米警察が容疑者のiPhoneを「Face ID」で強制的にロック解除させる事件が発生
容疑者が所有するiPhone内部のデータを捜査用に利用するため、警察が強制的に「Face ID」でロック解除させる事件が報じられている。
Forbesによると、児童虐待の疑いをかけられたGrant Michalski氏(28)に対し、FBIは当人のiPhoneを顔に向け、ロック解除をしたと伝えている。
ロック解除後、捜査官らはMichalski氏のメッセージ履歴や写真などを始めとした端末内のデータを調査。後日、それらのデータが証拠となり、児童ポルノに関して起訴されている。
警察が生体認証を利用してデータにアクセスすることの是非
「Touch ID」を利用し、容疑者のiPhoneをロック解除させ、内部データにアクセスするという事件はこれまでにも数件報じられている。過去には故人の指紋を利用してロック解除させようと試みた事件もあったが、結果的にロック解除は成功しなかったとのこと。
「Face ID」を利用した同様の事件は、今回が初めて。個人情報の保護と法律の線引きが非常に難しくなっている。
米国では、パスコードは米国憲法の修正第5条で守られているが、生体認証に関しては含まれていない模様。第三者が指を置かせたり、顔を画面に向かせたりすることによってロック解除できてしまうことから、今回のように警察が容疑者の顔を使い、「Face ID」でロック画面を突破できてしまう。
容疑者に対する証拠を掴むためにiPhoneは強制的にロック解除できるべきだと主張する法執行機関に対し、Appleはこれまで個人情報の保護は全てに対して適用されるべきとの立場を示している。
これはカリフォルニア州で2015年12月に発生した銃乱射事件の捜査において、AppleのCEO自らコメント。このことについてAppleは「プライバシー – 政府による情報提供要求」で説明している。
(via MacRumors)