Google Chrome、Gemini 3統合で”自動ブラウジング”が可能に。複雑な作業をAIが代行
米国のAI ProとUltraサブスクライバー向けに「auto browse」提供、Gmail・Calendar・Mapsなど複数アプリと深く統合
GoogleがChromeブラウザに大規模なアップデートを実施し、最新のAIモデル「Gemini 3」を統合した新機能を多数追加した。Googleによると、MacOS、Windows、Chromebook Plus向けに提供される今回のアップデートでは、サイドパネル体験の刷新、複数のGoogleアプリとの深い統合、米国のAI ProおよびUltraサブスクライバー向けには複雑なタスクを自動化する「auto browse」機能が導入される。
Chromeは従来、ウェブの閲覧と基本的な操作に特化したツールだったが、今回のアップデートによって信頼できるパートナーのような存在に進化を遂げる。Gemini 3は同社の最もインテリジェントなモデルとされており、複雑なマルチステップのワークフローを処理し、ユーザーに代わって作業を実行できる。
We’re introducing major updates to Gemini in @GoogleChrome for MacOS, Windows and Chromebook Plus. Built on Gemini 3, our most intelligent model, these powerful new AI features can help you multitask more easily and get the most out of the web 🧵 pic.twitter.com/OxwTdrUrDy
— Google (@Google) January 28, 2026
日常使いが便利になる新機能
今回のアップデートでは、AIアシスタントとしての基本機能が大幅に強化された。特に注目すべきは、ブラウジング中に常にアクセスできるサイドパネルの刷新と、複数のGoogleサービスとのシームレスな連携だ。
タブを切り替えずに使えるサイドパネル
新しいサイドパネル体験により、Gemini in Chromeのユーザーはどのタブを開いていても常にブラウジングアシスタントを利用できるようになる。これまでのようにタブを切り替えたり、新しいウィンドウを開いたりする必要がない。メインの作業を開いたまま、サイドパネルで別のタスクを処理できるため、中断することなくマルチタスクが可能だ。
たとえば、製品購入を検討している場合、複数のタブ間で価格やスペックを比較したり、異なるサイトのレビューを要約して1つの結論を出したりできる。混雑したカレンダーからイベントの空き時間を見つける際にも活用できるという。
画像編集機能「Nano Banana」を統合
Chromeに直接統合されたNano Bananaにより、画像のダウンロードや再アップロード、別タブを開く必要なく、その場で画像を変換できる。Nano BananaはGoogleの画像生成・編集AI機能の名称で、全Gemini in Chromeユーザーが利用可能だ。サイドパネルにプロンプトを入力するだけで実行できる。
具体的には、リビングルームのデザイン案を得たり、研究データを魅力的なインフォグラフィックに変換したりできる。これまで画像編集ソフトを立ち上げたり、オンラインツールにアップロードしたりしていた作業が、ブラウザ内で完結するようになった。
Gmail・Calendarなど複数サービスと連携
Gemini in ChromeはGmail、Calendar、YouTube、Maps、Google Shopping、Google FlightsなどのConnected Appsに対応する。これらの深い統合により、異なるサービスをまたいだタスクを迅速に完了できる。
たとえば会議に出張する場合、Geminiは数カ月前に受信したイベント詳細が記載されたメールを自動で掘り起こし、Google Flightsで最適なフライトを検索して推奨事項を提供し、さらに同僚に到着時刻を知らせるメールの下書きまで作成できる。従来であれば、Gmailを開いてメールを検索し、Google Flightsで航空券を探し、再びGmailに戻ってメールを作成するという複数のステップが必要だった作業が、すべてサイドパネルから指示するだけで完了する。これらの機能はGemini設定のConnected Appsセクションで有効化できる。
注目の新機能「auto browse」
今回のアップデートで最も革新的な機能が、米国のAI ProおよびUltraサブスクライバー向けに提供されるauto browseだ。これは、複雑な旅行の手配や専門的なワークフローなど、マルチステップの作業をユーザーに代わって処理する機能である。長年Chromeのオートフィルは住所やクレジットカード情報の自動入力など小さなタスクを処理してきたが、今回のアップデートでは「フォームに情報を入力する」だけでなく「ウェブサイトを操作してタスクを完了させる」レベルまで進化した。
どんなタスクを自動化できるのか
テスターたちは予約のスケジューリング、面倒なオンラインフォームの記入、税務書類の収集、配管工や電気工事業者の見積もり取得、請求書の支払い確認、経費報告の管理、サブスクリプションの管理、運転免許証の更新など、膨大な時間を節約できたと報告している。これらはいずれも、複数のウェブサイトを訪問し、情報を入力し、確認するという繰り返しの作業が必要なタスクだ。auto browseはこうした「面倒だけど誰かがやらなければならない」作業を代行する。
許可を与えればGoogle Password Managerを使用してサインインが必要なタスクも処理可能だ。つまり、ログインが必要なサービスでも、ユーザーの代わりにログインして作業を進められる。
オンラインショッピングでの活用例
より複雑な使用例として、Y2Kテーマのパーティーを計画する場合を考えてみよう。インスピレーションとなる写真を見つけると、auto browseはGemini 3のマルチモーダル機能により写真の内容を識別し、類似アイテムを検索してカートに追加できる。さらに驚くべきことに、予算内に収めるよう調整し、割引コードも自動で適用される。
Universal Commerce Protocolで実現するシームレスな購入体験
こうした機能を実現するため、ChromeはShopify、Etsy、Wayfair、Targetなどの業界リーダーと共同開発した新しいオープンスタンダードUniversal Commerce Protocol(UCP)をサポートする。この新しいオープンスタンダードにより、AIエージェントがChromeでユーザーに代わってシームレスにアクションを実行できるようになる。
これは、各ECサイトがAIエージェントによる操作に対応するための共通規格を定めたもので、auto browseがさまざまなオンラインストアで一貫した動作を実現できる基盤となっている。
プライバシーとセキュリティへの配慮
これだけ強力な機能を提供する一方で、Gemini in Chromeは厳格なセキュリティ基準で構築されており、新しいタイプのオンライン脅威からユーザーを保護するための全く新しい防御機能が導入されている。auto browseは、購入やソーシャルメディアへの投稿など、機密性の高いアクションについてはユーザーの確認を明示的に求めるように設計されている。
今後数カ月以内に導入されるPersonal Intelligence機能では、ユーザーがオプトインすることで、Chromeが過去の会話からコンテキストを記憶し、ユーザー固有にカスタマイズされた回答を提供する。たとえば、過去に「僕は猫アレルギーがある」と伝えていれば、ペット関連の提案をする際に自動でそれを考慮してくれる。アプリの接続はいつでも解除でき、ユーザーは常にコントロールを維持できる。
Googleは「エージェント的なウェブの可能性を探求し始めたばかり」とし、これらの新機能がユーザーのインスピレーションを維持し、Chromeでより多くのことを達成するのに役立つことを期待していると述べている。
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