MacBook Air(2018) レビュー
ノート型Macを欲しい人がまず最初に選ぶべきモデル バランス感のある万人受けする1台
MacBook Air(2018)は2018年10月30日に発表され、11月7日に発売。僕も当初は勢いで買ってみたものの、その当時は想像できなかったほど愛用している。
最新モデルはより洗練されたデザインに高解像度となったRetinaディスプレイを搭載し、十分なパフォーマンスを発揮することができ、ノート型Macの中で最も長い電池持ちを実現している。
半年以上使ってきて、僕はMacBook Air(2018)がバランス感の良いマシーンであり、ノート型Macをほしい人はまず手に取ってみるべきモデルであると考えている。本記事ではMacBook Air(2018)の外観、スペック、パフォーマンス、ポート数、ディスプレイ、キーボードなどを紹介すると同時に、購入を決意する前に気をつけるべき点などについて詳しく解説する!
目次
- MacBook Air(2018)のココが好き
- デザイン:見た目が格好良い
- サイズ:持ち運ぶにしても作業するにしてもちょうど良い
- ディスプレイ:Retinaになり、文字がパリッと
- キーボード:傾斜があり絶妙に打ちやすい
- ファンクションキーとTouch ID
- トラックパッド:大型化され、感触フィードバックに対応
- バッテリー:MacBook Proよりも長持ち
- 充電:30Wの出力があればフルスピードで充電可能
- 外部ポート:Thunderbolt 3ポート×2とヘッドホン端子
- パフォーマンス:基本的な作業をこなすには十分
- MacBook Air(2018)のココが惜しい
- MacBook Pro(2018)のおすすめ構成
- ノート型Macを購入するのであればMacBook Air(2018)を候補に
MacBook Air(2018)のココが好き
まずはMacBook Air(2018)が魅力的なマシーンであると考えている理由を紹介する!
デザイン:見た目が格好良い
MacBook Air(2018)は旧モデルのウェッジ型デザインを引き継いでいる。なんだかんだでこのデザインは良い。
ウェッジ型を採用することによって本体が薄く見える見えるだけではなく、キーボードを打つ時の手首の負担が少ないことも良い。ちなみにMacBook Airとの名前を持っているものの、最厚部はMacBook Proよりも分厚い。
サイズ:持ち運ぶにしても作業するにしてもちょうど良い
本体サイズは、「Macbook Air」の旧モデルよりも17%小型化されている。
混乱しやすいが、今のMacBookラインアップで最も小さいのはMacBookという12インチディスプレイを搭載したモデル。MacBook Air(2018)はMacBook Proの13インチモデルと同じサイズなのだ。
MacBook | MacBook Air | MacBook Pro (13インチモデル) |
|
---|---|---|---|
高さ | 0.35〜1.31 cm | 0.41~1.56 cm | 1.49 cm |
幅 | 28.05 cm | 30.41 cm | 30.41 cm |
奥行き | 19.65 cm | 21.24 cm | 21.24 cm |
重さ | 0.92 kg | 1.25 kg | 1.37 kg |
12インチ、13インチ、15インチすべてを持っている僕の印象としては、やはり13インチは絶妙なサイズであるということ。持ち運ぶにはギリギリ大きすぎないサイズで、自宅で使うにも場所を取りすぎない。
ディスプレイ:Retinaになり、文字がパリッと
MacBook AirもついにRetinaディスプレイに。旧モデルと比べて、表示されるピクセル数は400万ピクセル以上となり、表示可能カラー数は48%も増えている。
Macの画面はiPhoneと違い、ある程度目から距離があるので違いはあまり実感できないのでは、と思う人もいるかもしれないが、その違いは一目瞭然。
文字は輪郭がハッキリと見え、写真や画像はパリッとする。色域も広がっているため、色合い自体も鮮やかに見えるはず。
