Apple Fitness+、将来が”見直し”の対象に?組織再編でHealth+と統合か
高い解約率と収益低迷に苦しむサービスの立て直しへ、ヘルス部門がサービス統括下に

Appleのフィットネスサブスクリプションサービス「Apple Fitness+」の将来が見直しの対象になっている。Bloombergの人気ジャーナリストMark Gurman氏は、同サービスの運営体制が再編される見通しであると最新のニュースレターで明らかにした。
Gurman氏によると、Apple Fitness+はAppleの「最も弱いデジタルサービス」の1つに位置付けられているという。サービス自体は高い解約率と収益の伸び悩みに苦しんでいるようだ。
サービス終了は避けられそう
とはいえ、Appleが簡単にサービスを終了させることはなさそうだ。Fitness+には熱心なファン層が存在しており、サービスを打ち切れば「反発を招く」ことは避けられない。また運営コストがさほど高くないため、サービスを廃止して得られる節約額に対して、ネガティブな報道による影響の方が大きいと判断されている模様だ。
それでも「Fitness+の将来は見直し中」とGurman氏は指摘している。今後はAppleのヘルス部門バイスプレジデントであるSumbul Desai氏が同サービスの統括に就任。Fitness+を含むヘルス部門全体が、サービス責任者のEddy Cue氏の直轄になる体制となる。この組織再編により、業績改善へのプレッシャーが強まる見込みだ。
価格は据え置きも進化はスローペース
Apple Fitness+は2020年にローンチされた広告なしのワークアウト動画配信サービスだ。料金は月額9.99ドルで、Apple Oneプレミアプランにも含まれている。サービス開始から5年近く経つが、価格は一度も値上げされていない。
機能追加についても限定的だ。これまでにStravaとの連携機能や、Apple Watch不要でiPhoneのみでも利用可能にするアップデートなどは実施されているものの、他のAppleサービスと比較すると進化のペースは明らかに遅い。この停滞感が「弱いサービス」という評価につながっている可能性は高い。
Fitness+以外の機能は積極強化中
Fitness+以外のフィットネス機能については、Appleは積極的に強化を続けている。最近ではiPhone単体でワークアウトを記録できる機能を追加し、Apple Watchがなくても利用できるようになった。
最新モデルの「AirPods Pro 3」と「Powerbeats Pro 2」には心拍数モニタリング機能が組み込まれ、Fitness+のワークアウトと連携する。Apple Watchには「Workout Buddy」と呼ばれるApple Intelligence搭載の新機能も追加され、Fitness+のトレーナーの声をベースにしたパーソナライズされたアドバイスと励ましを提供するようになった。
次なる一手は「Health+」か
AIヘルスコーチを搭載した新サービス
Fitness+の苦戦とは対照的に、Appleは新たなヘルスケアサブスクリプション「Health+」の展開を検討している。同じくGurman氏が以前報じたところによると、このサービスは2026年にサービス開始される見込みだ。
Health+はAIを活用したヘルスコーチ機能を中心に、栄養計画の提案や医療に関するアドバイスを提供する。iPhoneやApple Watch、将来的にはAirPodsから収集される心拍数、活動レベル、睡眠パターンなどのデータを分析し、個人に最適化された健康アドバイスを提示する仕組みだ。リアルタイムデータに基づいた食事調整の提案や、ユーザーの行動パターンを分析した包括的な健康改善案を提示する機能が含まれる見込みとなっている。
医療専門家と連携してAI訓練
Appleは正確性を確保するため、社内の医師や外部の専門家と連携してAIシステムの訓練を行っている。栄養学、睡眠医学、心臓病学、精神健康の各分野の専門家がデータ提供に協力し、医師による健康関連動画コンテンツの制作も計画されているという。現在、このサービスはカリフォルニア州オークランドにある新しい医療施設でAppleスタッフによるテスト段階にあるようだ。
サービス収益強化の重要な柱に
Health+の登場は、Appleのサービス収益強化策の一環として位置づけられている。App StoreやGoogle検索収益に対するリスクが迫る中、Appleは米国でApple TV+の価格を30%値上げするなど、複数の対策を講じている段階だ。
Health+の具体的な価格設定は明らかにされていないが、Apple Fitness+やiCloud+と同様のサブスクリプションモデルでの展開が予想される。このサービスは、CEOのTim Cook氏が掲げる「健康がAppleの永続的な遺産となる」というビジョンに沿った重要な取り組みとなりそうだ。Fitness+の組織再編とHealth+の準備が並行して進むことで、Appleのヘルスケア・フィットネス事業は新たな局面を迎えることになる。
Apple Fitness+は月額9.99ドルまたは年額79.99ドルで利用でき、Apple One プレミアバンドルにも含まれている。新しいApple Watch、AirPods Pro 3、Powerbeats Pro 2、iPhone、Apple TV、iPadを購入すると3カ月間の無料体験が利用可能だ。
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