【レビュー】compagnon Element Backpack:最強のロールトップ型カメラバッグ
背負心地が抜群、内部へのアクセスも良好だが、ジップ周りの使い勝手はイマイチ
「理想に限りなく近いバックパック」として支援したcompagnonの「Element Backpack」が手元に届いた。新型コロナウイルスの影響で当初の予定よりも半年以上遅れての到着となったが、無事届いてホッとした。
Element Backpackは、ロールトップ型のカメラバックパック。X-Pac VX21を使用し強度と重量を両立し、クッション性の高いショルダーストラップやヒップベルトによる高いフィット感が特徴だ。見た目、機能性、背負心地は期待通りで、僕の中で「WANDRD PRVKE 31」を上回る「最強のロールトップ型カメラバッグ」となった。
背負ったときの見た目、サイズ感、背負心地
Element Backpackは基本容量が30リットル、ロールトップを広げると最大42リットルまで収納できる。バックパックの重さは約2kg。30リットル以上の容量があり、型崩れしない構造を持つバックパックとしては軽い部類に含まれる。
ロールトップを収納した状態では、167cmの僕の背中を完全に覆うサイズ。僕にとっては絶妙な大きさだ。
バックパックのマチは約18cmもあり、広いほうだ。
着脱可能なヒップベルトも用意されている。位置は調整できないが、僕は腰の位置と完全にフィット。重い荷物を背負う時でも負荷を腰に分散できるだろう。
ハーネスシステム:ショルダーストラップ、背面パディング
僕がElement Backpackの購入を決めた最大の理由は、ハーネスシステム。ショルダーストラップ、ヒップベルト、背面のクッション性がこれまで見てきたバックパックの中でもトップクラスだと予想していた。
実物は、期待を裏切らなかった。MYSTERY RANCH 3Day Assault CLのように、身長に合わせてストラップの位置を調整する機能は用意されていないが、少なくとも僕の身長にピッタリ合っている。背面には高いクッション性、中央には背中との密着を抑え排気しやすくするエアーチャンネルが用意されている。
ショルダーストラップは、思っていたほど厚みや強度がなかったが、背負心地は全く問題ない。十分な厚みがあり、重い荷物を背負っても肩に食い込まない。
背負心地は素晴らしいが、使い勝手には致命的な欠点がある。ロードリフターの位置だ。
Element Backpackのメインポケットには、ハーネスシステムの周辺をコの字型に開く構造になっているが、ロードリフターはメインポケットのジップをまたぐ仕組みになっている。
メインポケットを開くたびに、都度外さなければならない。頻繁に開けることを想定していないかもしれないが、不便だ。
ヒップベルト:ポケット付き
マチもある程度あり、iPhone 11 Proであれば問題なく収まった。iPhone 11 Pro Maxは入らない可能性が高い。
各種ポケットとアクセス方法
Element Backpackの魅力は、ポケットの構造や配置。各ポケットの機能や使い勝手を紹介する。
サイドポケット:肩にかけたままカメラにアクセス可能
最近のカメラバッグには欠かせない、肩にかけたままカメラにアクセスできるサイドポケットも用意されている。
WANDRD PRVKE 31と異なり、サイドポケットは底面から浮いた場所にある。
カメラバッグを背負ったまま撮影する機会は少ないが、カメラ機材を持ち運ばない時は背負ったまま頻繁に取り出すアイテムを収納しておくことで素早く取り出せる。
レインカバー用ポケット
本体下部にはレインカバーポケットがあり、専用レインカバーが収納されている。不要な場合は取り出し、ポケットとして使うことも可能だろう。
ロールトップ
マグネット式のロックが用意され、着脱は指先で行えるほど簡単。
ロールトップの先端にも面ファスナーが用意されており、ロックを閉められないほどの荷物でも先端を閉じることができる。内側にはジップ式のポケットがあり、小物を収納できる。
ロールトップはメインポケット分離しているが、内側のジップを開けば簡単に繋げられる。メインポケットを含む全体で荷物を運びたいとき、便利だろう。
小分け用ポケット
Element Backpackの小分けポケットは、表側に集結している。背面側にはないため、観光地などでの貴重品の持ち運びには注意が必要だ。
手前には、小分けポケットが複数ある収納エリアがある。中が見やすい構造になっているが、あまり荷物を詰めすぎると不格好になる。
僕は、ペン、名刺入れ、いざという時のプロテインバーを入れている。
ジップポケットの上には、面テープで固定されるフラップポケットが用意されている。ここには貴重品などを入れても良いが、僕はAirPods Proを収納している。
左右にはペットボトルや三脚を収納できる伸縮性のあるポケットが用意されているが、内側には最大1.5リットルのドリンクボトルを収納できる隠しポケットも用意されている。
メインポケット:カメラ収納エリア、PC収納ポケット
メインポケットは、ハーネスシステムの周りにあるジップを開いてアクセスできる。
内側はカメラキューブに使われるようなクッション性のある素材が使用されており、カメラ機材をそのまま入れて持ち運ぶことが想定されている。仕切りは多数用意され、自由自在に配置を変更できる。開いた際に機材が飛び出さないようにするストラップも用意されている。
メインポケットの反対側にはPC用ポケットが用意されている。15インチ型MacBook Proまでの収納を想定しているが、16インチモデルも収まる。ポケットの位置を浮かせた「フォルスボトム」も採用されている。
フィット感は期待通り、使い勝手は少し慣れが必要
僕は、当初よりも半年以上遅れて手にしたElement Backpackを気にいるか不安だった。MYSTERY RANCH 3Day Assault CLをとても気に入っており、これまで試してきたバックパックの中でも最も合理的なポケット配置がされていると気づいてしまったからだ。
実際にファーストインプレッションは「思っていたほど良くない」だった。ところが使っているうちに、Element Backpackの構造を活かした使い方ができるようになった。各ポケットの使い分け方もでき、メインポケットの収納の区分けも自分好みに最適化できた。
何よりもElement Backpackは、見た目が気に入っている。クッション性の高いハーネスシステムも好みだ。「理想に限りなく近いバックパック」と惚れ込んで即支援しただけある。
カメラバッグとして、普段使いのバックパックとして、僕の大量の荷物を安全かつ快適に持ち運ぶためにガツガツ使い込んでいきたい。