キーボード:傾斜があり絶妙に打ちやすい
MacBook Air(2018)のキーボードはバタフライ式キーボードになって以来、最も打ちやすい。MacBook Pro(2018)と同じ第3世代モデルを採用しているはずだが、打ち心地がさらに良い。
特に本体がウェッジ型のデザインを採用しているためパームレストが手首に刺さる感覚もなく、より自然な姿勢でキーを打つことができているのも快適さに繋がっているのかもしれない。
ファンクションキーとTouch ID
僕はTouch Barが嫌い。そのTouch Barは採用せずに通常の物理ファンクションキーが採用されている点は非常に高く評価したい。「esc」キーが物理的に押すことができるので、安心感が違う。
Touch Barはないが、「Touch ID」は搭載されている。パスワードの入力が指1本で突破できるのはなんだかんだで便利だ。
トラックパッド:大型化され、感触フィードバックに対応
僕自身は何年もWindows機を使っていないが、二刀流のYouTuberの動画を見ている限りではMacBookのトラックパッドは精度が非常に高く使いやすいと聞く。
MacBook Air(2018)のトラックパッドは旧モデルと比べて20%大型化している。しっかりとパームリジェクションが組み込まれているため、手首が触れて誤動作することはない。
バッテリー:MacBook Proよりも長持ち
ワイヤレスインターネット閲覧の公称値がMacBook Proよりも2時間も長い「12時間」とされているMacBook Air(2018)だが、確かに電池持ちは良かった。
とある1日の使い方で、朝7時24分から22時06分の5%まで、実に約14時間半近くの活動時間のうち使うことができた。
- 7時24分:100%
- 8時33分:87%
- 16時07分:48%
- 16時49分:38%
- 18時40分:35%
- 20時20分:19%
- 21時45分:11%
- 22時06分:5%
もちろん、常にMacBook Air(2018)を使っていたわけではなく移動時間や食事時間なども含めてこの使用時間となっている。僕の体感としては一度のフル充電で7〜8時間は使い続けられる。
充電:30Wの出力があればフルスピードで充電可能
この充電器でフルスピード充電可能(Anker PowerPort Atom PD 1)
電池持ちが良いだけではなく、充電するのに必要とする電力が少なくて済むこともMacBook Air(2018)の魅力。USB-Cポートを採用したことにより、モバイルバッテリーや小型のUSB充電器でも充電できる。
例えば、USB急速充電器であれば「Anker PowerPort Atom PD 1」でも充電できる。モバイルバッテリーも「Anker PowerCore Speed 20000 PD」ならほぼフルスピード(27W)で充電できる。
外部ポート:Thunderbolt 3ポート×2とヘッドホン端子
MacBook Air(2018)ではUSB-AポートやSDカードスロットなどの従来ポートが廃止され、代わりに「USB-C/Thunderbolt 3」ポートになった。
多くの周辺機器を接続する人にとっては面倒かもしれないが、恐らくMac本体だけで使う人の方が多いと考えると、大きな問題ではない。むしろ、ポートとしての性能は旧モデルより向上し、モバイルバッテリーから充電できるなど利便性の向上に繋がっている。
ただ、従来ポートを必要とする場合もあるので、USB-Cアダプタは1台持っておくことをおすすめする。
パフォーマンス:基本的な作業をこなすには十分
気になるパフォーマンスだが、単体でパフォーマンスを紹介しても分かりづらいので、僕がメインマシーンとして使っている13インチ型MacBook Pro(2018)と比較しながら性能差を解説する。
CPU性能
まずは「Geekbench 4」でCPU性能を測定。MacBook Air(2018)のシングルコアスコアは「4047」、マルチコアスコアは「7616」。MacBook Pro(2018)のシングルコアスコアは「5333」、マルチコアスコアは「16862」。
シングルコアで約30%以上、マルチコアで221%以上という結果になった。
