MacBook Airがノートパソコンを再定義してから10年、未来はどうなる
MacBook Airが10歳の誕生日を迎えた。米国時間2008年1月15日、サンフランシスコで開催された「Macworld 2008」にて、故Steve Jobs氏が壇上で披露してから10年が経った。
その薄さと軽さをアピールするために茶封筒からMacBook Airを取り出す姿を覚えている人も多いはず。その後、茶封筒を再現したケースが話題となった。今でも同様の製品が12インチ型MacBook用として販売されている。
11インチ型MacBook Airが2016年10月28日に販売終了し、現在は13インチモデルのみ販売中。生産終了が噂されつつも、Appleは昨年6月にCPUをこっそりアップデートしたモデルを投入した。
この先、MacBook Airはどうなるのだろうか。
MacBookに引き継がれたMacBook AirのDNA
MacBook Airという存在はMacBookが置き換えた、と見ている人も少なからずいるのではないだろうか。発売当初のパフォーマンスからグッと性能が向上し、今ではRAMも16GBまで搭載できるようになった。
外観も非常に似ている両モデルだが、実は未だにMacBook Airが今のMacBookシリーズの中で最も薄い、ということは知っているだろうか。確かにMacBookはMacBook Airのウェッジ型を踏襲しているが、わずか0.5mm、MacBook Airの方が”Air”なのだ。
MacBook Air (13インチ) |
MacBook | |
---|---|---|
高さ | 0.3~1.7 cm | 0.35〜1.31 cm |
幅 | 32.5 cm | 28.05 cm |
奥行き | 22.7 cm | 19.65 cm |
重量 | 1.35 kg | 0.92 kg |
MacBookは外観だけではなく、ポート数が限られている点など、初代MacBook Airと似ている部分が多々ある。
MacBook Airは1つのUSB 2.0ポート、Micro-DVIポートが1つ、ヘッドホン端子が右側に用意され、左側には少し奥まった位置にMagSafeが搭載されていた。
それまで常識だったCD/DVDドライブを廃止し、HDDだったストレージを容量が大幅に小さくなったSSDに変えた。しかも、当時の価格は1,799ドル。今で言うとMacBook Proの13インチモデルと同額だ。
当時、MacBook Airはポート不足、価格の高さ、CD/DVDドライブ廃止による不便さが多くの批判にさらされていたが、その当時の非常識は今となっては常識に。ソフトウェアのインストールはオンライン経由で当たり前になり、音楽も動画もすべてiTunesをはじめとしたオンラインサービスで完結するようになった。
発表後、WindowsのノートPCも次々とウェッジ型を採用し、「MacBook AirのWindows版」が次々と登場。ノートパソコン業界に新風を吹き込んだ。
MacBookはMacBook Air以上にポートを削り、左にUSB-Cポート、右にヘッドホン端子をそれぞれ1つずつ配置するという、究極のシンプルさが追求されている。
まだまだUSB-Cは発展登場であるため、移行期の真っ只中であると言えるが、数年後の未来には「まだあの四角いUSBポートなんて使ってるの?」と言っている自分がいるかもしれない。
MacBook Proにも引き継がれたMacBook AirのDNA
MacBook AirのDNAを引き継いでいるのはMacBookだけではない。
2016年、MacBook Proはメジャーアップデートされ、Touch Barというあってもなくても変わらない機能を追加したモデルと同時にTouch Barを搭載しないモデルを発表。
サイズを比較して見ると、実は最厚部はMacBook Airよりも薄く、幅、奥行きも一回り小さい。重さも20差しかなく、事実上、MacBook Airを置き換える存在となった。
MacBook Air (13インチ) |
MacBook Pro (13インチ) |
|
---|---|---|
高さ | 0.3~1.7 cm | 1.49 cm |
幅 | 32.5 cm | 30.41 cm |
奥行き | 22.7 cm | 21.24 cm |
重量 | 1.35 kg | 1.37 kg |
MacBook Airの薄さをさらに追求したMacBook、パフォーマンスに加えてRetinaディスプレイを搭載した、ハイスペックを求めるユーザー向けにMacBook Proという2種類のモデルが用意された今、MacBook Airの役目はもう終わったかもしれない。
もちろん、今でもMacBook Airは素晴らしいデバイス。ただ、既に代わりとなる存在がいると言うのも、事実。
ノートパソコンを再定義したMacBook Airの引退はもう目前なのかもしれない。
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