【レビュー】「Bose SoundSport Free」ーー防水防滴の完全ワイヤレスイヤホン
僕の中の「完全ワイヤレスイヤホン」といえば「AirPods」だが、完全ワイヤレスイヤホンという左右のイヤピースが独立した状態が最も活きる使い方は運動中だと思っている。
「AirPods」は残念ながら防水仕様ではないため、僕のように汗だくになりながら運動する人は運動中に使うべきではない。では、何を使うべきかというと、僕のお気に入りは「Bose SoundSport Free」。
僕の愛用している「Bose SoundSport」の完全ワイヤレスモデルとなっていて、両耳を繋ぐケーブルがなくなってもBoseサウンドは健在。フィット感も抜群で抜け落ちる心配は全くない。
早速紹介する!
安定感のある低音、ケースを開くとペアリングが完了
「Bose SoundSport Free」は「AirPods」のように左右のイヤピースを繋ぐケーブルがない左右独立型のワイヤレスイヤホンだ。よって、普段持ち運ぶのはこのケースのみ。
実際に僕が持つとこのぐらいの大きさ。「AirPods」や他の完全ワイヤレスイヤホンと比較すると少しばかり大きいような印象を受けるが、本体も少し大きさがあるので仕方ないだろう。
ケース本体はプラスチック製だが、運動用のイヤホンを収納するためには十分。中央のボタンを強く押すとケースが開く仕組みになっている。
強く押さずに軽く押すとケースの電池残量が5つのLEDライトで知らせてくれる。イヤホン単体では最大5時間、ケースを利用すると別途10時間使うことができる。僕の場合、1回のトレーニングが平均1.5時間で週に5回はジムに行っているので、週に1回充電すれば電池切れの心配をすることなく使い続けることができる。
充電は本体裏に用意されているMicro USBポートで行う。満充電は約2時間で完了する。また、万が一電池がなくなったとしても15分間の急速充電を行うことで最大45分間の音楽再生が可能になる。
実際にケースを開くとこのような状態になっている。左右のイヤピースを別々に収納する仕組みで、ケースとイヤピースはマグネットで張り付く。
開いた時のサイズ感はこの通り。マグネット式を利用し、ケースから取り出すとペアリング済みのiPhoneと自動的にペアリングし、音楽を再生中でもケースに戻すと自動的に音楽の再生を停止し、電源がオフになる機能が用意されている。「AirPods」に慣れているとこの機能があるだけで快適さが全く違う。
冒頭でケースやイヤホン本体が少々大きいと書いたが、この大きさゆえにイヤホンが掴みやすいというメリットがある。
無理矢理絞り出した理由であるように聞こえるかもしれないが、指先がかじかんでいたり乾燥していたりすると「AirPods」は驚くほど取りづらい。しかも指先で持たなければならないので落とす心配がある。
その点、「SoundSport Free」はしっかりと掴むことができる。かれこれ数ヶ月以上使っているが、未だに落とした経験がない。「AirPods」は数え切れないほどある。
また、ケースの大きさにも余裕があるため、軽く位置を合わせてイヤホンを入れるだけでマグネットが反応し、電源が切れて充電が開始される点も良い。
僕が使用している他の完全ワイヤレスイヤホンはケースの作りがシビアすぎるせいか、正確に置かないと充電されない場合がある。音楽を再生しようとしたらなかなか流れず、実は電源が切れずにそのままペアリングされていたままだった、ということは何度か他の機種ではあるが「SoundSport Free」は毎回確実に接続が切れる。素晴らしい。
さて、肝心なイヤホン本体はどうなのか。そして音はどうなのか。
左右のイヤピースにはそれぞれボタンが用意されているが、基本的に音楽操作で利用するのは右耳側。音量ボタンおよびマルチファンクションボタンが搭載され、音楽の再生・停止、曲飛ばし・曲戻しが利用可能。
完全ワイヤレスイヤホンという極めて小さい筐体にボタンを載せたことは素晴らしいが、操作しやすいとは言い難い。やはり耳と一体化している状態で操作するのはコツが必要。慣れれば意外とイケるが、僕は面倒なのでiPhoneまたはApple Watchから操作してしまうことが多い。
とは言え、完全ワイヤレスイヤホンでありながら音量操作も曲操作もできることは素晴らしい。さらにイヤピースのハウジングを内側に押し込むタイプのワイヤレスイヤホンではなく側面にボタンを用意したことにより、操作中に耳が痛くならない。
マイクも搭載されているため、突然の電話にも対応可能。マルチファンクションボタンの長押しでSiriも呼び出すこともできる。
イヤピースの裏側は充電端子。これらがケースにマグネットでくっつく仕組み。
付け心地は「SoundSport」とほとんど同じ。「StayHear+ Sportチップ」と呼ばれているウィング付きのイヤピースのお陰で耳の中にしっかりと固定され、長時間の使用でも快適さを保つことができる。
ただし、欠点がある。サイズが大きいことについて何度か触れているが、「SoundSport Free」の最大の欠点はサイズが大きすぎるため、耳に入れても耳の中に収まらず耳からはみ出てしまう、ということだ。
運動中に使用する分には全く問題ないが、僕のようにパーカーのフードを被るのが好きな人や付けたまま服を脱いだり着たりする人は要注意。出っ張っている分、必ず引っ掛かり抜け落ちる可能性が高い。
運動用だけではなく、夏場の普段使いとしても最適
肝心な「SoundSport Free」の音質だが、「SoundSport」と変わらないBoseサウンドが実現されている。低音がしっかり出ているのはもちろんのこと、様々なジャンルの音楽を聴いても不自然さは感じられず、音域の一部が削られているような印象もない。
ノイズキャンセリング機能などは搭載されていないが、音量を上げればある程度シャットアウトできるので困っていない。そもそも屋外でランニングするのであれば周囲の音も聞こえた方が安全なので、運動用イヤホンこそノイズキャンセリングはない方が良いのかもしれない。
接続も安定感が抜群。右耳を覆うとさすがに途切れてしまうが、これは完全ワイヤレスイヤホンの宿命。まだ技術的に乗り越えられていないようだが、右耳だけをカバーすることもないので特に問題なし。パーカーのフードをかぶったまましていても途切れることは全くない。
普段は運動用に使っているが、個人的には今夏、音楽を楽しむためのメインイヤホンとして使うのではないかと考えている。夏場は暑いのでヘッドホンは使う気になれないため必然的にイヤホンになるのだが、「SoundSport Free」は普段使いとしても十分に満足できる音質だ。
運動で使用後は定期的に拭くようにしていれば移動中も運動中もこれ1台で完結する。荷物も少なくなるので、良いこと尽くし!
価格は税別27,000円と少々高いかもしれないが、普段使いでも満足できる期待を裏切らないBoseサウンド、運動用でも使える防滴仕様とフィット感は「Bose SoundSport Free」ならでは。個人的には2018年買って良かった商品ランキングにランクインする間違いなし、と今から言えるほど気に入っている。
購入は下記からどうぞ!