【レビュー】12インチ型MacBookの2016年モデルは仕事で”使える”のか?

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僕のメインマシーンは15インチ型「MacBook Pro Retina」だが、やはり時と場合によっては15インチを持ち運べない時もある。

そこで活躍するのが12インチ型MacBook。実は発売後にちゃっかり2016年モデルの最上位モデルを購入し、かれこれ数週間使ってる。この記事も12インチ型MacBookで書いている。

購入したマシーンのスペックは下記の通り。2015年に購入したモデルと全く同じ構成だ。

  • 1.3GHzデュアルコア
  • Intel Core m7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大Intel Core m7プロセッサ)
  • 256GB PCIeベースオンボードフラッシュストレージ
  • 8GBメモリ
  • Intel HD Graphics 515

軽くてコンパクトーー多くの人がノート型Macに求める要素の1つだと思うが、昨年モデルから乗り換えて実際のところワークマシーンとして”使える”のだろうか。

2016年モデルの性能や使い勝手などを2015年モデルと比較しつつ、僕の出した結論について述べておく!

2016年モデルと2015年モデルを比較

スペック・仕様を比較

過去に記事として紹介しているが、紙面上のスペックや仕様を比較した表を載せておく。

新モデル 旧モデル
ディスプレイ 12インチ / 2,304 x 1,440ピクセル / 226ppi
CPU 256GB:1.1GHzデュアルコア Intel Core m3 / Turbo Boost使用時最大2.2GHz / 4MB共有L3キャッシュ
512GB:1.2GHzデュアルコア Intel Core m5 / Turbo Boost使用時最大2.7GHz / 4MB共有L3キャッシュ
256GB:1.1GHzデュアルコア Intel Core M / Turbo Boost使用時最大2.4GHz / 4MB共有L3キャッシュ
512GB:1.2GHzデュアルコア Intel Core M / Turbo Boost使用時最大2.6GHz / 4MB共有L3キャッシュ
CPU(オプション) 1.3GHzデュアルコアIntel Core m7 / Turbo Boost使用時最大3.1GHz / 4MB L3キャッシュ 1.3GHzデュアルコアIntel Core M / Turbo Boost使用時最大2.9GHz / 4MB共有L3キャッシュ
RAM 8GB 1,866MHz LPDDR3オンボードメモリ 8GB 1,600MHz LPDDR3オンボードメモリ
グラフィック Intel HD Graphics 515 Intel HD Graphics 5300
ストレージ PCIeベースオンボードフラッシュストレージ PCIeベースオンボードフラッシュストレージ
電池持ち 最大10時間のワイヤレスインターネット閲覧
最大11時間のiTunesムービー再生
最大30日のスタンバイ時間
最大9時間のワイヤレスインターネット閲覧
最大10時間のiTunesムービー再生
最大30日のスタンバイ時間
内蔵バッテリー 41.4Whリチウムポリマーバッテリー 39.7Whリチウムポリマーバッテリー
ポート 「Type-C」USBポート
高さ 0.35〜1.31cm
28.05cm
奥行き 19.65cm
重量 0.92kg

特筆するべきポイントをまとめると以下の通り:

  • 新しいCPUが搭載され、性能が上がった
  • RAMの性能が上がった(RAMの容量は同じ8GB)
  • グラフィックチップが変わり、性能が上がった
  • 電池持ちが1時間伸びた

要は、性能が向上して電池持ちが良くなったのだ。昨年から劇的な進化ではないとは言え、堅実で重要な進化だ。

なお、今回僕が購入した「1.3GHz Core m7」モデルに関しては2015年発売の13インチ型「MacBook Air(2.2GHz Core i7)」に迫る性能を持つことが明らかになってる。

