている。今日はそれに追加しよう」といった具合に、個人の状況に応じたメッセージを届ける。ワークアウト終了時には統計をまとめ、達成を称える機能も備える。
個人的にジムでのウェイトトレーニングを趣味としており、週に2回のトレーニングを最大化するために高重量から何度もドロップセットを組み心肺機能を強化しながら徹底的に追い込むトレーニングをしているのだが、いかにモチベーションを高く保つかは極めて重要だ。鼓舞してもらうためにもWorkout Buddyは是非とも活用したいところである。
Workout BuddyはBluetoothヘッドフォンを使用し、Apple Intelligence対応iPhoneとの連携が必要だ。まずは英語対応とのことで日本語での利用時期は不明となっているが、実装されたら使ってみたい。屋外・屋内ランニング、ウォーキング、サイクリング、HIIT、筋力トレーニングなど主要なワークアウトタイプで利用できる。
ワークアウトアプリの大幅刷新
ワークアプリは導入以来最大のレイアウト更新を受ける。アプリの四隅に新しいボタンが配置され、ワークアウト表示、カスタムワークアウト、ペーサー、レースルートなどの機能にアクセスしやすくなった。
Apple Musicとの連携も強化され、ワークアウトタイプと個人の好みに基づいて最適なプレイリストを自動選択する機能が追加されている。
Smart Stackの進化とメッセージ機能強化
Smart Stackは予測アルゴリズムが改良され、より多くのコンテキストデータ、センサーデータ、ユーザーの行動パターンを分析して「Smart Stackヒント」を提供する。例えば、接続のない場所ではBacktrackのヒントが、いつものスタジオに到着した時間にはピラティスワークアウトのヒントが表示される。
現状のスマートスタックはイマイチ恩恵に預かれていない印象があり、アルゴリズムが改良されたという最新版を試すのが楽しみだ。
メッセージアプリでは、Apple Intelligenceによるライブ翻訳機能が追加され、受信したテキストを好みの言語に自動翻訳し、返信も相手の言語に翻訳して送信できる。この機能はApple Watch Series 9、Series 10、Ultra 2で利用可能だ。
新しいジェスチャーと追加機能
Apple Watch Series 9、Series 10、Ultra 2では、手首を振るだけで通知を消去できる「リストフリック」ジェスチャーが追加される。加速度計とジャイロスコープ、機械学習モデルを使って手首の動きを解析し、片手がふさがっている時でも簡単に操作できる。
Apple Watchは周囲の音を検知して音量を自動調整する機能も追加される。通知、タイマー、アラーム、着信、Siriの音量が環境音に応じて調整され、周囲の人に迷惑をかけることなく利用できる。このような「ユーザーに寄り添って生活をちょっとだけ、さりげなく便利にしてくれる」機能が魅力的だ。
その他の新機能として、Apple WatchにNotesアプリが追加され、手首から直接メモにアクセス可能になる。電話アプリにはHold AssistとCall Screening機能が追加され、聴覚に障害のあるユーザー向けにはLive Listen機能が強化されている。
watchOS 26は今日から開発者向けベータが利用可能で、来月にはパブリックベータが公開される予定だ。正式版は今秋にリリースされる見込みで、Apple Intelligence機能の一部はiPhone 15 Pro以降またはiPhone 16シリーズとの組み合わせが必要となる。
てっきり、アクティビティリングなどもガラスみたいなデザインになるのかと思い込んでいました。