トランプ大統領が署名した大統領令ってどんな内容?初日から100件超
南部国境非常事態を宣言、DEIプログラム廃止など前政権からの政策転換を鮮明に
トランプ大統領は2025年1月20日の2期目就任直後、前政権からの大幅な政策転換を図る複数の大統領令に署名した。
パリ協定からの再離脱
気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの再離脱を表明し、大統領令に署名。「国家エネルギー緊急事態」を宣言し、石油・天然ガスの増産を通じてエネルギー価格の引き下げを目指す。また、風力発電向けの連邦政府管理地の貸与も停止する方針を示した。
TikTok規制の延期
中国系動画共有アプリ「TikTok」に関して、75日間の規制執行停止を命じる大統領令に署名。AppleやGoogleなどの米国企業への罰則適用を一時的に無効化し、TikTokの米事業を「合弁事業として米国が50%を出資する」という新たな構想も示した。
WHO脱退の表明
世界保健機関(WHO)からの脱退を進める大統領令にも署名。WHOが2020年の新型コロナウイルス感染拡大時の「対処を誤った」と批判し、中国に比べて米国に求められる拠出金が多額であることも理由に挙げた。
移民政策の大転換
トランプ大統領は移民政策で10件の大統領令に署名。南部国境での非常事態を宣言し、国境警備強化のために軍隊の派遣を指示した。また、メキシコ待機政策を再開し、難民受け入れを4か月間停止する措置も実施。さらに、不法移民の子どもへの市民権付与を制限する憲法解釈の変更も試みている。
エネルギー政策の転換
国家エネルギー非常事態を宣言し、石油・天然ガス生産の規制緩和を推進。バイデン政権下で進められた電気自動車(EV)促進策を撤廃し、化石燃料の活用を重視する方針を示した。特にアラスカでの資源開発を促進する独自の大統領令も発令。
社会政策の見直し
連邦政府におけるDEI(多様性・公平性・包摂性)プログラムを完全終了する大統領令に署名。また、連邦政府が認める性別を「男性」「女性」の2種類のみとする方針を打ち出し、トランスジェンダーの権利保護政策を撤回した。
行政改革・経済対策
連邦職員の採用を凍結し、物価上昇対策のための包括的な方針を示す大統領覚書を発行。また、前政権下での政府機関による言論規制の可能性について調査を指示した。
これらの大統領令の多くは法的な課題に直面する可能性が指摘されており、特に出生地主義の制限や性別規定については、憲法との整合性が問われている。
世界一力のある大国なのに数年単位でコロコロ政策代わるから付き合う方も大変