どっちを選ぶ?Beats Studio BudsとAirPods Proを比較する
AirPods Proの約半額で手に入るBeats Studio Buds、何が”犠牲”になっているのか
Appleは今年6月、完全ワイヤレスイヤフォン「Beats Studio Buds」を発表した。国内では今夏発売を予定している。
特徴は、高性能のアクティブノイズキャンセリング(ANC)と外部音取り込みモードの対応、IPX4等級の耐汗耐水性能など、AirPods Proの機能を備えながらも約半額という価格設定の実現。両モデルの違いはどこにあるのか。本記事ではBeats Studio BudsとAirPods Proを比較する。
目次
1分でわかるBeats Studio BudsとAirPods Proの違い
1分でわかるBeats Studio BudsとAirPods Proの違いを、表にまとめた。参考にしてもらいたい。
Beats Studio Buds | AirPods Pro | |
---|---|---|
価格 | 17,800円 | 30,580円 |
交換可能イヤーチップ | ○ | ○ |
ワイヤレス充電 | × | ○ |
カラバリ | ホワイト ブラック レッド |
ホワイト |
電池持ち (イヤホン単体) (ANC無効時) |
最大8時間 | 最大5時間 |
電池持ち (イヤホン単体) (ANC有効時) |
最大5時間 | 最大4.5時間 |
電池持ち (充電ケース) (ANC無効時) |
最大24時間 | 24時間以上 |
電池持ち (充電ケース) (ANC有効時) |
最大15時間 | 24時間以上 |
Fast Fuel (急速充電) |
○ 5分の急速充電で1時間再生 |
○ 5分の急速充電で1時間再生 |
耐汗耐水性能 | IPX4等級 | IPX4等級 |
Find My | ○ | ○ |
ノイキャン(ANC) | ○ | ○ |
外音取り込みモード | ○ | ○ |
空間オーディオ | △(ヘッドトラッキング非対応) | ○ |
デバイスの自動切り替え | × | ○ |
装着検知 | × | ○ |
Hey Siri | ○ | ○ |
Bluetooth 5.0 | ○ | ○ |
充電端子 | USB-C | Lightning |
Beats Studio BudsとAirPods Proの比較
共通仕様
まずはBeats Studio BudsとAirPods Proの共通している仕様や機能を確認しよう。
どちらも3種類のサイズから選べるシリコーン製イヤーチップを採用。ただしAirPods Proに搭載されている、最適なイヤーチップサイズを確認する機能は用意されていない。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)、外音取り込みモードに対応し、空間オーディオ対応楽曲の再生をサポート。イヤホン単体の電池持ちは、ANC有効時はほぼ同じ。AirPods Proは最大4.5時間、Beats Studio Budsは最大5時間。5分間の急速充電で1時間の再生時間が確保できる「Fast Fuel」も利用できる。
耐汗耐水性能はどちらもIPX4等級。Bluetooth 5.0をサポートし、Hey Siriが利用できる。
Appleチップによる機能が非対応
Beats Studio BudsにはW1やH1チップなどのAppleチップは内蔵されておらず、Beats独自のチップが採用されている。そのため以下の機能が利用できない。
- デバイスの自動切り替え
- Apple IDによる紐付け
- 装着検知
- 空間オーディオのヘッドトラッキング
デバイスの自動切り替えは、同じiCloudアカウントでログインしている別のデバイスがあるときに、接続先を自動的に切り替えてくれる機能。AirPods Proなどは、iPadでYouTubeを見ている最中、iPhoneで掛かってきた電話を受けたい時、自動的にiPadからiPhoneへと接続先を変更してくれる。
自動切り替え機能も無ければ、同じApple IDにログインしたデバイスでもBluetoothデバイス一覧に反映されない。AirPodsは一度ペアリングすれば同じアカウントでログインしたiPhoneとiPadに反映されるが、Beats Studio Budsは接続するデバイスごとに都度ペアリングする必要がある。
