【レビュー】「LG 5K UltraFine Display」はMacBook Pro(2016)との相性抜群!「5K」は偉大だった
「MacBook Pro(2016)」、さらに言えば15インチモデルとベストマッチとも言える、現状ではApple純正に限りなく近いと言える外付けディスプレイ「LG UltraFine 5K Display」がようやく僕の自宅にも届いた。
「USB-C/Thunderbolt 3」による接続に限定され、2017年1月現在、ディスプレイとしての性能をフルに活かすためにはMacBook Proの2016年モデルを使う他ない。
15インチ型MacBook Pro(2016)を買った僕には買う以外の選択肢のなかったこの外付けディスプレイ。実際に組み合わせた時の使い勝手や各種設定、ディスプレイとしての性能などについてまとめたので、「LG 5K UltraFine Display」の購入を検討している人は参考にどうぞ!
組み立ての作業無し!ケーブルを繋げれば使え始められる!
「LG 5K UltraFine Display」は27インチ型のIPSディスプレイ。技術仕様は下記の通り:
- 表示サイズ : IPSテクノロジー搭載27インチ(対角)5Kディスプレイモデル
- 解像度 : 5,120 x 2,880ピクセル解像度、218ppi、数十億色以上対応
- 輝度 : 500 cd/m²
- 色域 : P3の広色域
- ポート : Thunderbolt 3(入力)x 1、USB-C(USB 3.1 Gen 1、5Gbps)x 3
- Power Delivery機能 : Thunderbolt 3経由で最大85Wの電力供給と充電
- カメラタイプ : 内蔵カメラ
- スピーカー構成 : ステレオ(5W+5W)
- 電源 : 内蔵電源
- 高さ : 46.4 cm
- 幅 : 62.6 cm
- 奥行 : 23.9 cm(スタンド設置時)、5.4 cm(スタンドなし)
- 重量 : 8.5 kg
- 応答速度 : 14ms(GTG)
- コントラスト比 : 1,200:1
- 視野角(水平 / 垂直) : 178度 / 178度
- LG Screen Manager : 対応
自宅に届いた箱が巨大すぎて笑った。手前にあるのがiPhone 7 Plus。
箱を開けてみるとそこには「LG 5K UltraFine Display」の文字が。ついに来たか……。
冷凍食品が入っていそうなパッケージに覆われた「LG 5K UltraFine Display」本体と電源やケーブルなどの付属品が入った箱。用意されているのはこれだけ。
箱の中には「Thunderbolt 3」ケーブルと電源ケーブル、そしてVESAマウント用のカバーが用意されている。
「LG 5K UltraFine Display」の本体をチェック
さて、早速本体をチェックしよう!一般的な外部ディスプレイとは異なる仕様がいくつかあるので、順に紹介しておく。
「ENERGY STAR」のシール。省エネルギー型電気製品であることを認定するラベリング。何もディスプレイそのものに貼らなくてもいい気がするのは僕だけだろうか。
Apple製品に限らず、世の中はディスプレイを搭載するデバイスのベゼルを極力減らす方向に向かっている。ところが、「LG 5K UltraFine Display」は時代と逆行し、極太ベゼルを本体上部に採用。理由はこの中央にあるFaceTimeカメラを搭載しているから。Mac同様、起動すると緑色のLEDが点灯し、カメラが起動していることを知らせてくれる。
上部のベゼルはカメラの関係で特に太いが、左右と下のベゼルは一般的なディスプレイと同程度。特別太くも細くもなく、僕の持っている「PB287Q」や「P2415Q」とほとんど変わらない。下のベゼルにはLGのロゴが書かれている。
ベゼルはプラスチック製だが、マットな質感でありながらも程良いツヤ感がある。僕の持っている他のディスプレイと比べてプラスチックのキメが細かく、ゴワゴワしていない。指紋も目立たない。
スタンドの裏側にはLGのロゴ。写真では少し見づらいが、四隅に薄い
スピーカーの音は思っていたほど悪くなかったが、僕がデスクトップスピーカーとして使用している「Bose Companion 20」と比較して低音が弱く、スピーカーそのものも下を向いているせいでこもって聞こえる。音にこだわるのであればしっかりとしたスピーカーを買ったほうが良さそうだ。
「LG 5K UltraFine Display」のスタンドを外してVESAマウントに切り替えるのは驚くほど簡単。ディスプレイを平らな面の上に置き、下記写真にあるボタンを左に押し込みながらスタンドを取り外し、VESAカバーを取り付けるだけ。後述するが、僕は「エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム」に取り付けている。
