「iOS 8」の正式リリースに向けてアプリデベロッパーが自分のアプリで対応するべき7つのこと
「iPhone 6」と「iWatch」が注目されている明日のスペシャルイベントだが、忘れてはならないのは「iOS 8」もそろそろ正式リリースされるということ。App Storeの仕様も変わることから、アプリデベロッパーは今のうちから準備しておいた方が良さそうだ。詳しくは以下の記事をどうぞ。
「Scanner Pro」や「Calendars 5」、「PDF Expert 5」などの「仕事効率化」系アプリでメガヒットを生み出し続けているReaddle社のマーケティングディレクター、Denys Zhadanovさんの個人ブログ「Tech and Inspiration」に「iOS 8」の正式リリースに向けてアプリデベロッパーが自分のアプリで対応するべき7つのことがまとめられていたので、紹介する!
1. 「iTunes Connect」の内容を更新せよ
ウィジェットなど「iOS 8」独自の新機能を追加したのであれば、「iTunes Connect」のアプリ説明文や変更点、スクリーンショットなどを更新した方が良い。特に「iOS 8」ならではの機能は誰もが使ってみたいもの。ユーザーがハッキリと分かるように明記した方が良い。
2. 魅力的なアプリの紹介を作成せよ
新しくなった「iTunes Connect」には「App Previews」と呼ばれる15秒〜30秒間のショートムービーを公開することが可能。アプリのUIをしっかりと表示することが条件。広告やプロモーション動画と受け取れるようなムービーは却下される模様。
参考に、Readdle社が「Scanner Pro」用に撮影した動画を載せておく。
3. 既存のユーザーを教育せよ
新規のダウンロード数も大事かもしれないが、それ以上に大事なのは既にダウンロードして日頃から自分のアプリを使ってくれている既存ユーザー。
既に使っているアプリが「iOS 8」の最新機能に対応したことはありとあらゆる手段で伝えるべきだ。スプラッシュスクリーンの追加、メール、ブログ、そしてソーシャルメディアによる発信。利用できるものはすべて利用した方が良いが、発信する内容と発信するターゲットを明確化しなければ単なる鬱陶しい広告になってしまう。その点は要注意だ。
Readdle社の例として「Calendars 5」は「iOS 8」で通知センター内からスケジュールを確認できるウィジェットを追加したとのこと。このことを既存ユーザーにはスプラッシュ画面の他、ブログやメールで知らせたそうだ。
【img via Tech and Inspiration】
4. 「App Bundles」を有効活用せよ
「iOS 8」からは複数のアプリを1つのセットにして安く販売する仕組み「App Bundles」が利用可能になっている。複数アプリを保有しているのであれば、これを利用しない手はない。アプリデベロッパーはより多くのアプリをダウンロードしてもらうことができ、ユーザーはアプリを安く手に入れることができる。どう考えてもWin-Winだ。
「App Bundles」に関する注意点は以下の通り:
- Bundleの価格はそのBundleに含まれるアプリの総額よりも安く設定される必要がある。大体総額の30%〜50%オフの価格で設定するのが基本。
- Bundleのアイコンはまとめたアプリのうち、最初の4つのアプリに使用されているアイコンが表示される
- Bundleの名前に「essential」「Collection」「Editor’s Choice」を使用することはできない
- Bundleに表示されるスクリーンショットは各アプリの最初の画像(スクリーンショットなど)もしくは動画(App Previewsなど)が表示される
- Appleの編集チームは今後Bundleのためのプロモーション企画を検討している可能性があるので、しっかりとガイドラインに沿ってBundleを作成するべし
- Bundleに登録されている最初のアプリがBundleのカテゴリを決定する
- Bundleに含まれているアプリをユーザーが持っている場合、「Complete Bundle(Bundleをすべて購入する)」という項目が用意されているため、ダウンロード数と売上に貢献する可能性がある
5. 「iTunes Connect」の解析機能を活用せよ
先日ついに正式公開された「iTunes Connect」には「App Storeのページにアクセスした人数」や「結果的にアプリをダウンロードした人数」、「アクティブユーザー数」などが取得可能になった。
アプリデベロッパーとしてこれらを活用しない手はない。設定したスクリーンショットやショートムービー、説明文などが効果的なのかどうかを知ることができる。さらに、アプリへの流入元も分かるので、アプリのダウンロード数を伸ばしたいのであればこれらのデータを活用する方法を学ぶか、分かる人に頼むことを検討した方が良い。
6. プレスリリースをメディアに配信せよ
ジャーナリストもメディアも尖った情報は大歓迎だ。特に「iOS 8」に向けて間違いなくユーザーに喜ばれるような機能を実装したのであれば、自社メディアやソーシャル・ネットワーク以外にもメディア宛にプレスリリースを送ることを検討した方が良い。気持ちが伝われば取り上げてもらえる確率も上がるはず。
これは冒頭の「iTunes Connect」と同じように「iOS 8」の機能にフォーカスしたショートムービーを作成すると非常に効果的。成功事例として「1Password」のショートムービーが挙げられている。
なお、gori.me宛にお問い合わせがある場合はこちらからどうぞ!
7. Appleに打診せよ
良いアプリはAppleにとってもユーザーにとっても非常に重要。もし自分のアプリがユーザーにとって魅力的なユーザーエクスペリエンスを提供していると自信を持って言えるのであれば、Appleに直接そのことを伝えるのも手段だ。Appleはアプリがユーザーにどのような価値を提供することができるのかを気にしている。
「iOS 8」の正式リリースに向けてアプリデベロッパーが自分のアプリで対応するべき7つのことは以上。次期バージョンでは今まで脱獄でもしない限り利用できなかったような機能が次々と解放されていると同時に「iTunes Connect」やApp Storeなど幅広い範囲において変更が見られる。
リリースしてからでは遅い。「まずは様子見」なんて言っている場合ではない。やるべきこと、取るべき対策は既に明らかになっている。あとはやるだけ。変化はチャンス。このタイミングに乗り遅れることがないよう、上記7項目はリリース前から着手しておくべし!
「iOS 8」に関する最新情報は以下からどうぞ!
(via Tech and Inspiration)