MacBook Air(2018)にはTDPが7Wという消費電力が控えめのCPUが搭載されていることに加え、コア数は2つ。一方、MacBook Pro(2018)のCPUはTDPが28Wとなっていてパワーがあり、コア数も4コア。
これらの差がベンチマークスコアに現れている。僕のように「Google Chrome」で30近くのタブを開いた状態でブログエディタやTwitterアプリを起動しつつ、「Slack」や「Spotify」、大量のFinderを起動しながら「Adobe Photoshop」を使ってRAW画像を現像しようとすると、やはりもたつきを感じずにはいられなかった。
ただ、これはあくまでも僕の中でエクストリームな例。普段行っている作業の85%ぐらいはMacBook Airで快適に行えるという実感がある。
GPU(OpenCL/Metal)性能
続いてGPU性能を測定するために、「Geekbench 4」による「OpenCL」および「Metal」のベンチマークスコアを比較する。「OpenCL」のスコアは、MacBook Air(2018)が「20984」、MacBook Pro(2018)が「23128」。その差は約10%。
「Metal」のスコアは、MacBook Air(2018)が「22038」、MacBook Pro(2018)が「25284」。その差は約14%。
「OpenCL」および「Metal」はどちらも性能差はあるものの、それほどでもない。
かつて僕はGPUのスペックが高ければ高い方が良いと思いこんでいたが、実際の作業ではそれほどGPUを必要とする作業は行っていない。僕の場合は「Adobe Photoshop」と「Final Cut Pro」を使う時のみ。
なお、GPU性能が近い13インチ型MacBook Pro(2018)を使っていてもやはり多少のもたつきを感じる。
SSDの性能
「MacBook ProのSSD容量(ストレージ)の選び方【購入ガイド】」でも触れているが、基本的にストレージ容量と転送速度(読み書き速度)は比例する。
今回使用しているMacBook Air(2018)のSSDは512GB。一方、MacBook Pro(2018)には1TBとなっていて、その差は多少あるとは予想していたが、予想以上に大きかった。
MacBook Air(2018)の書き込み速度は1632.7MB/s、読み込み速度は2006.0MB/s。一方、MacBook Pro(2018)の書き込み速度は2350.8MB/s、読み込み速度は2609.8MB/s。書き込み速度で約43%、読み込み速度で約11%その差があった。
MacBook Air(2018)のスコアを見る限りでは十分な性能が出ていると言えるが、様々なシーンでパワー不足を感じる要因の1つとしてSSDの性能差はあったのかもしれない。
MacBook Air(2018)のココが惜しい
続いて購入する上で知っておくべきことや、実際に使っていて気になった点や購入する上で注意するべき点について紹介しておく。MacBook Air(2018)は非常に良いマシーンであるとは思っているが、これらをしっかりと把握した上で自分が買うべきか否かを判断した方が良い。
ハードコアな作業をするには向かない
パフォーマンスの比較でも紹介した通り、MacBook Air(2018)の性能は大容量のファイルを複数扱って処理するような作業には向いていない。僕の作業内容でいうと、「Adobe Photoshop」を使ったRAWファイル現像と「Final Cut Pro」を使った映像編集だ。
逆に言えば、それ以外の作業は快適そのもの。文章の執筆、スプレッドシートの作成や編集、動画の閲覧などは朝飯前。
個人的に動画の編集はしたことがないが、写真の現像作業は数枚程度であれば特にストレスはない。僕の場合、普段処理が速い環境で行っているからこそMacBook Air(2018)が遅く感じるだけであって、一般的には遅いと感じないのかもしれない。
実際、現役のウェブデザイナーの友人がMacBook Air(2018)を購入し使っているが、動作はとても快適で不満がないと言っていた。もしかしたら僕が短気というだけなのかも?