カバーの左側にはMac本体と接続するための「Thunderbolt 3」ポートが1つと、USB-C(5Gbps)出力ポートが3つ用意されている。今のところこれらの3つのポートは活用していないが、ディスプレイを接続する度に認識されるので、ポータブルSSDを取り付けてディスク容量を増やしたり、ケーブルを接続してiPhoneなどを同期できるようにするのも良さそうだ。
4Kディスプレイと比較ーーピクセルの細かさに驚愕
僕はこれまで4Kディスプレイしか使ったことがないのだが、5Kディスプレイは見て分かるほどの差はあるのだろうか。わざわざMacBook Proのグラフィックを酷使して5Kディスプレイを2枚出力するより4Kディスプレイを2枚出力した方が良いのではないか。そう思っていた時期もあった。
5Kディスプレイ買ったけど、27インチぐらいにお4Kディスプレイを2枚並べて使った方が幸せになれるんじゃないかって最近思ってきた。気のせいかな??5Kはやっぱりすごいのかな??
— g.O.R.i(gori.meの中の人) (@planetofgori) January 4, 2017
実際に届いて文字を見ていると確かに物凄くパリッとしている。顔をディスプレイの目の前に近づけてもピクセルがまるで見えない。文字はクッキリ、写真はパリッとしていて何もかもが美しい。
そして、確かに4Kディスプレイと比較してもその差は明白だった。やはり5Kディスプレイは偉大だった。
僕の手元にはASUS製の4Kディスプレイ「PB287Q」がある。ディスプレイサイズが比較的近いということで、同じ解像度で見比べてみた。
左(Before)が「PB287Q」、右(After)が「LG 5K UltraFine Display」。5Kディスプレイの方が文字がバリっとしていることが分かるだろうか。
こちらはシステム環境設定でそれぞれ最高解像度に設定した状態でSafariのメニューバーを撮影したもの。輝度の差があるので少し分かりづらいが、やはり「LG 5K UltraFine Display」の方が文字がパリッとしていることは間違いない。
「LG 5K UltraFine Display」は買いか?使用感まとめ
ディスプレイの美しさや発色の良さは4Kディスプレイとも比較して明確な差があることが分かったが、「LG 5K UltraFine Display」のディスプレイとしての価値や魅力はどうなのか。最後に使い勝手や使用感をまとめておく!
接続するだけで起動するのは便利
「LG 5K UltraFine Display」には物理ボタンが一切存在しない。電源ボタンさえもないのだ。
MacBook Proを接続すれば画面が点灯し、接続解除されれば画面が消える。MacBook Proを閉じれば瞬時にクラムシェルモードに切り替わり、開けばデュアルディスプレイに切り替わる。
外部ディスプレイと言うよりはMacBook Proのディスプレイを拡張したような存在だろうか。相性が抜群すぎてまるで兄弟のようだ。
この仕様から、ディスプレイの輝度はシステム環境設定の中から変更する仕組みになっている。賛否両論ありそうだが、個人的にはこのやり方は嫌いではない。
「Thunderbolt 3」ケーブル1本で充電も出力もできるスマートさ
何と言ってもこの手軽さは最高だ。同梱されているちょっと長すぎる「Thunderbolt 3」ケーブルを本体に挿すだけで充電が開始され、画面が点灯する。もちろん、15インチ型MacBook Proをフルスピードで充電できる85Wの出力にも対応。
スピーカーの音質:思っていたほど悪くないがこもり気味
前述の通り、スピーカーの音質は予想以上の音質ではあったものの、過度な期待は禁物。音にこだわるのであれば別途スピーカーを繋げた方が幸せになれるはず。
内臓マイクとFaceTimeカメラは必要な時に便利
Appleの息がかかっているせいなのか、FaceTimeカメラがディスプレイ上部の極太ベゼルに内蔵されている。マイクも内蔵されているため、ビデオ会議や音声会議をクラムシェルモードでも利用することができる。
MacBook Pro(2016)以外のMacで使用する方法
「LG UltraFine 5K Display」のシステム要件によると、「LG UltraFine 5K Display」はMacBook Proの2016年モデル以外のMacも利用できる。
