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ぐるなび、”検索しない”グルメアプリ「UMAME!」を発表。AIが「今すぐ入れる店」を提案

満席の絶望、2次会難民、ランチ難民を解決。AIエージェントが文脈を読んで最適な店をマッチング

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ぐるなびが2026年1月20日、AIで「今すぐ入れる店」を提案するグルメサービスUMAME!(うまみー)を正式リリースした。これは単なるグルメ検索アプリではない。「予約なし・今すぐ」というリアルな飲食シーンに特化し、AIが文脈を読んで最適な店を提案してくれる、新しいタイプのマッチングサービスだ。

本記事では、発表会見で明らかになったUMAME!の詳細をお届けする。開発を主導したCTO岩本氏の「あるある」エピソードから、5回の作り直しを経た開発秘話、楽天ぐるなびとの住み分けまで、このサービスが目指す世界を紹介したい。

「検索疲れ」は誰もが経験している

UMAME!が解決しようとしているのは、誰もが一度は経験したことがある「絶望的な店探し」だ。CTO岩本氏が語る利用シーンは、控えめに言って共感しかない。

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満席の絶望からのリカバリー。週末、楽しみにしていた寿司屋に行ったら満席だった。口はもう寿司になっている。しかしそこでまたスマホを出して「現在地 寿司」で検索し直して、一軒ずつ電話して空席確認して……というのは、あまりにも面倒すぎる。UMAME!なら、アプリを開くだけで現在地周辺で「今のあなたの好み」に合い、かつ「今入れる可能性が高い」別の寿司屋が瞬時に表示される

2次会難民の救済も同様だ。1次会が盛り上がって「もう一軒行こう」となった時、みんな酔っ払っていて文字入力すら面倒だし、判断力も鈍っている。幹事も2次会までは予約していない。終電まであと1時間しかないのに、店探しで15分も路上で立ち尽くすのは時間の無駄以外の何物でもない。UMAME!なら、アプリを起動するだけで現在地・時間帯・ユーザーの好みを踏まえた「2次会に最適な店」がトップに表示される

ランチ難民の回避もUMAME!の得意分野だ。昼休憩、仕事が押して残り40分しかない。店を探す時間はないが、コンビニで済ませたくはない。即座に入れる近場の飲食店をサジェストし、貴重な休憩時間を「探す時間」から「食べる時間」に変えてくれる。

AIエージェントが「今の気分」を読み取る仕組み

UMAME!は「検索(Search)」から「マッチング(Matching)」へのパラダイムシフトを謳っている。ユーザーが条件を細かく指定して「探す」のではなく、AIがユーザーの文脈を読んで「提案する」サービスだ。

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この仕組みを実現するために、開発チームはベータ版(2025年1月〜)の検証で判明した課題に真正面から取り組んだ。ユーザーが「銀座 寿司」のような単語検索(キーワード検索)をしてしまい、AIの良さが活きないことが問題だった。そこでGoogleの最新技術などを取り入れ、裏側で複数の「AIエージェント」が対話・連携する仕組みに刷新した。

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社長、CTO、そして開発チームの皆さん

好みの学習方法はシンプルだ。初期設定は1回だけ。初回に年代や好みをタップするだけで、あとは利用履歴、位置情報、時間帯(金曜夜なら飲み屋、平日昼ならランチなど)からAIが勝手に学習してくれる。「おすすめ教えて」といった曖昧な質問に対しても、AIエージェントが「接待ですか?」「誰と行きますか?」と問いかけ、潜在ニーズを引き出す。

さらに記憶の更新も柔軟だ。例えば「禁煙した」と言えば、AI内のメモリが更新され、喫煙可の店を提案しなくなる。この仕組み、控えめに言って最高だ。

5回の作り直しとスピード感──開発の裏側

開発秘話として特筆すべきは、アーキテクチャを5回ほど作り直したという事実だ。AIの進化があまりに速いため、開発期間中にそれまでの仕組みを全て捨てる判断を下すことになった。特に2025年9月頃、「AIエージェント」型へ移行し、Googleの最新機能「Memory Bank」もリリース直後(12月)に組み込むなど、凄まじいスピード感で開発が進められた。

あえて「チャット履歴」を消すUIにした点も興味深い。一般的なAIチャットと異なり、過去の会話履歴を残さないデザインにした。「今」の気分にフォーカスするため、過去をスクロールする必要はないという割り切りだ。これはサービスコンセプトの徹底とも言える。

まだ完成形ではない──これからの課題

開発チームは、現在も改良を続けている。長期記憶と短期的な気分のバランス調整は現在も課題だ。人の好みは「昨日は辛いものが食べたかったけど、今日は優しいものがいい」とコロコロ変わるため、この微妙なニュアンスをどうAIに学習させるかは試行錯誤の段階だという。

さらに野心的なのが「A2A(Agent to Agent)」の構想だ。「きゅうりが嫌い」といった好みを同席者に伝えるのは気を使うもの。将来的には、ユーザー同士のAIが裏で連携し、何も言わなくても全員が満足できる店が提案される世界を目指している。この構想が実現したら、飲み会の幹事という役割から人類は解放されるかもしれない。

楽天ぐるなびとの明確な住み分け

ここで気になるのが、同じ楽天グループ内の「楽天ぐるなび」との関係だ。発表会見では、明確な住み分けが説明された。

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楽天ぐるなびは「失敗できない日」用。大人数の飲み会、歓送迎会、接待など、事前にしっかり予約をして計画を立てるシーン向けだ。一方でUMAME!は「日常のリアル」用。少人数や一人、2次会など、予約なし(ウォークイン)でその場のノリや気分を重視するシーン向けとなっている。

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マネタイズと公平性

ビジネスモデルについても独自の哲学がある。店舗がお金を払って検索順位を上げるような広告メニューは用意しない。AIはあくまで「ユーザーとのマッチング度」で表示を決める。

ただし「情報量」は有利に働く可能性がある。お金を出して加盟店になり、詳細なこだわり情報を入力することで、AIがその店の特徴を正しく理解し、結果としてマッチするユーザーに表示されやすくなることはある。これは正当なSEOに近い考え方だ。

ユーザー課金も現時点では考えていない。まずは体験を広め、送客力を高めることを優先するという。

インバウンドから食体験全体へ──今後の展望

2026年3月には英語版をリリース予定だ。外国人が求める「日本のローカルな店(地元の人が行く店)」をAIが案内する。インバウンド観光客にとって、言語の壁なく「今すぐ入れる店」を見つけられることは大きな価値になるはずだ。

さらに将来的には、店探しだけでなく入店後の体験もAIでサポートする構想がある。入店後のモバイルオーダーと連携し、「ビールを飲むペースが速いから次はこれ」といった提案や、外国人向けにメニュー解説を行うなど、食体験全体をサポートする世界が見えている。

UMAME!は、「面倒な検索や予約から人類を解放し、今すぐ美味しいご飯にありつけるようにするAIの相棒」だ。開発チームが最新技術に食らいつきながら「今の気分」にとことん寄り添おうとしている点が、このサービスの最大の特徴と言える。

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更新日2026年01月20日
執筆者g.O.R.i
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