ベンチマークテスト結果を比較

続いてベンチマークテスト結果を比較しておく。まずはCPU性能を比較する「GeekBench 3」における測定結果をどうぞ。

こちらが2016年モデル。シングルコアで「3076」、マルチコアスコアで「6608」という結果になった。
Geekbench3 MacBook2016

こちらが2015年モデル。シングルコアで「2429」、マルチコアスコアで「5103」。2016年モデルの方がシングルコアスコアで26%、マルチコアスコアで29%も向上していることが分かる。もちろん、OSのバージョンが若干異なることによる差異はあるかもしれないが、それにしても大きく改善されている。
MacBook 12インチのベンチマークスコア

次にSSDの性能を測定する「BlackMagic Disk Speed Test」の測定結果を載せておく。

2016年モデルの書き込み速度は661.4MB/s、読み込み速度は936.0MB/s。
BlackMagic MacBook 2016

一方、2015年モデルの書き込み速度は440.0MB/s、読み込み速度は773.4MB/s。新旧モデルの性能差は圧倒的だ。
MacBook 12インチのベンチマークスコア

実際に並べて使ってみて感じた性能差

気になるのは奮発して2016年モデルを購入するべきなのか、それとも安くなった2015年モデルを購入するべきなのか。

全てのアプリで横並びで比較することはできなかったが、明確に違いがあったことを確認できたのはアプリの起動速度。同じアプリを同じ状態で同時に起動すると2015年モデルの方が2016年モデルよりもワンテンポ遅く起動する。

特に違いを実感しているのはランチャーアプリ「Alfred」の起動速度。キーボードショートカットを叩いても瞬時に表示されなかった2015年モデルに対し、2016年モデルは瞬時に表示される。僕のMacライフは「Alfred」に大きく依存しているので、このスピードアップは大変ありがたい。

普段記事を書いていて体感できるほどの劇的な性能差はそれほどないが、それでも複数のアプリを行き来する際に感じていたもたつきのようなものは以前に比べて減っていることは間違いない。

PNGファイルを圧縮するとMac全体が異常なまでに重くなっていた減少は2015年モデルで起きていたが、2016年モデルは概ね解消されている。これは非常に助かる。

もちろん、RAMの性能が向上したとはいえ、8GBであることには変わりない。よって、複数のアプリを同時に起動することによって快適さは徐々に失われてしまうが、それでも2015年モデルと比較して快適度はアップ。以前はMacの動作が重くならないよう、様子を見ながら作業をしていたが、今は特に気にせずに使うことができている。

結論として、2016年モデルは2015年から確かにパワーアップしていると言えるだろう。グラフィック性能に高負荷が掛かるような作業ではない限り、新型MacBookは十分なパフォーマンスを発揮してくれるだろう。

パワーアップしたMacBookの2016年モデルの魅力

ここからは実際に使ってみて分かった新型MacBookの魅力について、正義感溢れる勢いで紹介する。

1. 軽くてコンパクトは正義!特に暑い季節は正義!

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軽くてコンパクトは正義だ。これは間違いない。

特に今の季節だと外気温が30度を超えることも少なくなり、荷物が重ければ重いほど背負っている巨大バックパックに背中が蒸れてしまい、汗だくになる。一眼レフカメラなんて持ち歩いた日には悲劇そのものだ。

もちろん、必要なときは15インチ型「MacBook Pro Retina」を持ち出すことも辞さないが、軽い作業がメインの日もしくはメモを取る程度の作業しかしない日は12インチ型MacBookが最強。狭いテーブルやカウンターなど限られたスペースでも安定して置くことができるコンパクトさが役立つことは意外と多い。

2. 電池が持つ!とにかく持つ!電池持ちは正義!

