【検証】「eGPUは外部ディスプレイの有無で性能差が出る」を確かめてみた
MacBook ProにeGPUを繋いで使用するより、さらに外部ディスプレイを使用したほうがパフォーマンスが発揮できる
僕が普段の作業で必要とするグラフィック性能は、外部ディスプレイの出力時のみ。16インチ型MacBook Pro(2019)に内蔵されているグラフィックスで十分まかなえるが、グラフィックカード「msi AMD Radeon RX 5700 XT EVOKE OC」を内蔵したeGPUボックス「AKiTiO Node Titan」を借りたので、「Geekbench 5」でMetalスコアを計測した。
eGPUは、外部ディスプレイの有無で性能差が出るという。検証するために、MacBook Proに内蔵されたGPU、eGPUを接続した状態、eGPUに接続し外部ディスプレイに出力した状態でベンチマークスコアを計測した。ベンチマークは、バックグラウンドアプリケーションをすべて終了した状態で実施している。
Geekbench 5のMetalベンチマークで性能を比較
MacBook Proのみ
16インチ型MacBook Pro(2019)のGPUは、内部GPU(Internal GPU = iGPU)と分離GPU(Discrete GPU = dGPU)の2種類。iGPUにはIntel UHD Graphics 630、dGPUにはAMD Radeon Pro 5500Mが搭載されている。
MacBook Pro内蔵 | MacBook Pro + eGPU |
MacBook Pro + eGPU + 外部ディスプレイ |
|
---|---|---|---|
iGPU | 4967 | – | – |
dGPU | 33073 | – | – |
eGPU | – | – | – |
MacBook Pro+eGPU
続いてMacBook ProにeGPUを接続した状態で計測した。eGPUのグラフィックカードはMacBook Proよりも高性能なため、当然高いスコアが出ている。一方でiGPUおよびdGPUのスコアは単体よりも低下している点は興味深い。
MacBook Pro内蔵 | MacBook Pro + eGPU |
MacBook Pro + eGPU + 外部ディスプレイ |
|
---|---|---|---|
iGPU | 4967 | 4652 | – |
dGPU | 33073 | 31279 | – |
eGPU | – | 44808 | – |
MacBook Pro+eGPU+外部ディスプレイ
MacBook ProにeGPUを接続し、4K解像度の外部ディスプレイを出力した状態で計測した。iGPUおよびdGPUのスコアはやはり本体より落ちているが、eGPUのスコアは外部ディスプレイがない状態よりも27%も高い。
MacBook Pro内蔵 | MacBook Pro + eGPU |
MacBook Pro + eGPU + 外部ディスプレイ |
|
---|---|---|---|
iGPU | 4967 | 4652 | 4901 |
dGPU | 33073 | 31279 | 29074 |
eGPU | – | 44808 | 57050 |
内蔵ディスプレイを使用することで、帯域が狭まることが原因
外部ディスプレイ使用時のほうがスコアが高い理由は、Thunderbolt 3の帯域制限が原因だろう。内蔵ディスプレイを使用する場合、1本のThunderbolt 3ケーブルでデータが往復し帯域が狭まる。外部ディスプレイを使用すれば、データはMacBook ProからeGPUを通じ外部ディスプレイに出力されため、帯域ロスが少ない。
eGPU.ioが実施した、ゲーミングベンチマークによると、外部ディスプレイ使用時のフレームレートは30%以上高かったという。
YouTubeチャンネル「Max Tech」は今年2月、eGPUを接続した16インチ型MacBook Proの性能を検証する動画を公開。eGPUは、動画の書き出しなどCPUとGPUが連携して行う作業が多いほど、Thunderbolt 3の帯域制限で性能が低下すると指摘している。
結論として、eGPUは外部ディスプレイの有無で性能差が出る。eGPUの性能をフルに発揮したいのであれば、外部ディスプレイを用意したほうが良いだろう。
特に問題ありませんでした!僕も昔は問題でまくりですごく苦労してセットアップから外しました……
アンマウントは問題なかったですか?
僕はアンマウントの不具合でeGPUを手放しました。