Apple TV+、ついに「Apple TV」に改名。3つの「Apple TV」が共存する時代へ

12月12日配信開始の「F1: The Movie」発表と同時に明らかに。セットトップボックス、アプリ、ストリーミングサービスがすべて同じ名前に

Appleのストリーミングサービス「Apple TV+」が、シンプルに「Apple TV」へとブランド名を変更した。MacRumorsによると、ブラッド・ピット主演の映画「F1: The Movie」の配信開始日を発表したプレスリリースの中で、サービス名の変更が明らかになったという。

「活気ある新しいアイデンティティ」を掲げるリブランディング

プレスリリースの末尾には「Apple TV+は、活気ある新しいアイデンティティを持つシンプルな『Apple TV』になりました」との一文が記されている。ただし、執筆時点ではAppleの公式ウェブサイトにはまだ変更が反映されておらず、新しいアイデンティティの詳細は不明だ。

Apple TV+ is now simply Apple TV, with a vibrant new identity. Ahead of its global streaming debut on Apple TV, the film continues to be available for purchase on participating digital platforms, including the Apple TV app, Amazon Prime Video, Fandango at Home and more.

新しいサービス名は、12月12日(金)より全世界でストリーミング配信が開始される「F1: The Movie」の配信案内の中で初めて言及された。ジョセフ・コジンスキー監督、ジェリー・ブラッカイマー製作、F1レジェンドのルイス・ハミルトンがプロデューサーとして参加し、ブラッド・ピットが復活を目指すベテランドライバーを演じる本作は、世界興行収入6億2,900万ドルを記録。Apple Original Film史上最高の興行成績を収め、今年公開されたスポーツ映画の中でも最高の成績を残している。

混乱を招く可能性も

Appleは「Apple TV」の名称をすでに複数の製品で使用している。セットトップボックスのハードウェア製品として「Apple TV」、さまざまなプラットフォームで展開するコンテンツハブとして「Apple TVアプリ」が存在する中で、ストリーミングサービスまで同じ名前にすることで、ユーザーに混乱を招く恐れがある。

Here is a quick graphic to help you learn the new Apple TV naming scheme! pic.twitter.com/mjnnmZ4kko

— Aaron (@aaronp613) October 13, 2025

なぜこのタイミングで名称変更に踏み切ったのか、Appleからの明確な説明はない。「Apple TV」は現在、iPhone、iPad、Apple TV、Apple Vision Pro、Macのほか、Samsung、LG、Sony、VIZIO、TCLなどのスマートTV、Roku、Amazon Fire TVデバイス、Chromecast with Google TV、PlayStation、Xboxなど、100以上の国と地域で10億台以上のスクリーンで利用できる。月額12.99ドルで、新規登録者は7日間の無料トライアルが利用可能。新しいiPhone、iPad、Apple TV、Macを購入・アクティベートしたユーザーは、期間限定で3カ月間無料で利用できる。

3つの「Apple TV」が共存する時代へ

「Apple TV+」から「Apple TV」へのリブランディングは、シンプルな名称への変更である一方、既存の製品名との重複により、かえってユーザーに混乱を与える可能性がある。

特に、セットトップボックス、アプリ、ストリーミングサービスのすべてが「Apple TV」と呼ばれることになり、テクノロジーに詳しくないユーザーにとっては区別が難しくなるかもしれない。ただし、「F1: The Movie」の配信開始という明るい話題とともに発表されたこの変更が、サービスの認知度向上につながるかどうかは、今後の展開次第と言えるだろう。