「Apple Music」の月額料金のうち、Appleの取り分は3割以下と判明
「Apple Music」は月額9.99ドルのサービス。日本における料金は未だに発表されていないが、恐らく1,200円前後になるのではないかと予想される。
音楽ストリーミングサービスはユーザーにとってはメリットが多い。毎月10ドル程度を支払うだけで音楽が聴きたい放題。通信量制限にさえ引っ掛からなければ便利この上無い。
ただし、残念ながらアーティスト側からするとメリットよりもデメリットが多いと聞く。実際、Taylor Swiftが自身の楽曲を全て音楽ストリーミングサービス「Spotify」から取り下げるなど、儲からないと評判だ。先日、Spotifyが抱える7,500万人のユーザーのうち、有料会員は36%に留まることが明らかになった。
この点について「Apple Music」はどうなのだろうか。Re/codeによると、ユーザーが支払う9.99ドルのうち、Appleの取り分は約3割であることが明らかになった!
日本を含むアメリカ国外でも平均して73%がアーティスト側の取り分
アメリカでは71.5%がアーティスト側に支払われ、アメリカ国外では国ごとに変動するものの平均して73%前後になると伝えている。これはEddy Cue上級副社長と共にレーベル交渉を行なっているRobert Kondrk氏から得た情報となっていて、Appleと交渉しているレーベルの幹部からも事実であると確認されている。
Here are the real numbers, according to Robert Kondrk, the Apple executive who negotiates music deals along with media boss Eddy Cue: In the U.S., Apple will pay music owners 71.5 percent of Apple Music’s subscription revenue. Outside the U.S., the number will fluctuate, but will average around 73 percent, he told Re/code in an interview. Executives at labels Apple is working with confirmed the figures.
via Apple Music Revenue Share to Music Labels, Publishers Explained | Re/code
「Apple Music」には3ヶ月間無料で利用できるお試し期間が用意されているが、その期間中はアーティスト側に支払いは行われないとのこと。Kondrk氏いわく、競合サービスに比べて分配率が高いことからこのような取り組みが許されるそうだ。
なお、「Apple Music Radio」に改名した「iTunes Radio」や「Beats 1」もアーティスト側に支払いは発生するが、収益分配率は7割よりは低く設定されているそうだ。正確な割合は明かされていない。
定額音楽配信サービスの業界標準分配率は70%。3ヶ月間の無料お試し期間を考慮し「Apple Music」は高めに設定されているが、長期的に見れば「Apple Music」の方がアーティストにとっては取り分が増えるはず。
既に確固たる地位を築いているSpotifyがいる中、後発でありながら「Apple Music」が成功する方法があるとすればアーティストが音楽配信プラットフォームとして魅力を感じてもらうこと。「Connect」などの機能を提供することによりアーティストを積極的に囲い込み、結果的にユーザーをSpotifyから引き剥がし移行させるという策略なのではないかと予想している。
「AWA」は公開2週間で100万ダウンロードを突破。「LINE MUSIC」は圧倒的なペースで人気を集めているようで、公開2日目で100万ダウンロードを突破。「Apple Music」の国内展開が待ち望まれる。
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(via Re/code)