True Tone非対応、広色域(P3)非対応
MacBook Air(2018)にはTrue Toneが備わっていない。True Toneとは、環境光センサーを利用し、周囲の光に合わせてディスプレイの色と明度を自動的に適用させる機能。
色を正確に見る必要がある場合はそもそもオフにしてしまう人も多いようだが、僕は文字を見ていることが多いため、自然な色味に自動調整する機能がとても気に入っている。
これはMacBook Pro(2018)と並べて「iPhone XS」で撮影した写真。右がMacBook Pro、左がMacBook Air。
並べてみると色の違いは一目瞭然。また、普段MacBook Pro(2018)で作業しなれている場所でMacBook Air(2018)で作業すると目が少し疲れる。
また、MacBook Air(2018)のディスプレイはフルsRGB対応となっているが、MacBook Pro(2018)は広色域(P3)に対応している。
よって、より豊かな色合いを必要とする場合はMacBook Proを選んだ方が良いかもしれないが、そこまで求めなくても良いという人はMacBook Airでも十分だろう。
画面輝度がMacBook Proより少し暗い
もともと300ニトの明るさしかなかったMacBook Air(2018)だが、「macOS 10.14.4」のアップデート適用により400ニトまで輝度が向上した。
MacBook Pro(2018)の輝度は500ニト。数値的には及ばないが、400ニトまであれば屋外で作業していても見づらさは感じづらくなったような印象を受ける。
ポート数が少ない
MacBook Pro(2018)は右にもポートがある
MacBook Pro(2018)には左右に2つずつ、合計4つの「USB-C/Thunderbolt 3」ポートが用意されているが、MacBook Air(2018)には左側に2つのポートしかない。
個人的にはMac本体の右側からでも左側からでも充電できる、または周辺機器を接続できる、というのは非常に自由度が高くて使い勝手が良いと感じているが、こればかりは仕方ない。
なお、ポートの出力性能は基本的に同じ。MacBook Pro(2018)の方が対応している解像度が1種類多い。
MacBook Air | MacBook Pro |
---|---|
1台のディスプレイで5,120 x 2,880ピクセル解像度、60Hz、十億色以上対応 | 1台の外部ディスプレイで5,120 x 2,880ピクセル解像度、最大60Hzに対応 |
最大2台のディスプレイで4,096 x 2,304ピクセル解像度、60Hz、数百万色以上対応 | 最大2台の外部ディスプレイで4,096 x 2,304ピクセル解像度、最大60Hzに対応 |
– | 最大2台のディスプレイで3,840 x 2,160ピクセル解像度、60Hz、十億色以上対応 |
MacBook Pro(2018)のおすすめ構成
MacBook Air(2018)ならではの魅力、そして同時に持ち合わせている注意点を理解した上で、ここでは購入するべき構成について紹介する。
CPUはカスタマイズ不可、RAMは16GBがベター
MacBook Air(2018)はCPUをカスタマイズすることができない。標準で1.6GHzデュアルコア第8世代Intel Core i5プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)を搭載している。
GPUもIntel UHD Graphics 617で固定。変更できるのはメモリ(RAM)の容量(8GB/16GB)とSSDの容量(128GB/256GB/512GB/1.5TB)のみ。
個人的におすすめの構成は、メモリを16GBに増やし、ストレージを512GBにしたモデル。今、まさに僕が使っている構成だ。
いずれもあとから交換できないということ、購入後数年間は使い続けるということを踏まえると、幅広い作業をこなせるメモリと余裕のあるストレージ容量で買っておくのがベター。
とにかく1台に集約したいという人は1.5TBのストレージを購入しても良いと思うが、持ち運ぶ必要がないのであれば外付けドライブを別途購入した方がコストパフォーマンスが良い。
MacBook Air(2018)をAppleから購入する方法
上記構成はMacBook Air(2018)のUltimateモデルと位置づけられ、カスタマイズモデルでありながらもApple Store店頭で購入することができる。
もちろん、オンラインから購入するのであればApple公式サイトでも購入できるが、最近ではApple公式の認定整備済製品としてMacBook Air(2018)が登場し、通常価格の約15%オフで購入できる。結果的に数万円の節約になるのだ。
すぐに売り切れてしまうため、こちらのページからチェックするべし!
ノート型Macを購入するのであればMacBook Air(2018)を候補に
MacBook Air(2018)は幅広いユーザーにとってバランスが取れたノート型Macだ。とにかくスペック重視ということでなければ、まずはMacBook Air(2018)を検討することをおすすめする。
僕は、必要以上のスペックを持つマシーンを買って持て余すより、自分に合ったマシーンを選ぶ方が重要だと考えている。
検討した上で、より軽さやコンパクトさを重要視するのであればMacBookを、よりパフォーマンスを重要視するのであればMacBook Proを検討する、という流れで考えるのが良い。
MacBookMacBook Proと比較すると、MacBook Airの魅力がよく分かる。僕は特にMacBook Air(2018)はMac初心者に最適なモデルと考えている。
万が一MacBook ProとMacBook Airで選びきれないという人のために、MacBook AirとMacBook Proの選び方を解説する記事も書いておいた。参考にどうぞ!
軽さやコンパクトさ、またはパフォーマンス重視でもなく、幅広くこなせる程良いMacが欲しい、ということであればMacBook Air(2018)はきっと求めているニーズに最も近いMacになるはず。