OpenAI×ジョニー・アイブ「io」、商標訴訟で控訴棄却。名称封じられたまま長期戦へ
第9巡回区控訴裁が一時的差し止め命令を支持。「io」と「IYO」の混同リスクやスタートアップ側の資金調達への悪影響を認定

OpenAIとジョニー・アイブの「io」プロジェクトが、訴訟でまた一つ大きな壁にぶつかった。第9巡回区控訴裁判所が一時的差し止め命令(TRO)を支持し、OpenAI側の控訴を棄却。これにより、OpenAIは引き続き「io」ブランドの使用を制限されることになる。
9to5Macによると、12月4日の控訴審でOpenAI側が全面敗訴。「io」と「IYO」の発音が酷似している点や、両社が開発するAI駆動の自然言語対話コンピューターという製品の類似性が、裁判所によって認められた形だ。
3つの争点すべてでIYO側が勝利
IYO Inc.が公表したプレスリリースによると、控訴裁判所は以下の3つの争点について、すべてIYO側の主張を支持した。まず「混乱の可能性」については、「io」と「IYO」が発音上同一であり、両社の製品が関連していると裁判所が指摘。AI駆動の自然言語インタラクション機能を持つ新しいコンピューターを販売するという点で、両社の製品は競合関係にあると判断された。
次に「逆混乱」の危険性も認められた。これは、資金力のある後発企業(OpenAI/io)が市場を席巻し、先行する小規模企業(IYO)が商標権侵害者と誤認されるリスクを指す。OpenAIの知名度と資金力を考えれば、この懸念は現実的だろう。
資金調達への影響も裁判所が認定
さらに裁判所は、OpenAI側の積極的な製品発表が「IYOの資金調達活動を危険にさらした」と認定。IYOブランドの価値が損なわれる恐れがあるとして、「回復不能な損害」が発生していると判断した。
スタートアップにとって資金調達は生命線だ。名前が類似する巨大企業の参入によって投資家が混乱すれば、それだけで事業継続が困難になる。裁判所がこの点を明確に認めたことは、IYO側にとって大きな勝利と言えるだろう。
長期化必至、製品発表は2026年以降か
今回の控訴審判決により、地方裁判所での予備的差し止め命令審理が継続されることになる。この審理では、現在の制限を維持するか、範囲を狭めるか拡大するかが決定される。
予備的差し止め命令審理は2026年4月に予定されており、事実調査や専門家による証拠開示、本裁判は2027年から2028年にかけて行われる見通し。控えめに言って、かなり長期化しそうだ。
Appleファンが期待した夢の製品、暗礁に
ジョニー・アイブとサム・アルトマンが手を組んだ「io」プロジェクトは、AppleのデザインDNAとOpenAIの技術力が融合した革新的なAIデバイスとして、大きな期待を集めていた。OpenAIは5月22日に「io」の買収を発表したが、わずか1カ月後の6月23日に公式サイトや関連動画をすべて削除する異例の対応を取っている。
名称変更という選択肢もあるだろうが、すでに「io」というシンプルで印象的な名前で発表してしまった以上、ブランド戦略の練り直しは避けられない。AI デバイス市場の競争が激化する中、この遅延がOpenAIとジョニー・アイブにとってどれほどの痛手となるか、今後の展開から目が離せない。
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