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Siriがポンコツでも関係ない。Apple、生成AIアプリから年間9億ドルを”荒稼ぎ”

他社が数百億ドルをAIに投じて赤字の中、AppleはApp Store手数料だけで悠々と回収

Saradasish pradhan gEpncIlZq7c unsplash

Appleが2025年、生成AIアプリから約9億ドル(約1,350億円)のApp Store手数料を稼いでいたことが明らかになった。The Wall Street Journalが、分析会社AppMagicのデータをもとに報じた。

収益の約75%はChatGPTのダウンロードとその後のサブスクリプションによるもの。2位はElon MuskのGrokアプリだが、わずか5%に留まっている。自社でまともなAIチャットボットを持たないAppleが、他社のAIアプリから莫大な手数料を得ている構図だ。

月間収益は3倍に急成長

AppMagicによると、App Storeにおける生成AIアプリからの月間収益は、2025年1月の約3,500万ドルから8月には約1億100万ドルへと急成長。約3倍に膨れ上がった計算だ。その後はChatGPTのダウンロード数が減少し、やや落ち着いた推移を見せている。

それでもAppleは2026年中に生成AIアプリ関連の年間収益が10億ドルを突破するペースだという。自社のAI技術が競合に大きく出遅れていることを考えると、なかなかの稼ぎっぷりだ。

Appleがこれほどの恩恵を受けられる理由はシンプル。iPhoneがスマートフォン市場でトップシェアを握っており、ほとんどのAIアプリはApp Storeを通じてユーザーに届けられるからだ。Appleはサブスクリプションに対して最大30%の手数料を徴収している。いわば、AIアプリの”通行料”を徴収する立場にいるわけだ。

競合とは真逆のAI投資戦略

興味深いのは、Appleの設備投資がライバルと比べて圧倒的に少ないこと。MicrosoftAmazon、Metaなどは生成AIインフラに数百億ドルを投じているが、利益はまだほとんど出ていない。一方のAppleは大規模なGPUデータセンターではなく、オンデバイスAIへの投資を優先してきた。結果として、他社が莫大な投資で作り上げたAIアプリから手数料を得るという、ある意味で最も効率的なポジションを確保している。

もっとも、この戦略ではSiriの性能向上には限界がある。そこでAppleは今年1月、GoogleとGeminiの活用に関する複数年契約を正式発表Geminiをベースにした新しいSiriが2026年中に登場する予定だ。Bloombergの報道によれば、この提携の費用は年間約10億ドルとされ、Appleは1.2兆パラメータのモデルにアクセスできるようになる。自社の技術力をはるかに上回る規模だ。

GoogleとAppleの”お金の循環”

この提携には皮肉な側面もある。Googleは既にiPhoneのデフォルト検索エンジンであり続けるために、年間約200億ドルをAppleに支払っている。今度はAppleがGoogleにAIインフラの対価を支払う形となり、両社間で資金が双方向に流れることになった。もっとも規模には大きな差があり、AppleからGoogleへの支払いは、逆方向と比べれば圧倒的に少ない。

Johnson Asset ManagementのCIO、Charles Rinehart氏はWSJに対し、AppleがAIプロバイダーの“有料道路”として機能できるなら、長期的には有利なポジションになると指摘している。自社でAI技術を開発する巨額投資を避けつつ、AIブームの恩恵を着実に受け取るーーAppleらしい、したたかな戦略と言えるだろう。

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執筆者g.O.R.i
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