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12インチ型MacBookの電池は持つ。確かに持つ。厳密な測定はしていないが、とある1日の使い方を記録してみた結果が以下。

時間 作業内容 電池持ち
9時03分 使用開始 100%
11時37分 記事を4本作成、公開 55%
12時26分 記事を3本追加で作成、下書き保存 39%
21時20分 4KディスプレイにUSB-C経由で出力 32%
23時25分 4Kディスプレイに接続して使用中 11%

上記メモはとにかくざっくりメモっていただけで正確な使用時間は分からないが、朝から使用して夜まで充電することなく持たせることができたのは特筆するべきポイントだ。

さすがにディスプレイに出力すると相当なパワーを必要とするため電池は減ってしまうが、1日中出ずっぱりという人にとって電池残量をそれほど気にすることなく使い続けることができるのは素晴らしい。

外回りをするサラリーマンなどはもちろんのこと、いちいちコンセントを探してられないという学生の皆さんには良いマシーンかもしれない。

3. モバイルバッテリーで充電できるのは正義!

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電池持ちが長いことだけがMacBookの魅力ではない。USB-C経由でモバイルバッテリーから充電することができることは意外と便利なのだ。

便利な理由は2つ。1つはいざという時に普段スマホ用に使用しているモバイルバッテリーでMac本体を充電することができること(※対応モバイルバッテリーのみ)。

もう1つは旅先などで充電アダプターを別途持っていく必要がなく、対応するUSB急速充電器で充電することができるということ。僕の場合、自宅では「Anker PowerPort+ 5 USB-C」を使用してMacBook、iPad、iPhoneを全て1つの充電器から充電することができている。

使い方によっては一度も充電することなく1日を乗り越えることができることもできる12インチ型MacBookだが、万が一充電が切れてしまった場合でもモバイルバッテリーで充電できる。これだけで安心感がある。

4. ペタペタキーボードは優しく打てば快適!広いキーは正義!

2016 MacBook 1.3GHz

“ペタペタキーボード”ことバタフライ式キーボードはキータッチが非常に浅く、バシバシキーボードを叩く身としては打てば打つほど指が疲れる。ここ最近までこれに対する不満は大きかったのだが、単純に優しくタイピングすることに慣れれば問題はないということに気が付き、解決。いずれ全てのMacBookシリーズがこれに切り替わることを考えると今のうちに慣れておいた方が良いだろう。

キータッチが浅いのは慣れが必要だが、キーが広いのはとても良い。指がキーの中に収まるのが心地良い。これも慣れが必要だが、キーが広くなった分、慣れるとミスタイプが減りそうな気はしている。

5. ウェッジ型のボディがあまりにも美しい!美しいは正義!

2016 MacBook 1.3GHz

15インチ型「MacBook Pro Retia」を見てから12インチ型MacBookを見ると、やはり圧倒的に後者の方が美しい。スタバのカウンター席でドヤ顔している人が使っているMacが大抵「MacBook Air」であるのはどのMacよりも格好良いからに違いない!きっとこれからは12インチ型MacBookユーザーも増えるだろう。

冗談を抜きにしても、12インチ型MacBookは本当に格好良いと思う。特に特徴であるウェッジ型は横から見た時の美しさが際立つ。ただでさえ薄いのに、ディスプレイの先端に向かってさらに薄くなる。ビューティフォー。

他にもRetinaディスプレイの美しさ、ファンレスの静かさ、スピーカーの音の良さなどに関しては以前のレビューの通りなので割愛しておく。

続いて12インチ型MacBookを購入する上で把握しておくべき不便な点についても述べておく。

新モデルでもMacBookの不便なポイント3つ

1. ポート1つの弊害ーー外部機器に複数接続する人はやっぱり不便

2016 MacBook 1.3GHz

良くも悪くもUSB-Cポートが1つの12インチ型MacBook。MacBook単体で使用する人にとっては全く問題はなく、僕自身サブデバイスとして活用しているので困ったことはないが、メインデバイスとして使用することを想定した時にやはりUSB-Cポート1つはどう考えて物足りない

外部ディスプレイや有線ケーブル、バックアップ用の外付けHDDなど様々な周辺機器を接続したい人にとっては外部接続用のポート1つというのはあまりにも不便すぎる。

2. 十分なパワーはあるが、当然、重い作業は少し待たされる

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冒頭で紹介した通り2016年モデルは2015年にモデルに比べて性能が飛躍的に向上している。よって多くの作業がより快適になったことは間違いないのだが、それでもやはり高負荷な作業はもたつきを感じるシーンもあった

