Felicaの終わりも近い?NFCについて調べてみた
先日、GingerbreadとNexus Sが発表されたと同時にNFCについての発表もあった。
次期版AndroidはNFCをサポート おサイフ機能が可能に
Androidの次期バージョン「Gingerbread」には、近距離無線通信技術「NFC」のサポートが統合される。Android端末で商品の支払いができるようになる。(ロイター)
▽そもそもNFCとは、という人はこちら
NFC (Near Field Communication) として知られる無線通信の国際規格である。 NFCは、十数センチの距離での小電力無線通信(RFID)技術である。2003年12月に規格化された。
当初は端末そのものに目が行ってしまい殆ど気にかけていなかったのだが、よく読んでみると、国内モバイル市場では常識となっているFelicaとは互換性が無いらしい、とのこと。そもそもNFCとFelicaがどうなっているか分からないので調べていたら、すごく分かりやすく解説していくれているところがあったので、紹介する。
▽上記のページを更に簡潔にまとめると、こんな感じ。
- 非接触ICカードにはTypeA、TypeB、Felicaが有名どころである
- 世界最大の携帯電話事業者団体であるGSMAは世界中何処でも同じ決済システムを再利用できるようにいくつかの勧告を策定した
- Felicaは国際標準に落選した
- よって、おサイフケータイが海外で使えるようになることは当分無いだろう
docomoはおサイフケータイを結構推していたのに、気の毒だなあ、と思っていたら、意外にも既に動き出していた。
NTTドコモは携帯電話の機種変更の際、電子マネー「おサイフケータイ」の残額などのデータも新しい端末に移し替えやすくする。2013年をめどにSIMカードと呼ばれる端末内の契約者認識用カードにデータを記録する方式に変える。利用者はカードを差し替えるだけでデータの移管ができるため、機種変更がより手軽になる。
via 日本経済新聞
NFCはSIMに直接載せる方法と認証用のチップを別途端末に組み込む方法で搭載が可能なのだが、GSMAは基本的にSIM内蔵型にする方向で進めたいようなので、docomoもそれを見据えた開発をしていると期待したい。世界最大の携帯電話事業団体の審査に落ちたものを無理やり世界進出させるほどdocomoもバカではないと思うので、今後2、3年で変わっていくだろう。
とりあえず、最大の疑問は、なんで、日本はFelicaが世界標準に落ちた時点で移行する準備にすぐ着手しなかったのか。海外オサイフケータイ事情にあるリンクによると、2007年に勧告を策定しているので、Felicaが落選したのは最近の話ではないはず。今後、Felicaから新しい技術に移行するには大変だが、モバイルシェアの大半が今後スマートフォンになると言われているのであれば、無視するわけにはいかないだろう。iPhoneは国際標準に落ちた技術をわざわざ搭載するわけもないし、日本のメーカーのAndroidはFelicaを搭載しているがXperiaやIS03の出来の悪さを見ている限りだと、HTCなどの海外端末がシェアを伸ばし、それらが規格統一されたNFCを採用することによって、日本市場もそれに適応せざるを得ない状況になるだろう。
海外はどうなっているか分からないが、日本は権力のある会社が業界全体よりも付き合いを優先して世の中を動かしているので、後々こういった形でしわ寄せがやってくるのが本当に馬鹿らしい。
そんな失望感はさておき、今後はモバイル市場の変化と共にモバイル電子マネー市場も色々と変化がありそうなのは確か。今後とも注目していきたいと思う。
FeliCaとNFCは地続きです。
正確にはNFCってのはMifareやFeliCaを包有しています。
ただし、現実の製品がMifareやFeliCaそれぞれに実際上互換性を持つかどうかは
実装依存です。
ただ、少なくともGoogle Nexus SはFeliCaのIDmを読めるという
実績が既にあります。
少なくとも、FeliCaの非セキュア領域に関しては十分だろうと思います。