Samsung Galaxy Z Fold7を手にしたら、iPhone 16 Proが”時代遅れ”に見えて泣いた

正直に言うと、僕は折りたたみスマホについて懐疑的だった。

Appleが折りたたみスマホを発表したら興味は持つだろうが、「そもそも折り畳めたらいいな」と思えるような使い方を普段からしていない。手元にあるiPad Proも、スマートホーム関連の操作やタスクリストを表示するためにしか使っておらず、「iPadとして」の本格的な使い方は未だにできていない状況だ。

そんな「僕、折りたたみスマホについて何も分からない」という複雑な思いを抱いたまま、目の前で見たSamsung Galaxy Z Fold7には感動せずにはいられなかった。第一印象は、とにかく薄い。あまりにも薄い。

Galaxy Z Fold7の驚異的な薄型化：数字で見る革新

思わず自分のiPhone 16 Proを取り出して比較してみた。おかしい。折りたたみスマホなのに、折り畳んでもiPhone 16 Proと持った印象が変わらない。

は？

数字で見ると、その驚きの理由がよく分かる。Galaxy Z Fold7の折りたたみ時の厚さはわずか8.9mm。これは前モデルのFold6（12.1mm）から約26%も薄型化されており、初代Foldと比較すると実に48%の削減だ。重量も約215gと、Fold6から24gも軽量化されている。

monographの堀口英剛さんが愛用しているGalaxy Z Fold6と比べさせてもらったが、やはりずっしりくる重さ（239g）で、「2枚のディスプレイを持つスマホを1つに繋げた」という感覚がある。しかしGalaxy Z Fold7は違う。まるで一般的なスマートフォンのような感覚なのだ。

協力：monographの堀口英剛さん

開いた瞬間、iPhone 16 Proが恥ずかしくなった

iPhone 16 Proは決して「激薄」だと感じたことはないが、その厚みに不満は持ったことがない。しかしGalaxy Z Fold7を開いてみると、次元が違う。

折り畳んでもこの厚さ

折り畳んでますよね……？

開くと意味不明なほど薄い

いやちょっとマジで待ってくれ、いくら何でも薄すぎる。オープン時の厚さはわずか4.2mm。iPhone 16 Proを持っているのが恥ずかしくなるレベルで薄い。折れないか心配になるレベルで薄い。

どんだけ薄いんだよ……

よくよく考えてみると、進化のレベルもとてつもない。初代モデルから最新モデルまで異常なスピードで進化している。

Galaxy史上最高解像度の2億画素カメラを搭載

Galaxy Z Fold7で特筆すべきは、2億画素のメインカメラだ。これは「S25 Ultra同様のGalaxy史上最高解像度」であり、前モデルのFold6（50MP）から画素数が4倍に向上している。

競合のGoogle Pixel 9 Pro Fold（48MP）と比較すると、その差は歴然だ。暗所での明るさも44%向上しており、カメラ機能も「妥協していない、むしろ本気だ」との姿勢と意気込みを感じる。

カメラ構成の詳細

• メインカメラ：200MP（Galaxy史上最高解像度）
• 超広角カメラ：50MP
• 望遠カメラ：10MP
• インカメラ（カバー側・フロント側）：各10MP

AI時代だからこそ見えてきた折りたたみスマホの価値

今回はあくまでもハンズオンという形でのファーストインプレッションだが、Android OSについては善し悪しを伝えられるほど精通していないため、必要以上の言及は避けておく。ただし、Gemini Liveとの統合力は、AIを日々ガツガツ使っている身からすれば正直羨ましかった。

Galaxy Z Fold7の「Ultra AI体験」では、Gemini Liveによる文章理解能力の向上、見ている画像についてAIエージェントと会話しながらの問題解決、One UI 8による最適化でコンテンツ作成やノート、要約などのマルチタスクが簡単になっている。そして折りたたみスマホだからこそ、片方の画面を見ながら別の作業を行うという、Mac/PCほどではないが「手元で行うマルチタスクの限界を広げる」ことができるデバイスであると感じた。

従来のOSであれば「ただの折り畳める大画面」だったが、AIと深く統合されたことによって、大画面を持ち運ぶ意味、その意義が正当化できるように感じた。AI時代こそ、折りたたみスマホの価値がグッと上がるのかもしれない。

競合他社を圧倒するスペックと携帯性

Galaxy Z Fold7がいかに優れているかは、競合製品との比較で明確になる。Google Pixel 9 Pro Foldと比較すると、メインカメラは200MP対48MPで4倍以上の高画素、厚さは8.9mm対10.5mmで1.6mm薄く、重量は215g対257gで42g軽い。

最新のSnapdragon 8 Elite for Galaxyを搭載し、12GBのRAM、最大1TBのストレージ、2,600nitの高輝度ディスプレイ（オープン時Sub 8.0インチ、クローズ時Sub 6.5インチ）、4,400mAhのバッテリーを備える。IPX8の防水性能とIP4Xの防塵性能により、日常使いでの安心感も高い。

「スマホのように使える折りたたみスマホ」がついに実現

まとめると、薄く軽くなったことで、外側のディスプレイで使っている時は「これまで通りのスマホ」としての違和感がなくなった。ちょっと縦長だが、操作に違和感がない。

しかし本体を開くと、劇的に広い画面が待ち受けている。本体を開いた分、さらに軽く感じる。そして信じられないほど薄い。スマートフォンでマルチタスクなんて邪道だ、と思っていた僕でさえも、これなら左側の画面を見ながら右側の画面で何かしたいかもしれない……と真剣に考えたくなる。

現実を叩きつける価格設定

真剣に考えたくなる僕に、現実を叩きつけてくれるのが価格。Samsungオンラインショップで取り扱うSIMフリーモデルの価格は、256GBが265,750円、512GBが283,750円、1TBが329,320円。

もう下手なMacBook Proよりも高価。アグレッシブな価格設定だが、「スマホのように折りたたみスマホを使いたい」という思いを持っていた人にとっては待望の進化と言えるのではないだろうか。

価格の高さを考慮すると、長期利用が前提となるが、Galaxy Z Fold7は7世代のOSアップグレード保証により、長期にわたって最新の機能とセキュリティを利用できる。Galaxy Z Fold7は、折りたたみスマホがついに「特殊なデバイス」から「普通に使えるスマホ」へと進化した記念すべきモデルかもしれない。

8.9mmという薄さ、215gという軽さ、2億画素カメラ、そしてAIとの深い統合。これらすべてが組み合わさることで、iPhone 16 Proユーザーの僕が、思わず「時代遅れ」だと感じてしまったのも、無理はないのかもしれない。