ただし、Macとの接続方法が「Thunderbolt 3」に限定されるため、「Apple Thunderbolt 3(USB-C)- Thunderbolt 2アダプタ」と「USB-C充電ケーブル」が必須。これらを組み合わせることによって最大4K(3840 x 2160)@ 60Hzで出力することが可能となっている。
出力可能な解像度 | 対応Mac |
---|---|
5120 x 2880 @ 60Hz | MacBook Pro (15-inch, 2016) MacBook Pro (13-inch, 2016, Four Thunderbolt 3 Ports) MacBook Pro (13-inch, 2016, Two Thunderbolt 3 Ports) |
3840 x 2160 @ 60Hz | Mac Pro (Late 2013) MacBook Pro (Retina, 15-inch, Mid 2014) 以降のMac MacBook Pro (Retina, 13-inch, Early 2014) 以降のMac iMac (Retina, 27-inch, Late 2014)以降のMac iMac (Retina, 21.5-inch, Late 2015) iMac (21.5-inch, Late 2015) MacBook Air (13-inch, Early 2015) MacBook Air (11-inch, Early 2015) |
3200 x 1800 @ 60Hz | Mac mini (Late 2014) |
システム要件に関しては下記記事を参考にどうぞ!
まとめ
結局のところ「LG 5K UltraFine Display」は買うべきなのか。
僕個人としては「買い」と言わざるを得ない。文字を見ている時間が圧倒的に長いという仕事柄、文字がクッキリと映ることは目に対する負担軽減にもなり、「LG 5K UltraFine Display」の方が快適だ。
5,120 x 2,880ピクセルという解像度の魅力は、Thunderboltディスプレイと同じ2,560 x 1,440ピクセルをRetina表示で堪能することができるということ。最もクッキリ表示されるのは標準設定の「2,560 x 1,440」だが、解像度を調整して「2,880 x 1,620」「3,200 x 1,800」にすることもできる。解像度を上げても十分快適に使うことができる。
「LG 5K UltraFine Display」は2017年3月末まで通常価格の25%オフに当たる税別97,300円で購入することができる。10万円のディスプレイを買うと言うのは相当な覚悟が必要だが、参考にDELLの5Kディスプレイ「UP2715K」は同じく27インチで価格は税込み193,914円(記事執筆時点)。「Thunderbolt 3」ポートを搭載していないので「DisplayPort1.2」を2つ同時に使用して2本のケーブルをコンピューターから出力する必要がある。そう考えると「LG 5K UltraFine Display」は物凄く安くてスマートだ。
MacBook Pro(2016)をデスクトップ代わりに使いたい人には強くオススメする!
「LG 5K UltraFine Display」を使用したセットアップ例
余談ではあるが、僕がこの数日間試してみた「LG 5K UltraFine Display」のセットアップ例を紹介しておく!
24インチ型4Kディスプレイとデュアルディスプレイ環境
こちらは左側に「LG 5K UltraFine Display」、右側に「P2415Q」を配置した例。横向きに配置すると左右の視線の移動が多すぎるような印象があったが、ディスプレイとの距離が十分にあり、への字型に配置すれば割と快適であることが判明。
ただし、僕の机はそれほど奥行きがない。そこで「エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム」を使用し、机の端ギリギリに設置。遠すぎると文字が見づらくなるので、この距離感は今のところベスト。
まるでコックピット!4K+5K+4Kのトリプルディスプレイ環境
上記を設定後、さらに欲がでてきてしまい3枚目のディスプレイを配置し、5Kディスプレイを4Kディスプレイ2枚で挟むという夢のようなセットアップに。
今はこの環境に少し手を加えた状態で作業をしているが、これは僕にとって驚くほど快適。見た目の美しさという点では左右のディスプレイが同じ大きさで同じメーカーである方が理想的ではあるが、作業をする上では特に不満はないのでしばらくはこのままにしたいと思う。
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