Appleの空間コンピューティング戦略:Vision Proの次は?検討されている5つの計画
低価格モデルからスマートグラスまで、Appleが描く未来のデバイス構想とは?
AppleのVision Proは、お世辞にもメインストリーム商品になったとは言えず、ヒット商品とはほど遠い。しかしMetaがOrionやQuest 3Sを発表するなどAR/VR業界は盛り上がっており、Appleは空間コンピューティング戦略の見直しが急務だ。
Appleに詳しいBloombergの名物記者Mark Gurman氏が、最新ニュースレターで、Appleが現在検討中の5つの計画について言及している。
低価格モデル・第2世代モデルの投入
1つ目の計画は、度々噂されている、ディスプレイ品質や素材などのコストを抑えたVision Proの低価格モデルの投入。また同時にVision Proの第2世代モデルの投入も検討中。現時点ではM5チップ搭載でApple Intelligenceに対応し、2025年後半に量産開始が噂されている。
iPhoneアクセサリ化
2つ目は、デバイス内のコンピューティング機能およびバッテリーを排除し、iPhoneと組み合わせて使う「iPhoneアクセサリ化」。ヘッドセットの重さを抑えることができ、製造コストが大幅に下がる。同時にiPhoneの価値を高めることに繋がるだろう。
AR無しのスマートグラス
3つ目は、AR機能を搭載しないスマートグラス。Ray-Ban Metaに近いイメージだ。
AR機能は対応しないたいめ高解像度ディスプレイは内蔵しないが、マイク、カメラ、スピーカーを搭載する。Appleがこれまで培ってきたチップとオーディオにおけるノウハウを注ぎ込み、AppleのAIツールと組み合わせることで、魅力的なデバイスになると期待できる。
カメラ付きAirPods
4つ目は、ヘッドセットやスマートグラスではなく、AirPodsの新製品が候補。3つ目の計画と似ているが、AirPodsにカメラを搭載することでメガネをかけずに周囲の情報を確認できる。
独立したスマートグラス
Orion
5つ目の計画であり、Appleのティム・クックCEOが当初より熱望しているのは、通常のメガネと同じ重さや厚みを実現しながらも、高性能レンズ、バッテリー、オンボードコンピューター、カメラ、アイトラッキングなどの最先端機能がすべて盛り込まれた製品だ。Appleにとって究極の理想型ではあるが、現時点での実現は難しい。
まとめ:Appleの空間コンピューティング戦略は模索中
AppleがVision Proを発売してから半年以上経った。Vision Proを買ってから使わなくなった人も一定数おり、空間コンピューティングを盛り上げるのであれば次の一手が必要であることは明白だ。
5つの計画のうち、スマートグラス以外で最もAppleらしいと感じたのはカメラ付きAirPodsだ。AirPodsは「Appleの顔」の1つであり、その延長戦上にAR関連機能を加える流れは自然だ。