新型Mac miniは取りこぼしてきたプロのニーズを満たせるか
新型Mac miniは噂通りプロ仕様のマシーンとして復活した。CPUは最大6コア、RAMは最大64GB、SSDは最大2TBまで搭載可能になったが、最小構成であれば89,800円から購入することができる。
試しにフルスペックの構成を選択してみると、その価格はなんと税別463,800円。その代わり、もはや「mini」という名前が相応しくないとも言えるほどのモンスターマシーンが出来上がる。
- 3.2GHz 6コア第8世代Intel Core i7(Turbo Boost使用時最大4.6GHz)
- 64GB 2,666MHz DDR4
- Intel UHD Graphics 630
- 2TB SSDストレージ
- 10ギガビットEthernet(1Gb、2.5Gb、5Gb、10Gb Ethernetに対応するNbase-T Ethernet、RJ‑45コネクタ使用)
今回のプロ仕様となったMac miniはどのような人に適した存在なのか。僕は最新モデルはこれまでAppleが取りこぼしてきたプロユーザーのニーズを満たすことができる存在ではないかと考えている。
5KディスプレイとeGPUで簡易版iMac Proの完成
フルスペックのMac miniは463,800円だが、iMac Proの最小構成は558,800円。その価格差は10万円近くあるが、性能差もそれなりにある。
Mac mini(フルスペック) | iMac Pro(最小構成) | |
---|---|---|
CPU | 3.2GHz 6コア第8世代Intel Core i7 (Turbo Boost使用時最大4.6GHz) |
3.2GHz 8コアIntel Xeon Wプロセッサ (Turbo Boost使用時最大4.2GHz) |
RAM | 64GB 2,666MHz DDR4 | 32GB 2,666MHz ECCメモリ |
SSD | 2TB | 1TB |
GPU | Intel UHD Graphics 630 | Radeon Pro Vega 56 |
Ethernet | 10ギガビット | 10ギガビット |
ディスプレイ | – | 5,120 x 2,880ピクセル解像度の27インチRetina 5K P3ディスプレイ |
Mac miniをフルスペックにすればストレージは2TB、RAMは64GBになるが、CPUやGPUに関してはiMac Proが圧倒的に上回っている。
とにかく性能を追求するのであればiMac Pro一択かもしれないが、iMac Proほどの性能は必要ない場合や、iMac Proの分厚いベゼルが好みではない場合、すでに「LG UltraFine 5K Display」があり活用したい場合などにおいて、新しいMac miniの方が目的に合っているかもしれない。
これに当てはまるのはまさに僕。手元に「LG UltraFine 5K Display」と「Blackmagic eGPU」があるため、以下の構成を利用すれば現在メインマシーンとして使用している13インチ型MacBook Pro(2018)を上回る構成が254,800円で手に入るのだ。
- 3.0GHz 6コア第8世代Intel Core i5(Turbo Boost使用時最大4.1GHz)
- 32GB 2,666MHz DDR4
- Intel UHD Graphics 630
- 1TB SSDストレージ
- ギガビットEthernet(10/100/1000BASE-TギガビットEthernet、RJ‑45コネクタ使用)
Appleは「Radeon RX Vega 56」グラフィックプロセッサを搭載した「Blackmagic eGPU Pro」を11月下旬に発売開始する。これをMac miniと組み合わせればiMac Proと全く同じGPUを使用することができる。
価格は税別149,000円なのでフルスペックの構成に合わせるとiMac Proを買った方がお得、ということになるが、僕の購入例として挙げている上記の構成であれば合計403,800円になり、iMac Proを買うよりもお得になる。
ただし、これも手元にディスプレイがある場合。「LG UltraFine 5K Display」は144,800円なので、追加で購入するとなると548,600円となり、iMac Proとの差額は10,200円になってしまう。
プロ仕様と言っても、求められる仕様は様々。自分の必要とするスペックに見合うマシーンをそれ相応の価格で購入したいのは当然のこと。
新しいMac miniはCPU、RAM、SSDを比較的細かくカスタマイズできる。GPUは特にオプションは用意せず、必要とする場合はeGPUの利用を想定している。グラフィック性能よりもCPU/RAM性能を求めるプロはいくらでもいるだろう。
今までなかったプロユーザー向けの新しい選択肢。新型Mac miniはこれまで取りこぼしてきたプロのニーズを満たすことができそうだ。