話題の”トゲトゲマット”、鍼灸院の代わりなるのか？→「シャクティ」試してみた結果

インド発「シャクティ」は鍼灸の代わりになるのか？首の痛みが20分で軽減された体験レビュー

長年通っていた鍼灸院が突然閉院してしまった。月に2回、ジムでのハードなトレーニング後に必ず施術してもらっていただけに、その喪失感は想像以上に大きかった。デスクワークによる姿勢の歪み、トレーニングによる疲労蓄積——これらを一手に引き受けてくれていた先生が、別事業へのチャレンジのため鍼灸院をクローズすることになったのだ。

他の鍼灸院も紹介してもらったが、定期的に通うことを考えると現実的ではない。結局、セルフケアを頑張るしかないという結論に至った。

友人が勧めてくれた「シャクティ」との出会い

そんな話を大学時代の友人にしたところ、シャクティというインド発の鍼と指圧を融合したマットを勧められた。もともと鍼との相性が非常に良く、施術でも高い効果を実感していたため、高価なアイテムではあったが思い切って購入することにした。枕と合わせて約25,000円弱。毎月の施術費用をここに投資していると考えれば、決して高くはないと判断した。

購入したのはShakti Japan公式のマットと枕のセット。シャクティには偽物も大量に出回っているらしく、本物の効果を体感するためには公式から購入することが重要だと友人からアドバイスを受けていた。

シャクティとは？ニュージーランド発のウェルネスブランド

シャクティの物語は2014年、ニュージーランド出身の親友2人——GeorgeとJon——がタイで休暇を過ごしていた時に始まった。本来は1人が法学の勉強に戻り、もう1人が香港の銀行でインターンを始める前の束の間の休息だったが、「現代の鍼のベッド」と出会い、その発明者との出会いが2人の人生を変える出来事となった。

鍼と指圧の力とシャクティマットの持つ可能性に気づいた2人は、単なるリラックス製品の枠を超え、人々の健康を回復するためのビジネスを立ち上げることを決意。2022年には日本展開がスタートし、ニュージーランド出身で東京在住のJasonと、湘南を拠点とするヨガ実践者Yucaが「Shakti Japan」を立ち上げた。

インドの女性職人による手作り、社会貢献も

シャクティマットの特徴は、その製造方法にもある。インドの女性職人たちによって、1つ1つ手作りされており、Shaktiは彼女たちの生活を支える十分な賃金だけでなく、家族への医療支援や子どもたちの教育資金をサポートしている。素材にはオーガニックコットンのみを使用し、肌に優しく環境にも配慮した設計となっている。

シャクティマットに身を委ねる時、そのマットがあなたの心と体を癒すだけでなく、遠くインドの職人たちの生活や夢にもつながっている。「ビジネスを通じて良い影響を与えること」——これがShaktiの信念だ。

実際に使ってみた：率直な感想と効果

最初は「本当に寝て大丈夫？」と不安だった

商品が届いた時、あまりにもトゲトゲしていて正直怖かった。「これ本当に効くのか？」「背中が真っ赤になって激痛なんてオチじゃないだろうな？」——そんな不安が頭をよぎる。単体でトゲ部分を押してみると、かなり尖っていて「本当にこの上に寝て大丈夫なの！？」と怖くなってしまった。

どれほど尖っているかって？是非間近で見てほしい。

ここに背中が載るのだ。

試しに手のひらを押しつけてみる。時間にして10秒もしない程度だ。

すると、こうなる。これが背中全体に刺さる、というわけだ。

しかしエイヤで寝転がってみると、意外と痛くない。ポイントは体の力を抜くこと。すると徐々に「心地良い痛み」になり、気づいたら「痛気持ち良い」に変わってくる。

3つの強度レベルから選べる設計

シャクティマットには3つの強度レベルが用意されている。スパイクの数が少ないほど、体重が集中するため刺激が強くなる仕組みだ。

ライト（イエロー）：スパイク数8,000個。痛みに敏感な方、または軽い指圧体験を求める方向け【レベル1】
オリジナル（ブラック、グリーン、オレンジ、ピンク）：スパイク数6,000個。スタンダードタイプで、迷ったらこれがおすすめ【レベル2】
アドバンス（インディゴ）：スパイク数4,000個。強めの痛みが好きな方、深層組織マッサージを楽しみたい方、オリジナルマットを6カ月以上使用している方向け【レベル3】

iPhone 17 Proと比較したサイズ感

僕が購入したのは最も刺激が強いアドバンス（レベル3）。どうせ買うなら効果が高いほうがいいに決まっていると自分に言い聞かせて選んだが、これが正解だった。

首の痛みが20分で軽減された驚きの体験

先日、首の裏が非常に痛くなった日があった。本来であれば鍼灸院に駆け込むところだが、それができない今、シャクティに頼るしかないと思い、上裸になってマットと枕の上で20分間ほど横になった。寒い時期だったため、ベッドの上にマットを敷いて、その上からブランケットをかぶって寒さ対策をした。

20分後、驚いたことに首の痛みが明らかに軽減されていた。これには本当に驚いた。正直、期待していたよりもはるかに効果があった。

使用時のコツと感覚の変化

寝た直後はかなり痛みを感じる。「痛いなぁ」という感じだ。しかし徐々にその痛みが引いてきて、気づいたら（ブランケットをかぶっていることもあって）寝てしまっていることもある。起き上がる時はどうしても痛みを感じるが、起き上がった後は驚くほどスッキリしている。

「刺さってる刺さってる……」と緊張してしまう人には向かないかもしれない。僕は思い切って体の力を抜いてだらーっとした瞬間から、痛気持ち良いに変わった。

僕は鍼灸院で施術してもらう時、よく背中や首の裏、後頭部あたりを施術してもらうことが多かった。シャクティマットもほとんど同じような位置にトゲトゲが当たるため、鍼灸院と同じような効果が得られているのかもしれない。

期待される効果：深い睡眠、痛みの緩和、ストレス解消

シャクティマットは、数千のスパイクによる刺激で筋肉の緊張や疲労物質を除去し、血液・リンパの流れを促進する仕組みだ。わずか20分で心と体をリセットでき、以下のような効果が期待できる。

深い睡眠のサポート
コリや痛みの緩和
ストレス解消
血行促進
頭痛の緩和
筋肉のけがの回復サポート

指圧は5,000年以上前から伝わる古代の治療法だ。鍼治療と密接な関係があり、体の経絡に沿ったツボを刺激することで効果を発揮する。冷水浴や深部組織マッサージと同じように、あえて不快感を受け入れることで、緊張を解放し、これまでのリラックスの概念を変える力がある。

正直に言うと、使用頻度は想定より低い

買って良かったと心から思っているが、正直に話すと思っているほどの頻度では使えていない。特に今の時期は寒いため、上裸もしくはTシャツ1枚程度で利用する必要があり、使用するハードルが若干高いと感じてしまう。しかしいざ使ってみると、鍼との相性が抜群の僕にとっては最高の回復をもたらしてくれると確信している。

もちろん鍼灸院に行けるのであれば、行ったほうがいいと思うし、行けるなら僕も行きたい。しかし現状、定期的に通える鍼灸院がない今、このシャクティシリーズは間違いなく買ってよかったアイテムだ。