例えば写真編集ソフトを使っている時。僕は開発終了した「Aperture」を未だに使っているのだが、15インチ型「MacBook Pro Retina」には全くない引っ掛かりが12インチ型MacBookでは頻繁に起きていた。

よって、出先で画像編集をする可能性がある場合は12インチ型MacBookは持ち歩かないと決めている。数枚の簡単な編集なら我慢できるかもしれないが、10枚以上現像し編集するのであればさすがにしんどい。

動画編集に関しては僕自身ほとんど試していないが、「Final Cut Pro X」は比較的快適に動作するようだ。残念ながら「Adobe Premiere」に関してはうんともすんとも言わない。

下記、参考になりそうな動画を2本ほど載せておく。


画像編集ソフトについてはここでもAdobeではなく「Affinity Designer」を使用している僕だが、僕が行う作業程度では軽すぎて12インチ型MacBookでも何ら問題なく動作する。

3. 画面が狭いことは割り切って使用する必要がある

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拡張性不足、パワー不足、そして3つ目として挙げなければならないのはやはり画面の狭さ。

12インチというディスプレイサイズを分かった上で購入する人が大多数なのでほとんどの人にとって不便だと感じるポイントではないかもしれないが、15インチディスプレイを携帯していた僕としては12インチというディスプレイが狭すぎるように感じることも多々あった。

1つはコーディングをしている時。ブラウザ、インスペクタ、エディタを同時に表示したい僕としては12インチは少々窮屈だ。

他にも写真や動画の編集をしている時。写真はなんとかなるが、動画は画面が大きければ大きい方が快適に作業できるため、12インチでは物足りなさがある。

逆に言えば普段の記事更新などは12インチディスプレイでも全く問題がない。「MarsEdit」の編集画面を右側に、プレビュー画面を左側に表示されて記事を書き上げ、必要に応じて「Google Chrome」や「Tweetbot for Twitter」を切り替えれば問題ない。別のSpacesにメールアプリやLINEを起動しておけば十分快適に使うことができる。

まとめ:重要なのは「Mac単体で何をしたいのか」

2016 MacBook 1.3GHz

僕は12インチ型MacBbokの2016年モデルを結構気に入っている。完璧ではないが、間違いなく2015年モデルよりは確実に、そして堅実に進化している。

僕が思う12インチ型MacBookに向いている人は以下の通り:

  • 文章を書くことがメイン、という人
  • 画像のライトな編集、写真の簡単な補正しかしないという人
  • とにかく携帯性・コンパクトさ・軽さが大事という人
  • 外部機器に接続するというよりもMac本体だけを使うことが多いという人
  • 気が長く、一刻を争う人生を生きていないので処理に掛かる時間は気にならない人

これらの条件に合えばワークマシーンとして12インチ型MacBookは非常に魅力的なデバイスだ。軽く、コンパクトで性能も十分。Retinaディスプレイを搭載し、ファンレスなので静か。ハッキリ言って好条件だ。

逆に言えば、上記項目に引っ掛かる人は向かないかもしれない。

例えば、出先でバリバリコーディングしたい、映像編集したい、写真編集したいという人は僕のように15インチ型「MacBook Pro Retina」がオススメ。「持ち運べるデスクトップ」を実現したい人にとって12インチ型MacBookは力不足だろう。

15インチ型「MacBook Pro Retina」を溺愛する僕はどのように12インチ型MacBookと使い分けているかというと、MacBookをサブ機として位置づけている。基本的には15インチを持ち運ぶようにしているが、常に背負って長時間移動しなければならない時やそもそもMacを使う機会があるかどうか分からないような時は12インチ型MacBookが活躍する。

macOS Sierra」からはiCloudを通じて複数のMac間でデスクトップを共有するという機能が追加される。これが利用できるようになれば、12インチ型MacBookはますます活用しそうだ。



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