eGPUのある生活:グラフィック性能は向上するが基本的な使い勝手が悪い

確かに13インチモデルに不足しているGPU性能は補ってくれるが、接続解除の成功確率がとにかく低い

Blackmagic eGPU Review 07

僕は13インチ型「MacBook Pro 2018」+「Blackmagic eGPU」という組み合わせは僕のようなライフスタイルを持つ人にとって完璧だと思っていた。

Mac本体は持ち運ぶことができ、自宅にいる時は据え置きのグラフィックカードを利用して本体に負担をかけることなく、外部ディスプレイに出力したりグラフィックヘビーな作業をこなすことができる。

僕が使用しているeGPUは「Blackmagic eGPU」。eGPUのある生活を1年近く続けてみた結果、確かにグラフィック性能は向上する目的は果たしてくれるものの、基本的な使い勝手が悪く、改善の余地を感じる

eGPUを使い始めてから約1年、分かった3つのこと

それでは僕が僕が実際に13インチ型「MacBook Pro 2018」と「Blackmagic eGPU」という組み合わせで1年間使ってみた結果、感じたことを紹介する。

グラフィック性能不足はそれなりにカバーしてくれている

Using Photos App and eGPU 01

僕がeGPUに期待していたのは、13インチモデルに内蔵された非力なGPUを消費することなく高解像度の外部ディスプレイに出力し、グラフィックヘビーな作業でも難なくこなせるようにすること。

すでに「Blackmagic eGPU」のレビュー記事でベンチマークスコアなどの測定結果は紹介しているが、実際にMac本体のみで使っている場合とeGPUに接続した状態で使っている場合では、一部操作に違いを感じるようになった。

例えば、「写真」アプリでちょっとした編集をする時、eGPUに繋いでいる時と繋いでいない時ではレスポンスの差は体感できる。CPUのコア数が4つになった13インチ型「MacBook Pro」でも本体のみで写真の編集を行うと、タイムラグが発生する。

ベンチマークではそれほど活躍している様子はなかったが、最近は各設定を細かくいじっているせいか、eGPUを使っている時の方が操作から反映のタイムラグが少なく即座に反映される。

eGPUに接続していると、本体のファンが回ることも少ない。CPUに負荷が掛かるような作業であればどうにもできないが、GPUを使う作業はeGPUが肩代わりしてくれるからファンが回らなくて済むのではないかと分析している。

机の上の場所を取りすぎる問題

Blackmagic eGPU Review 08

eGPUは他にもいろいろと選択肢があるが、僕が使用しているのはApple公式サイトで取り扱っている「Blackmagic eGPU」。動作音も極めて静かで見た目も格好良いので机の上にあることに関しては一切の不満はないが、とにかく大きい。限られたデスクスペースを専有するので困る。

可能であれば机のデッドスペースなどに置きたいのだが、「Thunderbolt 3」の仕様上、最大転送速度40Gbpsおよび100Wの電力供給が可能であり、「USB 3.1」および「USB 3.0」との下位互換性があるのは0.5メートルのケーブルのみ。

つまり、Mac本体とeGPUは0.5メートルの距離以内に置かなければならず、配置が限られてしまうのだ。

接続解除が10回に9回は失敗する問題

QuickLookUIService eGPU Error 01

eGPUに対する最大の不満は接続解除が10回に9回は失敗するということ。

そのうち、失敗かどうかも分からないほど待たされるため、結果的に電源を落とすしかないことが8割ぐらい。残りの2割はケーブルを抜くまでもなく失敗して勝手に再起動するか、接続解除成功したと見せかけてケーブルを抜いた瞬間に画面が落ち再起動する、というパターン。

失敗かどうかも分からないほど待たされる場合、非常に高い確率で「QuickLookUIService」がeGPUをまだ使用中であるとの警告が表示される。仕方ないので「強制的に接続解除」をクリックするのだが、一向に接続解除される気配がない。

その間、どれぐらい待てば作業が完了するのかもよく分からないため、結局無視してMacの電源をまるごと落としてしまった方が良い。

どのタイミングで安心して接続を解除していいのか分からない、という仕組みに問題がある。外付けドライブのように「デスクトップ上からアイコンが消えたら物理的に外して大丈夫」という安心感がなく、不親切だ。

成功すると外部ディスプレイが消灯し接続解除ができるような雰囲気になるが、たまにその状態から「Thunderbolt 3」ケーブルを外すと突然Macが落ちたりすることもあった。トリッキーすぎる……。

よって、接続解除する時はまるっと電源を落としてしまった方が安心かつ安全。「FileVault」を有効化していると起動が少し遅くなるものの待てないほどではないのでそれほど苦痛でもない。マシーンが意図せず強制終了するよりはマシ。

ちなみに接続時は全く問題がない。自動的に4Kディスプレイに出力されるので、移動中や外出時の作業をそのまま大画面に表示して作業を続けたい、という時は快適そのものだ。

まとめ:僕の目的を満たしているが、費用対効果は悪い

今の僕と同じように、持ち運び用に13インチ型「MacBook Pro 2018」を使い、自宅では外部ディスプレイなどを使ったデスクトップ環境を構築したい、という人には「Blackmagic eGPU」などのeGPUは検討しても良い選択肢ではあると思う。

その理由は、使うことによって外部ディスプレイ出力におけるMac本体の負担を減らし、グラフィック性能を求められる作業をこなすことはできるから。この目的は着実に果たしている。

ただし、その代わり場所は取るし、接続解除はほとんどうまくいかないのでMacの電源を切ることが増えるはず。場所問題は仕方ないにせよ、接続の問題は将来のソフトウェアアップデートで修正される可能性に期待している。

僕のような使い方であれば、もっと安いeGPUでも十分

実際にこの1年間使ってみて分かったのは、僕の作業はグラフィック性能を求める内容が非常に限られている、ということ。「Adobe Photoshop CC」でもRAW現像の際に多少活かされるものの、正直Mac本体のみで作業しても不満はない。

僕が使っている「Blackmagic eGPU」は税別89,800円もする。より映像に力を入れるのであればGPUは役に立つが、僕のように文字中心の生活であれば費用対効果はあまり良くない。要は、eGPUのポテンシャルを活かしきれていない感じがするのだ。

Sonnet eGFX Breakaway Puck Radeon RX 560
Sonnet eGFX Breakaway Puck Radeon RX 560 External GPU

最近、Apple公式サイトでは「Sonnet eGFX Breakaway Puck Radeon RX 560 External GPU」が発売され、価格にして35,000円も安い(税別54,000円)。僕のような使い方を検討している人は、こちらの製品を選んだ方が良いかもしれない。

僕が必要としているのはGPUよりもCPU/RAM

さらに言えば、僕が写真の現像や編集も、結局のところ必要とするのはGPU性能ではなくCPU性能とRAM性能(搭載量)ということも分かってきた。

一般的には13インチ型「MacBook Pro 2018」は4コアなので十分であるはずだが、僕の作業量だと役不足を感じることも増えてきた。

MacBook Pro」の15インチモデルは、CPUが6コアまたは8コアを選ぶことができ、RAMも32GBまで搭載可能。GPUも「Vega 16」や「Vega 20」などの独立したGPUを本体に内蔵しているため、自宅でノート型Macのデスクトップ化をするにしてもeGPUを置くスペースを確保する必要がなくなる

僕は先日の取材で「MacBook Pro」の13インチモデルを仕事で使うには限界が見えてきた13インチ型「MacBook Pro 2018」とともにeGPUのある生活を続けてみた結果、携帯性を犠牲にしても15インチ型「MacBook Pro」に統一した方が良いのではないかと思っている。

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