次期iPad Pro、iPhone 17 Proの「ベイパーチャンバー」搭載?2027年春に実現か
液冷式の熱管理システムで高負荷作業も快適に、MacBook Airへの展開も視野

次期iPad Proは、2027年春に登場が予想されているM6チップ搭載モデルで、ベイパーチャンバー冷却システムを採用する可能性が高いことが分かった。BloombergのMark Gurman記者が最新のニュースレター「Power On」で明らかにした。
Appleはチップの性能向上に伴い、より効率的な冷却システムの導入を検討しているという。ベイパーチャンバー冷却は、2025年9月に発売されたiPhone 17 Proシリーズで既に実装されており、その成功を受けてiPad Proへの展開が検討されている。
iPhone 17 Proで実証済みの冷却技術
iPhone 17 Pro/Pro Maxに搭載されたApple製ベイパーチャンバーは、内部に脱イオン水を密封した液冷式の熱管理システムだ。熱によって液体が蒸発する際に熱を奪い、蒸気が凝縮器エリアで冷却されて液体に戻るサイクルを繰り返すことで、デバイス全体に熱を効率的に拡散する。
ベイパーチャンバーはアルミニウム製のシャーシにレーザー溶接で固定されており、この金属結合が熱管理において重要な役割を果たしている。内部には独自設計の3Dパターンのウィッキング構造が採用されており、重力を使わずに液体を循環させる仕組みだ。
高負荷作業でも性能を維持
ベイパーチャンバーは、高負荷時のサーマルスロットリング(熱による性能低下)を大幅に軽減する。iPhone 17 Proでは、パワフルなA19 Proチップから発生する熱を効率的に逃がすことで、持続的な高性能を実現している。
iPad Proが動画編集や3Dモデリングなど、より負荷の高いワークフローに対応できるようになるにつれ、冷却性能の向上は不可欠だ。次期iPad Proに搭載される見通しのM6チップは、TSMCの2ナノメートルプロセスで製造されるため、さらなる性能向上が期待される一方で、発熱管理の重要性も増している。
MacBook Airへの展開も視野に
Gurman記者は、iPhoneとiPad Proでのベイパーチャンバー導入が成功すれば、AppleはMacBook Airなど、他のファンレス製品にも同技術を展開する可能性があると指摘している。製品サイズに合わせたグラファイト製ヒートスプレッダーと組み合わせることで、熱を内部と外部に効率的に拡散できる。
現在、AppleはiPad Proを約18カ月サイクルで更新しているため、M6搭載モデルは2027年春の登場になると予想されている。iPhone 17 Proで実証された冷却技術のiPad Proへの展開は、プロフェッショナル向けデバイスとしての位置づけをさらに強化する動きと言えるだろう。
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