装着検知は、耳から外すと自動的に音楽を停止し、耳に入れると再度音楽を再生してくれる機能だ。
ヘッドトラッキングは、映画などを視聴中に画面の位置と頭の位置をリアルタイムで認識し、音の聞こえ方を最適化する機能。Beats Studio Budsには必要とされる加速度センサーが内蔵されていないため、実現できない。
Android対応
Appleチップを搭載しない代わりに失われた機能はあるが、得た機能もある。Beats Studio Buds最大の強みはAndroidスマートフォンでもiOSデバイスのように連係すること。
Androidスマートフォンに近づけるとペアリング画面が表示され、専用アプリをインストールすればノイズキャンセリングや外音取り込みの切り替え、左右ボタンの機能を変更できる。
LightningではなくUSB-C
Androidスマートフォンとの使用も想定されているため、用意されている端子はLightningではなくUSB-Cを搭載している。
ワイヤレス充電非対応
Beats Studio Budsは、ワイヤレス充電に対応していない。USB-Cケーブルを直接挿して充電する必要がある。
AirPods ProおよびAirPods 2の充電ケースは、ワイヤレス充電に対応している。
アクティブノイズキャンセリングと外音取り込みモード
ANCと外音取り込みモードは、両製品とも対応している。しかし海外の先行レビューでは、試した人全員が口を揃えてAirPods Proのほうが外音取り込みモードの精度が高いと指摘している。Beats Studio Budsには内向きのマイクがなく、外音の再現性が低くなっているのだろう。
電池持ち
ANC有効時の電池持ちは近いが、充電ケースを使用した電池持ちには差がある。
Beats Studio Budsは、ANC/外音取り込みモードが無効の場合、イヤホン単体で最大8時間、充電ケースと合わせて最大24時間再生できる。有効の場合、イヤホン単体で最大5時間、充電ケースと合わせて最大15時間になる。
AirPods Proは、ANC/外音取り込みモードの無効時はイヤホン単体で最大5時間、有効時で最大4.5時間。充電ケースは、ANC有効時でも24時間以上の再生時間を実現している。
操作性
Beats Studio Budsは左右にボタンがあり、耳の内側に向かって押し込むことで各種操作が可能。一方でAirPods Proは、”うどん”と揶揄される柄の部分をつまむことで操作する。
カラーバリエーション
Beats Studio Budsはホワイト、ブラック、レッドの3色展開。AirPods Proはホワイトのみ。黒いイヤホンがほしい人は、Beats Studio Budsを選んだほうが良いだろう。
価格
AirPods Proの価格は30,580円だが、Beats Studio Budsは17,800円。約半額で購入できるが、以下の機能が利用できない。またANCと外音取り込みモードは対応しているが、AirPods Proには劣るとの評価だ。
- ワイヤレス充電
- 空間オーディオのヘッドトラッキング
- デバイスの自動切り替え
- 装着検知
Beats Studio Budsは、AndroidスマートフォンでBeatsブランドの完全ワイヤレスイヤホンがほしい人にとって待望の製品だ。黒や赤のカラバリ、”うどん”が耳から飛び出さないデザインが魅力的に感じる人もいるだろう。
一方で複数のApple製品が手元にあり、デバイス間を頻繁に行き来するのであればAirPods Proのほうが使い勝手は良いはずだ。AirPodsで”あって当然”としていた機能が用意されていない場合もある。買い替える人は機能比較表をじっくり読んでもらいたい。
Beats Studio Budsは、米国で先行して発売。国内では8月11日より販売開始する。
うむ!もうちょっと明確に記載しておきますね、すいません!
Beats Studio Buds、ノイキャンONにした場合の電池持ちは、イヤホン単体で最大5時間、充電ケースで最大15時間なのが要注意ポイントです。
すでにある生活に慣れていると、ないと「あれ?」ってなるかもしれませんねw
やっぱ「デバイスの自動切り替え」ないのはデカイよなぁ